2024年10月18日号1面 地域銀行・大手信金、採用状況 地方に厳しさ、都市部の「青田買い」影響

2024年10月18日号1面 地域銀行・大手信金、採用状況 地方に厳しさ、都市部の「青田買い」影響

 地域銀行・大手信用金庫の2025年春の新卒採用計画達成状況に地域格差が生じている。9月末時点で関東地区や近畿地区など都市圏を中心に計画を達成した機関が目立った一方で、東北地区や北陸地区では、計画未達の機関が相次いだ。都市部の大企業が夏季インターンシップを通じた青田買いに動いたことが影響。「このままではU・Iターン就職は選択肢として見向きしてもらえない」(北陸地区地方銀行)と危機感をあらわにする。(▼関連記事8面)
 本紙が実施した地域銀行・グループ95行、…

2024年10月18日号8面 特集 主要154機関・2025年春の新卒内定者、計1万3945人で12%増

2024年10月18日号8面 特集 主要154機関・2025年春の新卒内定者、計1万3945人で12%増

 2025年4月に主要154金融機関に入行庫する新卒採用内定者(10月1日時点)は計1万3945人で、2024年4月の入行庫者に比べ12%増えた。約6割の100先が前年比で増加し、全体で6年ぶりの水準に回復した。大手行・グループ(G)、地域銀行・G、信用金庫(7月末預金量上位50)の全業態で前年実績を上回ったのは2年連続。
 大手行・Gの内定者数は計3342人で、前年実績に比べ15%増加した。りそなグループ(G)を除く8先が増え…

 【写真】京都銀行の内定者は前年より24人多い206人。内定式では、京都フィナンシャルグループの羽渕完司取締役が内定者にエールを送った(10月1日、京都市内)

2024年10月18日号2面 無担保コール市場、取引急減、機能度が低下、日銀当預「階層式」廃止で

2024年10月18日号2面 無担保コール市場、取引急減、機能度が低下、日銀当預「階層式」廃止で

 日本銀行がマイナス金利政策解除と同時に実施した日銀当座預金制度の見直しが、無担保コール市場の機能度低下を招いている。代表的な取引の「翌日物」は、1営業日当たりの出来高がピークから7割超減少。資金余剰のもと、銀行などの取引動機を生んでいた「階層式(三層構造)」の廃止が背景だ。特定の市場参加者の取引がレートに反映されやすくなり、ベース金利としての信頼性に疑念を抱く声も出ている。
 多い日で12兆円を超えていた「無担保コール翌日物」の…

2024年10月18日号3面 地域銀行、サイバー防御底上げへ、勘定系グループで連携

2024年10月18日号3面 地域銀行、サイバー防御底上げへ、勘定系グループで連携

 地域銀行が、サイバーセキュリティー対応のレベル底上げに連携を深めている。同じ勘定系システムのスキームに参画する地域銀同士で情報交換の機会などを設け、サードパーティーリスク対応や内部の態勢整備といった取り組みを共有。金融庁のガイドライン対応など、各行が抱える課題の解決に向けて共助を拡大する。
 BIPROGY(ビプロジー)で扱う「BankVision(バンクビジョン)」加盟行は、…

【写真】バンクビジョン加盟行の情報交換会では金融庁の「金融分野におけるサイバーセキュリティーに関するガイドライン」の理解を深めた(9月26日、ビプロジー本社)

2024年10月18日号4面 百五銀行、店舗評価・「要件」を非公開、営業プロセスで加点

2024年10月18日号4面 百五銀行、店舗評価・「要件」を非公開、営業プロセスで加点

 【名古屋】百五銀行は、預かり資産営業における「顧客本位の業務運営(FD)」を一層浸透させるため、行員に要件を公開しない店舗評価制度を運用する。全国の地域銀行でも珍しい。役員も参加する「FD委員会」でチェック機能を高度化する。
 「要件を公開しない評価制度は、聞いたことがない」。ある支店長は驚きを隠さない。同行は2024年度下期の10月1日から…

