2026年7月17日号3面 金融界、AI無断使用で漏洩リスク、規定整備追い付かず
生成AI(人工知能)サービスが急速に普及する中、会社の許可なく社員が無断で使用する「シャドーAI」によるリスクが、金融界で高まっている。業務効率化を目的に活用が進む一方で、社内規定の整備が追いつかず、情報漏洩(ろうえい)リスクの増大が懸念されている。
「生成AIがないと業務が回らない」――。こう話すのは首都圏の大手信用金庫本部に勤務する40代男性。メール作成や稟議(りんぎ)書の原文づくりに、米IT大手Google(グーグル)が提供する「Gemini(ジェミニ)」が欠かせない。ただ、私的に契約して使っており、本部は業務利用を認めていない。
こうした状況で懸念されるのが情報漏洩リスク。資料作成や情報収集などに利用が広がる半面…
2026年7月17日号4面 三井住友TG、資産運用ビジネス 一体運営、多様な需要応え 残高拡大
三井住友トラストグループ(TG)は、資産運用ビジネスのグループ一体運営で投資家層の拡大を狙う。グループ各社の事業を統括する「資産運用企画部」を新設し、総合的なポートフォリオを提供できる体制を構築。多様なニーズに対応するほか、機関投資家や販売会社としての地域金融機関に対する価値提供も拡大する。これにより、2028年度末までに運用資産残高(AUM)を202兆円とする目標だ。
4月に新設した資産運用企画部は、従来別々の部署が担っていたグループ各社の資産運用業務を統括する。各社の商品案内で部署をまたぐ必要がなくなり…
2026年7月17日号5面 トマト銀行、住宅融資 年110億円純増、個人メイン化戦略の柱に
【広島】トマト銀行は住宅ローン残高を2021年度以降、平均で年110億円程度純増させている。2025年度の純増額は、前年度比3.1%増の104億円となった。がん保障特約付団体信用生命保険の金利を優遇したり、全期間固定金利キャンペーンを展開したりするなど、顧客ニーズに応えたことが主因。住宅ローン契約を「個人取引メイン化戦略の柱」(営業統括部)に位置づけており、今後も力を注ぐ方針だ。
「住宅ローンが近年、好調に推移している」。高木晶悟社長はこう評価する。2026年3月末の残高は3431億円。2025年度は住宅ローンを…
【写真】野田支店に隣接して新築移転した住宅ローンセンター岡山(6月30日、岡山市内)
2026年7月17日号6面 西中国信金、「預貸金量」追う営業転換、顧客数増で持続性高める
【広島】西中国信用金庫(山口県、池上弘理事長)は、預貸金のボリュームを追う営業方針から、取引先数を増やす方針に切り替えた。少子高齢化が進む中、右肩上がりの経済成長を前提とした事業計画から現実路線へ軌道修正した。「今後の決算に影響が出ることは想定済み」(池上弘理事長)という。
西中国信金は従来、本部が事業計画の計数目標を設定していたが、2026年度からやり方を変えた。「営業店から提出された預金、貸出金計画を単純に足し合わせたため…
2026年7月17日号8面 特集 統合相次ぐ東北地区、成長戦略・シナジーが鍵
【名古屋・静岡】しずおかフィナンシャルグループ(FG)と名古屋銀行、あいちFGと三十三FGがそれぞれ経営統合する。2026年に入り愛知県で相次ぐ動きに、「想定をはるかに上回るスピード」と金融当局幹部も驚きを隠さない。現場と経営の両面で関連動向を探った。
■預金獲得へ競争が過熱
「信用金庫も負けずに高金利で預金を取りに来るのが愛知県」(地域銀行トップ)。県内では地域銀行に加え、兆円を超える信金が八つある。2025年1月には合併であいち銀行が誕生。同行と名古屋銀行の競争が過熱したのは…
【写真】名古屋銀行の株主総会。ある株主は、「行名を残してほしい」と話した(6月26日、名古屋銀行本店)
2026年7月17日号15面 特集 東北地区3地銀、知見生かし海外進出支援
【仙台】東北地区地方銀行は、地域企業の海外進出を支援する。提携先の外国銀行や銀行グループの地域商社のほか、外部企業の知見を生かして取引先の現地法人設立や販路開拓をサポート。海外市場へのアクセスを通じて企業の業容拡大を後押しする管内地銀3行の特長的な取り組みをみた。
■青森みちのく銀行、海外挑戦塾、「自走」できる企業育成
青森みちのく銀行は外部連携を活用し、企業の海外販路開拓を支援する。旺盛な企業ニーズを背景に取引先食品企業の経営者と立ち上げた「海外挑戦塾」では…
【写真】海外挑戦塾の第2期説明会で意気込みを語る石川啓太郎頭取(5月22日、青森商工会議所会館)
2026年7月17日号17面 金融庁、「全東信」破産で影響調査、リスク管理態勢 監視強化
金融庁が、クレジットカード決済代行サービスの全東信(大阪市)の破産を巡り、地域銀行や信用金庫、信用組合の調査に乗り出した。東京商工リサーチによると、負債総額は2026年に入り最大規模となる約1151億6400万円で、ノンバンクを含めた計63社が同社に融資していた。預金残高の水増しなど、不正な会計処理で決算を粉飾した疑いも浮上する中、全東信を「正常先」に区分していた金融機関もある。金融庁は信用リスク管理態勢への監視を強める。
■「取り立て不能」公表
すでに一部の地域銀行などは、取り立て不能や遅延の恐れがあると公表した。最大の貸し手だった近畿産業信用組合(大阪市)は…
【写真】全東信本社に掲示された破産手続き告示(7月8日、大阪市)
2026年7月17日号18面 十八親和銀行大瀬戸支店、発電所訪ね動向把握、情報伝え取引拡大
【福岡】十八親和銀行大瀬戸支店(吉田信一支店長=行員13人うち渉外担当7人。スタッフ5人)は、地元フェリー会社との取引拡大に成功した。顧客が欲する情報の提供に向け、本部と協働して対応。渉外担当が良好な関係を築いたことも奏功し、4000万円の新規融資に結び付けた。地元経済の活性化を後押しするため、中小企業の課題解決や資金ニーズに一丸で応えている。
営業区域の西海市は長崎県中西部に位置し、離島が点在する地域。少子高齢化が進む中、同行は2016年から地方創生に向けた連携協定を結ぶなど…
【写真】情報交換する(左から)江崎海陸運送の江崎陽平社長、吉田信一支店長、担当者(6月2日、長崎県西海市)