2025年6月13日号2面 省エネ支援 取り組み拡大、専担者や社内表彰反映、参画先“温度差”課題
経済産業省の「省エネ・地域パートナーシップ」に参画する金融機関は、省エネ支援の取り組みを拡大している。省エネ診断や補助金の活用を促進する200の参画金融機関で、省エネ診断実施件数を社内表彰制度に反映や、本部・営業店に専担者を配置するなど新たな動きが出てきた。ただ、各金融機関の取り組みには「相当程度の温度差がある」(経産省)のが実情。対応が後手に回れば、中小企業の脱炭素支援で先行する金融機関との間に明確な差が生じる可能性もある。
省エネ・地域パートナーシップは2024年7月に創設。地域一体での省エネ支援体制を…
2025年6月13日号3面 地域銀行・信金、NISA口座数伸び悩む、3カ月の増加率1%
地域銀行や信用金庫は、少額投資非課税制度(NISA)の口座数が伸び悩んでいる。ニッキンの調査によると、2024年12月末~25年3月末の3カ月間で地域銀・信金を合算した増加率は1.0%にとどまった。日本証券業協会が集計した証券会社の増加率は同期間に4.1%となっており、伸び率に開きが出ている。地域銀においても個別にみると、口座数が8%以上増えた銀行があった一方、約2割の銀行は口座数が減少しており、明暗が分かれた。
ニッキンは、投資信託の窓口販売を行う金融機関を対象に、四半期ごとに継続調査を…
2025年6月13日号4面 広島銀行、請求書業務 DX後押し、新システムで口座確保
【広島】広島銀行は6月下旬から、取引先の請求書業務を効率化するサービスを始める。アライアンス企業と共同開発したシステムを活用する。経理担当者がワンストップで請求書の受領から振り込み指示ができる仕組みで、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする。企業間取引がデジタル化するなか、法人決済口座の確保も目指す。
システムは、営業企画部チャネル・ネットワーク企画室の行員がTIS(東京都)と構築…
2025年6月13日号5面 群馬銀行、仕組み金融3年5.7倍、RORA向上に寄与
群馬銀行は、ストラクチャードファイナンス(仕組み金融)をリスクアセット利益率(RORA)向上の重点領域に据えて強化している。2022年4月の専担部設置から人材育成やノウハウ蓄積を進め、25年3月末残高は再生可能エネルギーなどを中心に1722億円と3年で5.7倍伸長。今後は船舶やデータセンター向けなどの推進も強化し、3年後に3200億円に乗せる計画。
専担部の「スペシャライズドファイナンス部」は段階的に増員し、現在24人…
2025年6月13日号6面 信金、店舗減少 小幅にとどまる、職員数推移との格差鮮明
信用金庫の店舗数と役職員数はいずれも減少傾向にあるが、そのペースに差が広がってきた。信金中央金庫地域・中小企業研究所の調査によれば、2000年度末を100とした場合、24年度末の店舗数は83.2、常勤役職員数は69.7で、店舗の減少ペースの方が小幅にとどまる。同研究所の大野英明所長は「減少幅に1割ほどの格差が生じており、1店舗当たりの人員が少なくなっている」と分析する。
店舗数は、24年度末で前年度比0.2%減の7059店舗(速報値)となり、26年連続で…
2025年6月13日号9面 改革の旗手 太田福裕・あぶくま信金理事長、守り抜いた地域と職員
【仙台】唐突に日常が消え去った2011年3月11日の東日本大震災。当時は常務理事、その後、専務を経て15年から理事長として、顧客と職員を守る一心で歩んできた。早期のシステム導入や迅速な意思決定で、多くの苦難を乗り越え、地域と揺るぎない絆を築いた。
■泣く泣く離職した職員
営業エリアは宮城県南部と、「浜通り」と呼ばれる福島県の沿岸地域。東日本大震災では揺れや津波に加え…
【写真】太田福裕・あぶくま信金理事長
2025年6月13日号17面 徳島大正銀行、慶応EMBAに協力、課題解決へ学生奔走
【高松】徳島大正銀行は、慶応義塾大学大学院経営管理研究科の経営学修士(MBA)プログラム「エグゼクティブMBA(EMBA)」を支援する。4~7月の日程で地域課題の解決策や振興案を提言する実習が徳島県内で行われており、地元金融機関として全面協力の構えだ。
社会人経験15年以上を入学要件とする同EMBAは、経営の中核を担う能力や感覚を養うビジネススクールの一つ。2年次の必修科目に国内地域で…
【写真】学生と面談する板東頭取(左、5月30日、徳島大正銀行本店)
2025年6月13日号18面 伊予銀行郡中支店、米歯ブラシ開発で伴走、原材料確保に休耕地活用
【高松】伊予銀行郡中支店(森本吉徳支店長=行員34人うち営業担当9人)は、地元企業への伴走支援の取り組みで存在感を発揮している。山陽物産(愛媛県伊予市)の事例では戦略策定から携わり、米を使用したエコ素材歯ブラシの開発を支えた。原材料の確保では地元農業法人の紹介を通じて休耕地の活用を見いだすなど、持続可能な地域づくりへの貢献でも注目されている。
ホテルアメニティーの製造を手掛ける同社は、ホテル業界で二十数%のシェアを持つ。旧来からハンドル部分に廃棄米などを35%配合した歯ブラシを販売し…
【写真】(上)山陽物産の武内英治社長(右)と打ち合わせをする森本吉徳支店長(中央)と日野和行課長(5月29日、山陽物産)。(下)休耕地で資源米収穫を手伝った森本吉徳支店長(中段左から3人目)と日野和行課長(同2人目、2024年10月、伊予銀行提供)