人事施策

2024年10月18日号1面 地域銀行・大手信金、採用状況 地方に厳しさ、都市部の「青田買い」影響

2024年10月18日号1面 地域銀行・大手信金、採用状況 地方に厳しさ、都市部の「青田買い」影響

 地域銀行・大手信用金庫の2025年春の新卒採用計画達成状況に地域格差が生じている。9月末時点で関東地区や近畿地区など都市圏を中心に計画を達成した機関が目立った一方で、東北地区や北陸地区では、計画未達の機関が相次いだ。都市部の大企業が夏季インターンシップを通じた青田買いに動いたことが影響。「このままではU・Iターン就職は選択肢として見向きしてもらえない」(北陸地区地方銀行)と危機感をあらわにする。(▼関連記事8面)
 本紙が実施した地域銀行・グループ95行、…

2024年10月18日号8面 特集 主要154機関・2025年春の新卒内定者、計1万3945人で12%増

2024年10月18日号8面 特集 主要154機関・2025年春の新卒内定者、計1万3945人で12%増

 2025年4月に主要154金融機関に入行庫する新卒採用内定者(10月1日時点)は計1万3945人で、2024年4月の入行庫者に比べ12%増えた。約6割の100先が前年比で増加し、全体で6年ぶりの水準に回復した。大手行・グループ(G)、地域銀行・G、信用金庫(7月末預金量上位50)の全業態で前年実績を上回ったのは2年連続。
 大手行・Gの内定者数は計3342人で、前年実績に比べ15%増加した。りそなグループ(G)を除く8先が増え…

 【写真】京都銀行の内定者は前年より24人多い206人。内定式では、京都フィナンシャルグループの羽渕完司取締役が内定者にエールを送った(10月1日、京都市内)

2024年10月18日号7面 労金界、人材育成計画を刷新、「個」尊重し組織変革

2024年10月18日号7面 労金界、人材育成計画を刷新、「個」尊重し組織変革

 労働金庫業界は、2035年度までの人材育成計画「ろうきん業態の統合的人材育成プラン」に基づき、「個」を尊重した研修施策を展開して組織の変革につなげる。24年度から26年度までには、全国労働金庫協会が業界向けに提供する七つの既存研修をリニューアルするほか、新たに五つのプログラムを設ける予定。24年度中は、組織を変革できるリーダーの育成を目的とした初研修「RRRプログラム」に力を入れる。
 労金業界は23年度に、全国6労金の実務担当者で構成するプロジェクトチームを編成。14年に策定した…

【写真】「RRRプログラム」に参加する労金や関連会社の若手職員ら(7月11日、連合会館、労金協提供)

2024年10月11日号16面 大分銀行 ロープレで“聞く力”養う、提案スキル底上げ

2024年10月11日号16面 大分銀行 ロープレで“聞く力”養う、提案スキル底上げ

 【福岡】大分銀行は、預かり資産販売の担当者の提案スキルを底上げする。2023年3月の野村証券との金融証券仲介業務提携を機に開始したロールプレーイング研修が定着。顧客との距離の縮め方、最適な提案につなげる顧客へのヒアリング力向上を目指す。
 提携後、投資信託販売担当者は県内5カ所のコンサルティングプラザ(CP)に集約。野村証券の出向者を含む担当者約160人を…

【写真】ロープレする預かり資産担当者 (左、本店、大分銀提供)


2024年10月11日号17面 徳島大正銀行、全国初・行員が県警へ任期付き派遣

2024年10月11日号17面 徳島大正銀行、全国初・行員が県警へ任期付き派遣

 【高松】「金融犯罪の被害を少しでも減らしていく」――。徳島大正銀行リスク・コンプライアンス部で働いていた杉本拓馬さん(33)は、警察官として一歩を踏み出した。徳島県警察との人事交流によるもので、任期付き警察官として金融犯罪などを捜査する刑事部捜査第2課の巡査部長に就いた。
 同行によると、任期付き警察官として金融機関が都道府県警察に職員を派遣するのは全国で初めて。
 派遣期間は10月から2年程度を見込んでおり…

 【写真】桑田弦警務部長から辞令書を受け取る杉本拓馬さん(10月1日、徳島県警本部)

2024年9月27日号3面 大手損保、代理店への出向廃止、地域銀行で窓販に影響も

2024年9月27日号3面 大手損保、代理店への出向廃止、地域銀行で窓販に影響も

 損害保険業界は、銀行など金融機関の保険代理店に派遣している出向者を引き上げる。日本損害保険協会が9月19日、新たに制定した「損害保険会社からの出向者派遣に係るガイドライン(指針)」に基づくもの。地域銀行による保険窓口販売の実務に影響を与えそうだ。
 金融庁によると、大手損保4社…

