2025年6月27日号2面 金融庁・日銀、気候課題 民間と共有、シナリオ分析2回目
金融庁と日本銀行は、気候関連リスクに関する金融機関との対話を深めている。2024年8月に金融庁総合政策局内に新設された「気候関連リスクモニタリング室」が大手行や地域銀行、生命・損害保険の取り組み動向を聞き取り、今後の課題などを整理。それと並行して、足元の政策対応や経済実態をシミュレーションに反映した2回目のシナリオ分析を、日銀や3メガバンク、損保各社と実施し、脱炭素社会移行の重要性や分析上の論点を官民で共有した。
金融機関では、経営戦略における重要課題やトップリスクの一つとして…
2025年6月27日号3面 金融界、モダナイズ加速へ連携、課題抽出しロードマップ
金融界が、レガシーシステムのモダナイゼーション(老朽化したIT資産の近代化)の加速に向け連携する。業界全体の環境について現状を踏まえて課題を整理し、将来的なロードマップを策定。計画的に実行するための方策をまとめる。金融IT協会が「モダナイゼーション委員会」を始動し、システム事業者の知見を交えて最適解を見いだす。
勘定系システムで使われる「COBOL言語」のエンジニア不足…
【写真】モダナイゼーション委員長を務める植松哲也理事(6月17日、FinGATE KAYABA)
2025年6月27日号4面 横浜銀行、M&A支援を分業化、対応力高め 成約3割増
横浜銀行は、取引先のM&A(合併・買収)支援に分業制を取り入れ、成約増加につなげている。案件発掘、マッチング、クロージングの各フェーズを担当する三つのチーム制で事業承継などの案件対応力を向上。2024年度は成約件数が47件と23年度(35件)比34%伸ばした。
M&A業務を担うのはソリューション営業部の「企業情報グループ」(15人体制)。分業制は2年半前に…
【写真】ミーティングで案件を確認する企業情報グループのメンバー(横浜銀提供)
2025年6月27日号5面 あおぞら銀行、製販一体でO&D、15人の専門部署設立
あおぞら銀行は7月にも、専門人員15人を置いたALMソリューション部を立ち上げ、オリジネーション&ディストリビューション(O&D、資産流動化)業務を強化する。地域金融機関の資産・負債の総合管理(ALM)支援や資産流動化商品の組成・販売を担うチームを一体化し、地域金融機関や事業法人向けに融資債権の販売を積極化する。ALMに加えて、商品を製販一体で提案するのは珍しい。
地域金融機関など投資家の情報を同部に集約。投資家のALMを分析し、…
【写真】提案内容を話し合うALMソリューション部の行員らと田中直子常務執行役員(右から3人目、6月16日、本店)
2025年6月27日号6面 中日信金、法人開拓チームが活躍、2024年度に融資2億円実行
【名古屋】中日信用金庫(名古屋市、冨田勝理事長)の事業者開拓チーム「パイオニアプロジェクト」の実績が堅調だ。2002年に活動を始めたが、コロナ禍や人材不足もあり22年に一時中断。融資や事業者支援を手掛けられる人材の育成に向け、冨田理事長の肝いりで24年6月に復活した。再開1年目の24年度は20件開拓し、2億3千万円の融資を実行。02年からの累計の開拓件数、融資実行額は984先、102億4500万円に上る。
パイオニアプロジェクトは、融資増強と、企業理解やニーズ把握ができる人材育成を…
【写真】融資先について話し合う(左から)地域サポート部の河井穂高副調査役、吉田諒次長、長尾匡記部長代理(5月13日、本部)
2025年6月27日号8面 特集 2024年度下期生保窓販、一時払い終身26%減
地域金融機関の2024年度下期「生命保険窓販実績」(回答ベース)がまとまった。地方銀行61行、第二地方銀行36行、2025年1月末で預金残高5千億円以上および販売実績がある86信用金庫を対象にニッキンが調査した。
■終身保険、3業態とも減少
一時払い終身保険の販売件数(3業態合計)は、2024年度上期比26.7%減の16万5668件。地銀は同24.6%減の11万7391件、第二地銀は同29.8%減の2万748件…
2025年6月27日号10面 Techで変える(3)
■北国銀行、オペレーター業務削減、AI活用し応対可視化
【金沢】北国銀行は、顧客からの電話応対を担うダイレクトセンター業務にAI(人工知能)を活用し、オペレーターの負担軽減や管理者業務の効率化を実現している。
ダイレクトセンターでは約100人のオペレーターが業務に従事する。近年は、店舗統廃合やデジタル化の進展で顧客ニーズも多様化・複雑化。ウェブなど自己解決するツールの…
【写真】顧客との会話はリアルタイムに可視化される(6月4日、北国銀行本店)
2025年6月27日号18面 きらぼし銀行渋谷中央支店、非金融支援で成長に貢献
株価向上策やCM枠案内
きらぼし銀行渋谷中央支店(佐藤雅史取締役支店長=行員27人うち渉外23人。派遣1人、パート8人)は、東京きらぼしフィナンシャルグループの子会社と連携した非金融支援に注力している。物言う株主(アクティビスト)を意識した株価向上支援やテレビCM枠の案内など、多様な切り口で取引先の成長に貢献。また、富裕層の不動産投資支援でも成果を上げている。
主な営業地域は東京都渋谷区。2018年10月に同店内に渋谷支店、青山通支店が移転した。融資先は1800先(うち法人1千先)で…
【写真】打ち合わせをする佐藤雅史取締役支店長(左から4人目)と担当者ら(5月12日、きらぼし銀行渋谷中央支店)