地域経済活性化を牽引
「月刊金融ジャーナル」を発行する金融ジャーナル社は10月11日、2024年度「ベストバンカー賞」を、七十七銀行の小林英文頭取(67)へ贈った。同賞は卓越したリーダーシップを発揮する金融機関経営者を顕彰している。七十七銀本店で行われた授与式で、飯田裕彦・金融ジャーナル社社長が賞牌(しょうはい)と副賞30万円の目録を贈呈した。
選定理由は、(1)金融ジャーナル誌の地方銀行・第二地方銀行の「収益性・健全性ランキング」における安定的な位置を維持(2)期間10年の経営計画「Vision2030」の実現に向けた新分野・新事業のプロジェクト10件の立ち上げ(3)「Vision2030」の浸透を図るための企業文化改革を推進(4)人材育成・新人事制度を導入――など。
同誌のランキングは各行の収益力、成長力、財務の健全性を16指標から算出。同行は、24年3月期の収益性ランキングが11位、健全性が10位であり、総合ランキングで地方銀行・第二地方銀行99行中8位など堅実経営を続ける。また、24年3月末の宮城県内預金シェア44.0%、融資シェア43.2%と、全国の地方銀行のなかで高水準にある。小林氏の卓越したリーダーシップの発揮と独創的な経営判断で、社会構造・金融環境の変化にいち早く対応するとともに、地域経済活性化を牽引(けんいん)している点を高く評価した。
大変光栄なことと感じている。「Vision2030」の実現を目指してグループの役職員全員で力を合わせて真摯(しんし)に取り組んできた努力と成果をご評価いただいた。全員でいただいたものとしてうれしく思っている。自分たちの未来は成り行き任せではなく、自分たちで切り開いていこうと、日頃から伝えており、一人一人が前向きなモチベーションを持って進んできたことが少しずつうまく回り始めた。企業として、一人一人が非常に前向きになったことが大きな成果だ。この賞をいただけた喜びを役職員全員で分かち合いたい。
【目的】
取引先及び地域の発展に貢献した金融機関経営者を顕彰する。具体的には、営業方針の改善や利便性の向上、社会貢献活動などに卓越したリーダーシップを発揮した優れた金融機関経営者を顕彰し、これを奨励する。
【選考基準】
「財務面」の評価を基本的要件とし、「非財務面」の活動も評価に加え、客観的な視点で選考する。
財務面は、「月刊金融ジャーナル」の財務諸指標ランキングをもとに、その改善度や地元シェア、さらに収益性、健全性、成長性などを総合的に評価。
非財務面では、利便性の向上やサービス体制の改善、新しいビジネスモデルや金融技術の開発、地域経済の発展への貢献などで、いかに指導力を発揮したかに重点を置く。