2024年9月20日号8面 首都圏信金のビジネスカジュアル、猛暑・働き方改革でじわり

2024年9月20日号8面 首都圏信金のビジネスカジュアル、猛暑・働き方改革でじわり

 夏の猛暑や働き方改革が信用金庫のビジネスカジュアル導入を後押しする。本紙は首都圏40信金にアンケートを実施し、30信金から回答を得た。導入の狙いや課題、ドレスコードなどを聞いた。また、大手アパレル企業の社員が秋冬の最新コーディネートを指南する。

 ■自律性尊重、12信金導入
 回答した4割の12信金が既に「ビジカジを導入」と答えた。未導入の18信金でも…

 【写真】9月から毎週金曜日、試行的にビジカジを導入した城南信用金庫。ビジカジスタイルで出動する営業部本店の男性職員(右)を見送る、筒井良輔本店長(左)と男性職員(中央、9月13日、城南信用金庫 営業部本店前)

2024年9月20日号15面 北海道内金融機関に調査・働きやすい職場とは

2024年9月20日号15面 北海道内金融機関に調査・働きやすい職場とは

 1~3年目:遠隔地へ異動・抵抗感、人事担当:人手不足が指導に影響
 【札幌】新卒者の採用難や若手行職員の思わぬ離職に悩みを抱える地域金融機関が増えている。そこで北海道内に本店を構える金融機関にアンケートを実施。入社1~3年目の若手に「働きやすい職場環境」などへの認識を尋ねた。また、採用・人事担当者には採用の苦労や、離職を防止するためにどのような取り組みをしているのか実態を探った。

 ■就職は安定度を重要視
 金融機関を就職先に選んだ理由について複数回答で尋ねたところ…

 【写真】高校生向け企業説明会に臨む北見信用金庫の役職員(7月29日、北見市内のホテル、北見信用金庫提供)

法令制度政策

2024年10月18日号2面 無担保コール市場、取引急減、機能度が低下、日銀当預「階層式」廃止で

2024年10月18日号2面 無担保コール市場、取引急減、機能度が低下、日銀当預「階層式」廃止で

 日本銀行がマイナス金利政策解除と同時に実施した日銀当座預金制度の見直しが、無担保コール市場の機能度低下を招いている。代表的な取引の「翌日物」は、1営業日当たりの出来高がピークから7割超減少。資金余剰のもと、銀行などの取引動機を生んでいた「階層式(三層構造)」の廃止が背景だ。特定の市場参加者の取引がレートに反映されやすくなり、ベース金利としての信頼性に疑念を抱く声も出ている。
 多い日で12兆円を超えていた「無担保コール翌日物」の…

2024年10月18日号10面 実像 迫るバーゼル最終化、実務者も対応に苦慮か

2024年10月18日号10面 実像 迫るバーゼル最終化、実務者も対応に苦慮か

 国際的な資本規制「バーゼル3最終化」。新型コロナウイルス感染症に伴う開始延長を経て、2025年3月31日から国内金融機関で適用が始まる。実務者や経営陣以外にとってなじみが薄い資本規制だが、金融機関経営に与える影響は甚大だ。

 ■信用リスク計算見直し
 2017年12月、バーゼル銀行監督委員会の最終合意を踏まえ、バーゼル3の枠組みが固まった。2024年3月31日から…

2024年10月11日号2面 経産省、中小のDX支援加速へ、地域金融の伴走後押し

2024年10月11日号2面 経産省、中小のDX支援加速へ、地域金融の伴走後押し

 経済産業省は、地域金融機関などの支援機関が中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に伴走するための態勢構築を後押しする。2025年度からDX支援のプロセスを学ぶ資格制度を新設するほか、中小金融機関による取引先へのDX支援をサポートする仕組みの構築を検討。業務効率化やコスト削減にとどまらない、組織の変革や成長につながるデジタル活用を促す。
 ITコーディネータ協会と連携して創設する新資格…

