2024年7月26日号2面 日銀、市場配慮の国債減額議論、相場観を2段階で発信
日本銀行は7月30、31日に開く金融政策決定会合で、月6兆円程度で講じる長期国債購入の減額計画を決める。「今後1~2年程度」の計画策定・公表時期をマーケットにあらかじめ伝えつつ、金融機関実務者の声を聴き取る場を設け、議論の相場観を2段階で発信。人為・強硬的な金利抑制策などで著しい機能低下をもたらした市場に対する日銀の配慮がにじむ。
日銀は6月の会合で、異次元金融緩和の柱…
2024年7月26日号3面 大手行、個人評価「脱・画一」へ、三井住友銀行・専門性も重視
大手行で、行員の画一的な評価方法を見直す動きが広がっている。三井住友銀行は2026年1月をめどに導入する新人事制度で、業務領域ごとの「専門性発揮行動」を評価軸の一つに加える方向。みずほフィナンシャルグループ(FG)は24年度、社員をランク付けせず目標に対し上司が随時フィードバックを行う「ノーレーティング」を導入。社員とマネージャーが課題をともに考え、個人の成長を目指した対話を後押しする。三菱UFJ信託銀行は24年度、デジタルなど3領域で独自の評価基準を採用し、専門性を評価する。
三井住友銀の現行の人事制度は、…
2024年7月26日号4面 北都銀行、官民連携でまちづくり、営業店起点に課題解決
【仙台】北都銀行は、秋田県由利本荘市でのまちづくりプロジェクト参画に力を入れる。大手電子部品メーカーのTDKの社員寮建設を機に、医療施設や教育機関の誘致を計画したもので、同行は事務局として活躍。本荘支店が起点としたボトムアップ型支援で、地域開発コンサルティングのモデルケース創出を目指す。
【写真】プロジェクト実現に向けた建設の様子(北都銀行提供)
2024年7月26日号6面 信金、アドバイザー取得が増加、中小脱炭素へ体制構築
信用金庫は、取引先の中小企業に対して脱炭素化を支援する体制の構築を進めている。浜松いわた信用金庫(浜松市)は、環境省が認定する「脱炭素アドバイザー」の資格を持つ職員が約400人に達した。脱炭素経営に特化した相談窓口を有する観音寺信用金庫(香川県)も、2024年度から次長級以上に同アドバイザーの取得を促している。そのほか、各信金が拠点を置く地域全体の脱炭素化に向け、地元の地方公共団体との連携体制を整備する動きも広がりつつある。
【写真】全信協と信金中金が開いたセミナーには浜松いわた・観音寺・福岡ひびき各信金担当者らが登壇し、全国143信金がオンラインで参加した(7月16日、信金中金本店)
2024年7月26日号10面 特集 再考 地方創生(4) 地域銀行が農業お手伝い
農業は、作物の種類や味の特色などによって、地域性を発揮しやすい地場産業だ。各地域の特産品は、加工食品や飲食店のメニュー開発、海外輸出などすそ野も広い。農業支援はかつてJAグループの独壇場だったが、農業経営の大規模化や「六次産業化」などの環境変化もあって、地域銀行も支援姿勢を強めている。海外進出支援、ファンド出資、官民連携の3事例を取材した。
■山形銀行、タンザニア進出後押し
【仙台】山形銀行は、青果市場や環境分析業者などの外部企業と連携し、農業関連事業者の課題解決を支援している。また、国内農業関係者による海外展開ニーズの高まりを受け…
【写真】タンザニアで農場従業員からコメの収穫方法を聞く担当者(左、7月4日、山形銀行提供)
2024年7月26日号15面 特集 銀行員の平均給与、ベア実施で745万円 9行が30万円超の増額
銀行員の給与が増加の一途を辿(たど)っている。2024年3月期の平均年間給与(平均給与)は前年同期比2.7%(20万円)増の745万2千円に上った。物価高などを背景にしたベースアップ(ベア)に加え、初任給や賞与を引き上げたのが主因。2024年度も多くの銀行が賃上げに踏み切るため、2025年3月期も上昇ペースが継続しそうだ。本紙が大手行9行と地域銀行59行の有価証券報告書から集計した。
68行のうち平均給与額が前年同期比で増加したのは約9割の59行だった。今回は2023年7月に実施したベア分が反映されたため…
【写真】銀行員の平均給与は2023年3月期と比較し、2.7%増加した
2024年7月26日号17面 パリ五輪2024、金融界から21人出場
パリオリンピックが7月26日に開幕。金融界から12種目21人(表)が日本代表に選出された。柔道や陸上をはじめ、新種目ブレイキンに期待が集まる。
■前回金の女子柔道、ライバルにも注目
前回の「東京2020オリンピック」(2021年)では、柔道女子70キロ級で新井千鶴選手(三井住友海上火災保険=現アドバイザー)が金メダルを獲得し…
2024年7月26日号18面 西日本シティ銀行伊都支店、20年ぶり新設店で弾み
長期取引の土台固める
【福岡】西日本シティ銀行伊都支店(石川訓久支店長=行員20人うち渉外6人、パート9人)は、2023年10月の新規開店を機に長期取引の土台となる投資信託口座や住宅ローンの獲得を進めている。出店前後のローラー活動や住宅ローンの電話推進が奏功し、2024年3月末の投信口座は目標の2倍超を達成。住宅ローン件数も目標比1.6倍で、全店上位の実績を上げた。
同店は2004年10月の同行創立後、初の新規出店。付近は九州大学の転入に伴う学生向け賃貸マンションや商業施設の建設が盛んで…
【写真】若手行員らと打ち合わせをする石川訓久支店長(左下写真の中央、6月18日)。環境に配慮した西日本シティ銀行伊都支店外観(右上写真)