2025年9月12日号2面 金融庁、粉飾対策 「第2線」注視、営業現場と連携求める
金融庁は、粉飾決算による倒産件数が増加傾向にあることを受けて、金融機関の信用リスク管理態勢のうち審査部など、いわゆる「第2線」の動きを注視する。「第1線となる営業店を指導するだけでなく助言も必要だが、機能していないケースが見受けられる」(同庁)。モニタリングする過程で第2線の具体的な取り組みのほか、課題認識などを聞く。2025事務年度(25年7月~26年6月)も、こうした活動を継続する方針だ。
9月3日、中国財務局岡山財務事務所が地域金融機関などを対象に勉強会を主催…
2025年9月12日号3面 銀行・信金、新卒採用方法を見直し、早期化やインターン拡充
銀行や信用金庫が新卒採用プロセスを見直し、学生との接点を強化する動きが出てきている。学生優位の「売り手市場」が続くなか、優秀な学生に早期に内定を出せるように選考時期を前倒ししたり、インターンシップの受け入れ人数を増やしたりする金融機関が目立つ。
ニッキンが銀行(銀行持ち株会社を含む)・大手信金(預金量上位50先)を対象に調査し、152機関から回答を…
2025年9月12日号4面 常陽銀行、100億企業創出に本腰、包括支援へ157社選定
常陽銀行は、売上高100億円を超える企業の創出に本腰を入れる。独自の基準で選定した157社に対し、企業価値向上に向けた支援を包括的に提供する。
中小企業庁が目指す“100億企業創出”に呼応した取り組み。売り上げ規模や従業員数、地元にサプライチェーンを持つ――など六つの定義で“地域中核企業”と捉え直して157社を…
2025年9月12日号7面 西武信金、役員OB「幕賓」が活躍、勤務経験ある支店サポート
西武信用金庫(東京都、高(髙)橋一朗理事長)は、同信金の役員や関連会社の社長を経験したOBを「幕賓(ばくひん)役」として招聘(しょうへい)、支店長の補佐役で活躍している。「当金庫は、過去に培った経験や地域とのつながりを今に伝え切れていない。支店長には幕賓役を教育や取引先との関係強化などの『ブレーン』として活用してもらいたい」(高(髙)橋理事長)とする。
幕賓は、知見を生かして外部からリーダーなどを支える顧問のような存在を…
【写真】幕賓役の(左から)田村恒夫、高崎(髙﨑)孝夫、田中博昭、内藤亘の各氏(7月17日、本店前)
2025年9月12日号10面 改革の旗手 藤原一朗・名古屋銀行頭取、「健康経営」で日本を変える
【名古屋】健康経営を掲げ、行員一人一人の「働きがい」に真正面から取り組む。それは、何よりも行員のためであり、ひいては取引先企業の成長、地域経済の活性化につながると信じているからだ。「働きがい」とは、仕事を通じて感じられる充実感や誇り、やりがいのことであり、単に給与や待遇といった報酬に基づくものではない。多様な人財が熱意と活力に満ち「働きがい」を持って能力を発揮できる環境づくりへ健康宣言を制定。自ら健康経営最高責任者として旗を振る。
■従来の思考から脱却
「銀行業は過去ではなく、未来に向かって行う仕事だ」。2017年の頭取就任時に、「従来の思考をしていては何も始まらない」との意を強くし…
【写真】若手・中堅行員とざっくばらんに冗談を言い合う藤原一朗頭取(中央、名古屋銀行本店ビル前)
2025年9月12日号11面 東海東京FHD、地域銀行と合弁証券好調、預かり資産3兆円突破
東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FHD)は、地域銀行とその持ち株会社の7先との提携合弁証券で預かり資産残高を順調に伸ばしている。7月末に3兆円の大台を突破し、2027年3月とする経営目標達成指標(KGI)を大幅な前倒しで達成した。合弁証券は、それぞれ銀行側が6割、東海東京FHDが4割を出資。銀行の経営理念を尊重しつつ、東海東京証券からは合計で約350人が出向しており、地域性に合わせた営業展開と同証券のノウハウを融合させて残高拡大を進めている。
合弁証券の第1号は、山口フィナンシャルグループとのワイエム証券で2007年10月に営業を開始した。その後…
2025年9月12日号15面 特集 首都圏信金・年金旅行のいま、口座獲得・維持に成果
費用高騰し見合わせも
顧客との関係を構築し、年金口座の囲い込みに寄与してきた信用金庫の年金旅行。集まる預金である年金口座の維持や預かり資産の獲得など一定の成果が出ている。半面、物価上昇による旅行代金の高騰で、旅行を中止する信金も増加。年金受給者限定ではなく、あらゆる年齢層を対象にした旅行に衣替えする信金も出ている。
■人気は「京都」「万博」
年金旅行の行き先トップは3信金が回答した“鉄板”の京都。2025年度は大阪・関西万博と合わせて行程に組み入れる。ある信金は旅行会社を通じてチケット入手の競争率が高い万博会場のパビリオンの予約を確保。近畿以外では8信金が静岡県の焼津や大井川…
【写真】さがみ信金の年金旅行客を、横断幕を掲げ出迎える千葉県5信金の役職員(2024年5月20日、千葉県館山市)
2025年9月12日号18面 鳥取銀行五千石支店、報連相徹底し進捗管理、訪問増え貸出4億円増
【広島】鳥取銀行五千石支店(林伸太朗支店長=行員13人うち営業6人、パート職員2人)は、報連相(報告・連絡・相談)を重視して案件の進捗(しんちょく)管理を徹底する。取引先の現状把握や課題への対応に素早くつながり、訪問頻度が向上。競合行との差別化要因になり、2024年度末の貸出金残高は前年度末比4億2900万円増加。法・個人ともに年間で7%以上伸ばし、2024年度下期の業績表彰に輝いた。
主なエリアは鳥取県の米子市と伯耆町。林伸太朗支店長は2024年4月に新任の支店長として着任した。預金が貸出金の約4倍あり…
【写真】飲食店を経営する松友の松田優美子社長から新メニューの説明を受ける林伸太朗支店長(左、8月7日、米子市)