2024年10月4日号2面 金融庁、銀行のGX出資容易に、年内にも公布・施行

2024年10月4日号2面 金融庁、銀行のGX出資容易に、年内にも公布・施行

 金融庁は、水素や風力発電などグリーントランスフォーメーション(GX)関連の事業を営む事業会社に対して、銀行が出資しやすくなる特例を設ける。国家戦略特別区域の中で、区域計画の認定を受けた自治体・区域に本店を置く銀行が対象。現在、特例を新設する内閣府令をパブリックコメントにかけており、年内にも公布・施行する考え。
 金融庁は6月に「金融・資産運用特区実現パッケージ」を…

2024年10月4日号8面 やさしいニュース解説 日銀の市場とのコミュニケーション

2024年10月4日号8面 やさしいニュース解説 日銀の市場とのコミュニケーション

 未踏の正常化・言葉に漂う「怖さ」
 日本銀行の金融政策が大きな転換期に入っています。「マイナス金利」「イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)」に代表される異次元金融緩和は幕を下ろし、国債購入減額や段階的な利上げを進めています。そうした未踏の正常化において重要度を増すのが、日銀の市場とのコミュニケーション(対話)です。経済や物価の現状をどう捉え、政策はどこに向かおうとしているのか――。日銀の「情報発信ツール」が金融政策の“本音”に迫るカギとなります。

 ■なぜ日銀は「市場と対話」するの?
 「物価の安定」を使命とする中央銀行は、その役割を果たすべく、金融取引のベースとなる政策金利を調節しています。ただマーケットが…

 【写真】会見で「追加利上げ」の判断理由を説明する植田和男総裁(7月31日、日本銀行本店)

2024年9月27日号2面 中企庁、省力化補助金 テコ入れ、制度見直し利便性高める

2024年9月27日号2面 中企庁、省力化補助金 テコ入れ、制度見直し利便性高める

 中小企業庁は、事業者による「中小企業省力化投資補助事業」(カタログ型省力化補助金)の活用促進に向けた施策を講じる。補助対象の拡大や要件緩和などを通じて、利便性向上に向けた制度設計の見直しを図る。補助金の認知度向上に向けて、9月以降は中小企業や支援機関を対象とした説明会も全国で順次展開する。
 カタログ型省力化補助金は、…

2024年9月6日号1面 金融庁、AI利用実態を調査、リスクや課題洗い出し

2024年9月6日号1面 金融庁、AI利用実態を調査、リスクや課題洗い出し

 金融庁は、生成人工知能(AI)を含むAIの利用実態を把握するため、近く大規模な調査を始める。預金取り扱い金融機関だけでなく、証券会社や保険会社、資金移動業者など幅広い業態が対象となる見通し。AIの導入状況や活用事例などを調べ、リスクや課題を洗い出す。調査結果は、2024年内に公表予定のAIの利活用を促すためのディスカッション・ペーパーに反映させる。
 AIは、金融業界で急速に普及している。…

2024年9月6日号2面 金融庁、金利上昇でリスク検証、金融行政方針を公表

2024年9月6日号2面 金融庁、金利上昇でリスク検証、金融行政方針を公表

 金融庁は、円金利の上昇局面を踏まえ、預金取り扱い金融機関のリスク管理態勢を検証する。8月30日に公表した2024事務年度(24年7月~25年6月)の「金融行政方針」で示した。また、金融機関の政策保有株式の縮減計画の状況も確かめる。外貨建て一時払い保険をはじめとしたリスク性金融商品に関しては、販売勧誘・顧客管理に関する業界規則への対応状況を点検する。
 同庁は、主要行の信用リスクついて、…

経営

2024年10月18日号4面 百五銀行、店舗評価・「要件」を非公開、営業プロセスで加点

2024年10月18日号4面 百五銀行、店舗評価・「要件」を非公開、営業プロセスで加点

 【名古屋】百五銀行は、預かり資産営業における「顧客本位の業務運営(FD)」を一層浸透させるため、行員に要件を公開しない店舗評価制度を運用する。全国の地域銀行でも珍しい。役員も参加する「FD委員会」でチェック機能を高度化する。
 「要件を公開しない評価制度は、聞いたことがない」。ある支店長は驚きを隠さない。同行は2024年度下期の10月1日から…

