2025年4月25日号2面 地域金融機関、中小の支払い遅延警戒、物価高や人手不足影響
地域金融機関は、中小企業の支払い遅延が増えていることに警戒感を高めている。キャッシュフローが悪化するだけでなく、「各企業は自社の営業担当などを(売掛金の)回収業務に充てなければならず、生産性が下がる」(地域銀行関係者)ことから、取引先企業の経営を圧迫する可能性があるためだ。物価高騰や人手不足で収益の十分な確保が難しくなっていることなどが要因とみられる。 約50の地域銀や信用金庫の取引先企業に売掛金の保証サービス「URIHO(ウリホ)」を…
2025年4月25日号3面 日証協方針、「多要素認証」を義務化、サイトで社名公表へ
日本証券業協会は、フィッシング詐欺などによる証券口座の不正取引被害拡大を受け、顧客に対して「多要素認証」の義務化を証券会社に要請した。ログイン時の多要素認証を必須とする証券会社をウェブサイトで公表する予定。同意を得た証券会社の社名を掲載する見通しで、被害防止に向けた緊急対応を求める。 初回公表後も、同意した証券会社名は順次追加する。対応時期は明確化しない…【写真】不正取引対策の方針を説明する森田会長(4月16日、日証協)
2025年4月25日号4面 地域銀行、枠組み作りJクレ創出へ、環境価値を経済価値に
地域銀行が、地元のJ‐クレジットの創出に向けたプロジェクトの構築に乗り出している。住民や取引企業が生み出した環境価値を経済価値に変換する動きを後押しすることで、地域で進む脱炭素関連の取り組みを持続的にする狙いがある。中国銀行と山陰合同銀行は、脱炭素コンサルティング事業を手がけるバイウィル(東京都)と連携した枠組みを始動させた。 中国銀は「ちゅうぎんカーボンクレジットクラブ」、山陰合同銀は「ごうぎんJ‐クレジットクラブ~『みんなでJ‐クレジットつくっちゃおう!』プロジェクト」を…
2025年4月25日号5面 三井住友FG、法人版オリーブ始動、3年で預金3兆円
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、5月に法人向け総合金融サービス「Trunk(トランク)」を開始する。同社の個人向けサービス「Olive(オリーブ)」の仕組みを活用し、小規模・零細を含めた多様な企業に口座や決済に関連する機能を一気通貫で提供する。人手を介さないデジタルサービスで、メガバンクのメインターゲットではなかった中堅未満の企業との接点を生み出す。リリースから3年で法人口座30万口座、約3兆円の預金獲得を目指す。 Trunkは銀行口座に加え、経理業務やビジネスカード、ファイナンスを一つのサービスで…【写真】会見で新サービスの狙いを語る三井住友FGの中島社長(4月15日、東京都内)
2025年4月25日号6面 城南信金、共同開発AIを全国へ、他信金から照会多数
城南信用金庫(東京都、林稔理事長)は、東京大学松尾研究室発のスタートアップneoAI(東京都)と共同で開発した生成AI(人工知能)を全国の信用金庫に広げていく。信金業務に特化しているのが特徴で、導入以降多数の照会があったことから、同社を通じた提供を進める。 同信金は2024年10月にneoAIと提携。生成AI「neoAI Chat for しんきん」を共同で開発…【写真】生成AIアシスタント作りを学ぶ職員ら(本店)
2025年4月25日号8面 特集 Techで変える(1)
あらゆる業種で人手不足感が強まる昨今。金融業界も例外ではなく、日本銀行の3月短観によると金融機関の雇用人員判断DIはマイナス36と大幅な不足超にある。人手不足を克服し顧客サービスの充実、収益力強化を実現するには、進化するデジタル技術やAI(人工知能)を活用して既存業務のあり方を変えていく必要がある。本シリーズ(全6回予定)では、最新技術を使って、効率化や生産性向上に取り組む金融機関の事例を紹介していく。1回目は、岩手銀行と宮崎銀行の生成AI活用事例を取材した。なお、本シリーズは毎月第4週に掲載します。 ■岩手銀行、全員が生成AI利用可能、文書検索の精度向上 【仙台】岩手銀行は4月末までに、生産性向上を目的に生成AI(人工知能)アプリケーション「neoAI Chat」を全行員が利用できるようにした。2024年9月に導入後… 【写真】生成AIを使った業務効率化を指導する行員(上、3月18日、岩手銀行本店)
2025年4月25日号17面 中国銀行、美術館の資金調達支援、ミュージアム債引き受け
【広島】中国銀行は、大原美術館(岡山県倉敷市)などを運営する公益財団法人大原芸術財団の資金調達を支援している。文化・芸術機関の持続可能な運営体制構築を目指す同財団の要望を受け、疑似私募債による資金調達方法をアレンジ。4月3日に「ミュージアム債」と名付けた疑似私募債を引き受けた。同行が公益財団法人および美術館の疑似私募債を引き受けるのは初めて。全国的に珍しいという。 疑似私募債は社債募集の形式をとりながら疑似的に私募債発行を模して資金調達する手法。調達したミュージアム債は… 【写真】ミュージアム債寄付金の贈呈式に参加した大原あかね代表理事(左)と宮崎俊司執行役員(左から2人目)ら(4月16日、児島虎次郎記念館前)
2025年4月25日号18面 静岡銀行下田支店、市・経営者と地域共創、ジェット船の呼び込みも
【静岡】静岡銀行下田支店(大箸武史支店長=行員21人うち渉外・預り資産担当者13人。パート8人)は、地域の経済・社会的な課題の解決を図るため、地方公共団体や地元商工会議所、観光協会と連携した中長期の取り組みを推進。しずおかフィナンシャルグループ(SFG)が進める「地域共創戦略」具現化を目指している。 大箸武史支店長は2024年4月に着任。人口減少の現状を踏まえ、下田ブロック内の稲取・松崎2カ店を含めた営業エリア「賀茂地区1市5町」の課題を… 【写真】事業承継セミナーであいさつする大箸武史支店長(左奥、4月16日、道の駅開国下田みなと会議室)