2026年9月4日号2面 金融庁、保険の「売れ筋」勧誘禁止、商品比較妨げる恐れ
金融庁は2028年3月1日に適用を始める改正保険業法の内閣府令で、「売れ筋」「ランキング」「おすすめ」を推奨理由として前面に押し出した保険商品販売を明確に禁止する方針だ。商品を比較して契約する顧客の利益を妨げる恐れがあるため。顧客の意向に応じて提示する場合は情報の客観性確保を求める。自動車保険や火災保険での事故対応件数のみをもって勧誘することも禁止する。金融庁の担当者は「商品の特性と直結せず恣意(しい)的な推奨につながる」と警鐘を鳴らす。
8月28日、パブリックコメントの結果として示した。営業時には主な提案の基準や理由として複数商品を顧客に比較して提示し…
2026年9月4日号3面 全銀協、非金融事業参入を議論、9月以降に検討会
全国銀行協会(加藤勝彦会長=みずほ銀行頭取)は9月上旬以降に、銀行が非金融事業に参入するための目的や意義、規制の在り方などについて議論する検討会の初会合を開く。2025年度の有識者会議の議論をもとに、将来的な銀行の一般持ち株会社化の可能性などに関してまとめた提言を2026年3月に公表しており、より実務に近い参加者で検討し意見をまとめる方針。
検討会は2027年2月まで5回程度開催し、同3月に取りまとめ結果を公表する。銀行界や金融当局のほか…
2026年9月4日号4面 広島銀行、営業プロセス再設計、年22万時間の効率化
【広島】広島銀行は、顧客ニーズの多様化やデジタル技術の進展などを受けて営業プロセスを再設計する。提案内容の検討から面談後のフォローまで属人的だった営業活動を変える。AI(人工知能)やデータの利活用を支えるシステム基盤を整え、営業活動の効率化とサービスの高度化を目指す。
背景には、行員の若年化や顧客ニーズの多様化がある。行員がゼロの段階から考える従来の営業活動は、担当者によって知識や経験の差が生じやすい。デジタル技術を取り入れたプロセスに転換し…
2026年9月4日号7面 富士信金、価格転嫁軸に経営改善、14年ぶり改定を支える
【静岡】富士信用金庫(静岡県、浅見祐司理事長)は、価格転嫁支援を軸に取引先の経営改善を後押しする。全店で価格転嫁に関するアンケートを取引先に実施し、売上原価の管理や交渉に向けた準備などをサポート。14年ぶりの価格改定を実現し、黒字化に寄与した先行事例も出てきた。4月からは専用ヒアリングシートの運用も始め、改善後の成長支援にも取り組む。
原材料費の高騰や米国の関税措置などの影響で資金繰りに苦しむ取引先の支援のため、2025年4月から価格転嫁の伴走支援に注力。職員向け講習と並行して赤字先など509先を調査した。2026年7月末までに292先に…
【写真】支援先の社長(右)と交渉を振り返る厚原支店の山田康次郎支店長(左)と事業サポート課係長(7月13日、富士信金厚原支店)
2026年9月4日号8面 特集 道内金融機関の店舗連携戦略、業態超えた連携に活路
【札幌】広大な営業エリアを抱える北海道内地域金融機関は、新たな店舗戦略を模索する。広域に店舗が点在する中、全国最多の人口減少数やデジタル化による来店客の減少、採用難にも直面。「1金融機関単独では地方の店舗を維持するのが困難」との声があがる。一つの解決策として注目を集めるのが業態や業界の垣根を越えた「店舗連携(共同窓口を含む)戦略」だ。特徴的な取り組みや課題を見た。
共同窓口で拠点維持
北海道銀行と北洋銀行は、道内の地方にある営業店を店舗内店舗で統合する際、拠点がなくなる地域に本支店を構える信用金庫または郵便局に「共同窓口」を設置した。8月までに北海道銀行は…
【写真】帯広信金鹿追支店と鹿追郵便局の支店併設記念セレモニーでテープカットする帯広信金の中田真光理事長(左から4人目、5月18日、帯広信金提供)
2026年9月4日号10面 特集 四国のバンカー なぜその資格を? “異分野スキル”業務に生かす
【高松】銀行業務検定、証券外務員、FP(ファイナンシャルプランナー)など行員に求められる資格は多岐にわたる。それらに多くの行員が挑戦する中、一見、畑違いとも思える資格を取得する人たちがいる。異分野のスキルを業務にどう生かし、自身の強みにしているのか。四国地区で活躍するバンカーの姿を追った。
■四国銀行、1級建築士、業者との「架け橋」へ
四国銀行 総務部の担当者は、入行後に1級建築士を取得。店舗建て替えや建物の維持管理を担当し、専門職としてバックオフィスから組織を支える。大学の建築学科を卒業後…
【写真】店舗の図面をチェックする担当者(8月6日、伊予銀行本店前)
2026年9月4日号15面 特集 近畿地区地銀6行 住宅ローン戦略、個人への接点確保を重視
【大阪】金融機関は住宅ローンを起点とした取引拡大を通じて、生涯にわたる関係づくりを進めている。「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」による調査によれば、近畿圏では変動金利を選択する住宅ローン利用者が75.7%を占めており、今後の金利上昇局面では収益拡大が想定される。近畿地区の地方銀行6行の住宅ローン戦略を取材した。
5年で1兆円超増加
国土交通省が3月末に公表した、2025年12月の近畿地方の不動産価格指数(住宅総合)は151.5で…
【写真】原材料価格や人件費の上昇に伴う物件価格の高騰で住宅ローンの借入額の大口化が進む(堺市の住宅展示場)
2026年9月4日号18面 肥後銀行玉名支店、組織力と提案力 底上げ、役席の“目線”一段上へ
【福岡】肥後銀行玉名支店(後藤康雄理事支店長兼有明ブロック長=行員21人うち渉外7人)は、役席層の育成を軸に組織力を高め、成果を上げる。同店を含む10カ店で構成する有明ブロックに横ぐしを通し体制を構築。役席には「一つ上の目線」を伝えて行員の自主性と提案力を引き出す。地域価値向上を掲げ、ソリューション成約を大きく伸ばしている。
後藤康雄理事支店長は2025年4月の着任後、支店運営に「全員が同じ方向を向く」「個々の強みの発揮」を据えた。ブロック全体を育てる「ブロックマネジメント」を展開。半年に1回各行員と面談し…
【写真】改善策や推進方針について意見交換する役席者ら(肥後銀行提供)