2024年10月18日号15面 特集 銀行界の2023年度役員報酬、6割増額・平均3%上昇

2024年10月18日号15面 特集 銀行界の2023年度役員報酬、6割増額・平均3%上昇

 大手行が伸びけん引
 全国102の銀行持ち株会社・銀行の2023年度役員報酬総額は、267億1300万円だった。増額したのは59行・社で新設銀行持ち株会社1社を除いた上昇率は平均3%。好業績や株高を背景に業績連動報酬の割合が高い大手行が伸びをけん引した。本紙が2024年3月期の有価証券報告書をベースに銀行持ち株29社、銀行73行の取締役・執行役(社外役員と監査等委員を原則除く)の報酬を集計した。

 ■1人当たり168万円増
 大手行グループ(G)5社合算の報酬総額は2022年度比8.1%増の67億9千万円。役員賞与・業績連動報酬と…

2024年10月11日号1面 MUFG、新ブランド立ち上げ、グループ連携、マス層開拓

2024年10月11日号1面 MUFG、新ブランド立ち上げ、グループ連携、マス層開拓

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、グループ各社の金融サービスを結集した新たなリテールブランドを立ち上げる。2025年3月末までに「三菱UFJダイレクト」アプリを刷新し、トップ画面で三菱UFJ銀行の預金残高、auカブコム証券の運用残高、三菱UFJニコスのクレジットカード利用残高などを表示。グループ共通のポイントプログラムも創設し、国内のマスリテール・ビジネスを強化していく。
 MUFG各社の個人顧客数は延べ5700万人。…

2024年10月11日号6面 信金、「午後休業」に関心、効率化で訪問活動充実

2024年10月11日号6面 信金、「午後休業」に関心、効率化で訪問活動充実

 信用金庫で、営業店窓口の「午後休業」が広がりそうだ。人手不足が加速するなか、店舗運営を効率化して顧客訪問に費やす時間を増やす狙いなどがある。関係者によると「現在、導入しているのは10信金ほど」だが、「昼休業の次の段階として午後休業を検討する声は増えている」(信金中央金庫地域・中小企業研究所)という。
 各信金は主に、一日の来店客数が10~30人程度の店舗での導入を模索する。窓口を閉める午後は…

2024年10月11日号10面 改革の旗手 中野晴啓・なかのアセットマネジメント社長

2024年10月11日号10面 改革の旗手 中野晴啓・なかのアセットマネジメント社長

 60歳で再起 長期投資の信念貫く
 自他ともに認める頑固者。信念を曲げずに説き続けてきた資産形成の王道「長期・積立・分散投資」を浸透させた。運用資産を6000億円まで導いたセゾン投信では親会社クレディセゾンと経営方針を巡る対立で事実上更迭される憂き目に遭うも、60歳で新たに資産運用会社を立ち上げ再起。不撓(ふとう)不屈の「つみたて王子」が資産運用立国化へ次のステージに進む。

 ■顧客開拓へ全国行脚
 「運用チームが皆さんに直接、自分たちがどれだけ汗をかいているか、メッセージをお伝えする。そういう時間を欠かさずやっていきたい」。
 8月開催の個人向けマンスリー運用報告会で…

 【写真】運用報告会で参加者と交流する中野晴啓氏。長期投資の普及へ対話の場を重視する(8月25日、東京都中央区)

2024年9月27日号15面 特集 2024年3月期の銀行監査報酬、総額239億円で前年比3億円増

2024年9月27日号15面 特集 2024年3月期の銀行監査報酬、総額239億円で前年比3億円増

 大手行と地域銀行が2024年3月期に監査法人へ支払った報酬額は、監査証明業務への報酬が合計で約226億1千万円、非監査業務への報酬が同13億5千万円で総額は239億6千万円となった(有価証券報告書から集計)。監査証明、非監査業務への支払いが前年同期比(2023年3月期)でともに増加。総額ベースでは3億円増えた。

 ■監査証明業務
 大手行の監査証明業務に対する報酬額は、前年同期比で約2億5千万円減少。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が有限責任監査法人トーマツに支払った報酬額は55億7200万円と最も多く…

2024年9月20日号1面 地域銀行、国債運用へ回帰、4カ月で4兆円超増加

2024年9月20日号1面 地域銀行、国債運用へ回帰、4カ月で4兆円超増加

 地域銀行で国債運用に回帰する動きが強まっている。7月末の国債保有残高は前年同月比5割近く増えて22兆円に迫り、5年半ぶりの規模に達した。金利上昇圧力が高まった2024年度に入ってからの伸びが目立ち、3月末からの4カ月で4兆円以上増加。超低金利下で積み上がった地方債の残高を再び上回った。
 日本銀行が金融政策正常化へ舵(かじ)を切った3月以降、…

2024年9月20日号2面 地域銀行、取引先の脱炭素で協調、統一商品の開発も

2024年9月20日号2面 地域銀行、取引先の脱炭素で協調、統一商品の開発も

 地域銀行が、取引先企業の脱炭素に向けて協調する。ワーキンググループ(WG)を立ち上げて、各営業エリアの特性に応じた事業モデルの構築をめざす。統一金融商品の開発も視野に入れる。中小企業の脱炭素への理解がなかなか進まないという共通課題に対し、手を組んで解決にあたる。
 9月10日、「地域脱炭素推進コンソーシアム」の設立総会が…

【写真】「地域脱炭素推進コンソーシアム」設立総会に集まった銀行関係者(9月10日、東京都内)

手数料

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

 金融庁は、生命保険会社が金融機関代理店などに支払う外貨建て保険販売手数料体系の見直し状況を検証する。生命保険協会が4月に改正した同保険に関連するガイドライン(指針)への対応の進捗(しんちょく)度について、フォローアップを近く開始する。銀行窓販チャネルを主力とする生保8社が対象。指針改正を受け、各社は2025年4月をめどに手数料体系を見直す方向で最終調整しており、同庁もその動向を注視する。(関連記事3面)
 同庁は4月、…

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

 指定金融機関を務める地方銀行などは、地方公共団体と公金業務に関する手数料交渉を継続している。10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費については、総務省が地公体の費用負担分(1件当たり62円)に対し、地方交付税の措置を講じることを決めており、指定金の事務コストの上乗せ額が争点だ。いったん合意したという地銀の関係者は「当初の提示金額と隔たりがあり、交渉を続ける」として長期戦も覚悟する。
 内為運営費は、振り込みを受け付けた仕向け銀行(指定金)から…

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

 【名古屋】百五銀行は、三重県内の地方自治体全30先で「公金手数料」の有料化が実現するめどが立った。公金の窓口収納や振込に関して自治体からの手数料を有料化する方向で地域銀行が交渉しているが、県内の全自治体が同じ手数料で一挙にまとまる好事例と言えそうだ。
 提案先は三重県と29市町。このうち指定金融機関は18先。振込1件当たりの手数料は、…

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

 総務省は、公金振り込みへの内国為替制度運営費の適用によって増える地方公共団体の負担を、地方交付税で軽減する。2024年度から、負担増加分に相当する金額を上乗せして交付する方針を固めた。地公体は指定金融機関に支払う手数料の財源を確保しやすくなり、負担を求める金融機関にとっても追い風になりそうだ。
 1月末までに、自治財政局財政課が負担分を地方交付税に上乗せする方針を各地公体に通知した。交付税は自治行政に求められる経費と不足分を…

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

 指定金融機関を務める地域銀行が、手数料引き上げ交渉で地方公共団体と相次ぎ合意している。関係者によると、十数行の地方銀行が公金振り込みに関する経費負担の見直しで、200近くの地公体から承諾を得たという。全国の地公体数は1700超。2024年10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費(内為運営費)をめぐり、全国的に交渉が大詰めを迎えている。
 内為運営費は、仕向け銀行から被仕向け銀行に対して支払われる費用で、1件当たり62円。民間取引には21年10月から適用済みだが…

2023年11月24日号1面 地銀、税・公金収納で交渉増、コンビニから値上げ要請

2023年11月24日号1面 地銀、税・公金収納で交渉増、コンビニから値上げ要請

 地方銀行が、大手コンビニエンスストアから税・公金に関する収納手数料の引き上げ要請を受けていることがわかった。複数の関係者によると、各地銀を通じて地方公共団体向けにコンビニ収納サービスを提供する地銀ネットワークサービス(CNS)に対して、コンビニ側から手数料引き上げの意向が示されたという。CNSスキームではコンビニへの手数料は、回収業務を委託した地公体が最終的に負担する。料金を改定する場合、指定金融機関の各地銀が窓口となって、地公体の承諾を得る必要がある。
 CNSのコンビニ収納は、利用者がバーコードの印字された住民税や固定資産税などの払込取扱票をレジに持ち込み、納税する仕組み。受け付けは…

2023年11月24日号4面 名古屋銀行、人材紹介手数料が過去最高に、複合提案通じ課題解決へ

2023年11月24日号4面 名古屋銀行、人材紹介手数料が過去最高に、複合提案通じ課題解決へ

 【名古屋】名古屋銀行は、2023年度の人材紹介業務関連の獲得手数料が過去最高になる見込みだ。副業などを除く紹介案件は右肩上がりで増え、上期実績は64件。先導的人材マッチングの採択数が全国トップクラスのほか、プロ人材シェアリングなども好調に推移している。
 本業支援に力を注ぐなか、ソリューション提案の一つに位置付ける。事業性評価を基点に人材に関する課題を掘り下げ、…

2023年11月17日号3面 ネット証券、手数料無料化1カ月、新規口座開設伸びる

2023年11月17日号3面 ネット証券、手数料無料化1カ月、新規口座開設伸びる

 SBI・過去最高24万件、楽天・一日平均35%増
 SBI証券が先陣を切って踏み切った国内株式売買手数料の無料化。楽天証券が追随しており、両社が開始してから11月1日で1カ月が経った。2社は新規口座数を伸ばす一方、足元、収益面では明暗が分かれ始めた。
 8月末に無料化方針を公表したSBI証券は、9月の新規口座開設数は24万件を超え、月間で過去最高になった。楽天証券も…

ネット・システム

2024年10月18日号3面 地域銀行、サイバー防御底上げへ、勘定系グループで連携

2024年10月18日号3面 地域銀行、サイバー防御底上げへ、勘定系グループで連携

 地域銀行が、サイバーセキュリティー対応のレベル底上げに連携を深めている。同じ勘定系システムのスキームに参画する地域銀同士で情報交換の機会などを設け、サードパーティーリスク対応や内部の態勢整備といった取り組みを共有。金融庁のガイドライン対応など、各行が抱える課題の解決に向けて共助を拡大する。
 BIPROGY(ビプロジー)で扱う「BankVision(バンクビジョン)」加盟行は、…

【写真】バンクビジョン加盟行の情報交換会では金融庁の「金融分野におけるサイバーセキュリティーに関するガイドライン」の理解を深めた(9月26日、ビプロジー本社)

2024年9月27日号4面 三菱UFJ信託銀行、不芳情報をAIで察知、特許取得・地銀に提案

2024年9月27日号4面 三菱UFJ信託銀行、不芳情報をAIで察知、特許取得・地銀に提案

  三菱UFJ信託銀行は、自社で開発した不芳情報(ネガティブニュース)をチェックするラベリングシステム「NAIS」(ナイス)の本格販売に乗り出す。地域銀行や保険会社、さらには経済安全保障への関心が高まる事業法人向けに提案。NAISは学習型AI(人工知能)を駆使した先端技術を採用しており、9月3日付で特許を取得した。
 NAISは国内外のニュース、規制当局のウェブサイトが発信するネガティブ情報を取引回避の優先度に応じて…

【写真】経済安全保障対策会議・展示会にブース出展し「NAIS」の活用方法を紹介


2024年9月27日号5面 西日本シティ銀行、全店に新営業端末、事務削減しコンサル強化

2024年9月27日号5面 西日本シティ銀行、全店に新営業端末、事務削減しコンサル強化

  【福岡】西日本シティ銀行は9月9日、タブレット端末の活用で顧客の利便性向上とコスト削減を図る新たな営業店システムの全店展開を始めた。2024年7月に一部店舗で試験導入しており、24年度中に全158カ店に拡大する。導入した店舗では事務処理時間が短縮され、紙の伝票は5割ほど減った。今後は事務効率化によって創出した時間でコンサルティング業務を強化する。
 次世代営業店システムは…

2024年8月23日号7面 JAバンク、個人向けにIBアプリ、振り込みや口座開設も

2024年8月23日号7面 JAバンク、個人向けにIBアプリ、振り込みや口座開設も

JAバンク(農業協同組合・信用農業協同組合連合会・農林中央金庫)は、スマートフォンを使った非対面取引を強化する。全国の信農連とJAが8月19日、個人向けのインターネットバンキング(IB)機能を備えた「JAバンクアプリプラス」の提供を始めた。以前から取り扱う「JAバンクアプリ」とともに利用を推進し、既存客との取引深耕や新規客の獲得につなげる。

【写真】JAバンクが8月19日に個人向けに提供を始めた「JAバンクアプリプラス」

2024年8月16日号4面 メガバンク、「コンテナ技術」浸透、基幹系アプリに利用拡大

2024年8月16日号4面 メガバンク、「コンテナ技術」浸透、基幹系アプリに利用拡大

メガバンクでアプリケーションの実行環境を複数構築する「コンテナ技術」の活用が浸透している。機能拡充を高速化できる利点を生かし、スマートフォンアプリといった顧客が直接触れるサービスに採用。基幹系システムのアプリでの活用を志向する動きもあり、利用場面が広がりつつある。

2024年8月16日号6面 信金、預金照会業務の負担減、6割超がスキーム参加

2024年8月16日号6面 信金、預金照会業務の負担減、6割超がスキーム参加

信用金庫で、1月から始動した預金等調査・回答業務の共同化スキームへの参画が広がっている。7月下旬までの約半年間で全国254信金中、6割超の166信金が参加を申し込んでおり、中国地区や南九州地区では、管内の8、9割が利用している。デジタル化した同業務を信金中央金庫が集中して担う仕組みで、各信金は事務部門の負担削減などにつなげている。

2024年8月2日号5面 鹿児島銀行 Payどん会員15万人、地域振興券、デジタル化

2024年8月2日号5面 鹿児島銀行 Payどん会員15万人、地域振興券、デジタル化

【鹿児島】鹿児島銀行のキャッシュレスアプリ「Payどん(ぺいどん)」は、事業単体の収支が単年ベースで黒字化に近づいている。市町村などが発行するプレミアム付き地域振興券をPayどん上でデジタル化する事例が増え、ユーザー数が増加した。

【写真】鹿児島銀行のキャッシュレスアプリ「Payどん(ぺいどん)」

2024年8月2日号10面 やさしいニュース解説 「SaaS」ってなに?

2024年8月2日号10面 やさしいニュース解説 「SaaS」ってなに?

 一般化するクラウドサービス、脱炭素支援など利用シーン拡大
 最近、金融機関のニュースで「〇〇 as a Service」(アズ・ア・サービス)という言葉をよく目にします。「サービスとしての〇〇」と注釈はありますが、あまりピンと来ない方も多いでしょう。クラウドを利用したサービスのことを指し、従来のシステム稼働環境に比べて、すぐに利用できるなどのメリットがあります。なかでも一般化した「Software as a Service(SaaS=サース)」に焦点を当て、利用が進む背景などを紹介します。

 ■これまでのシステムとどう違い、特徴は?
 「アズ・ア・サービス」は主にインターネットを経由して、クラウドに保存しているアプリを利用する形態です。利用のメリットとして拡張性が挙げられ…

 【写真】SaaSの登場で、金融機関が取引先企業にデジタル化提案を行いやすくなった(写真はゼロボード社が7月5日に開いた地域金融機関向け意見交換会の様子)

預金

2024年10月4日号12面 目黒信金、日本一の定積比率、原点追求・非効率貫く

2024年10月4日号12面 目黒信金、日本一の定積比率、原点追求・非効率貫く

 目黒信用金庫(東京都、中沢邦芳理事長)は30年以上、定期積金の「契約高比率」「残高比率」で全国信金のトップだ。効率化が叫ばれるなか、定積集金や小口多数主義など信金の原点を追求する。中沢邦芳理事長や営業店の得意先係、顧客に話を聞いた。

 ■預金シェア5割の店も
 目黒信金の特徴は定積と店周500メートルを中心とした狭域高密度の営業態勢。
 定積は月1回の集金で…

 【写真】「ヘアーサロン ラムール」の夫妻を訪ねる佐々木崚太係長(右から2人目)と担当者(右、9月11日、東京都世田谷区)

2024年10月4日号11面 損保、銀行の預金協力を制限、政策株「ラベル替え」も

2024年10月4日号11面 損保、銀行の預金協力を制限、政策株「ラベル替え」も

 損害保険業界は、銀行など金融機関保険代理店との関係強化を目的とした預金協力を制限する。「金利ある世界」で預金の重要性が増すなか、大口の法人預金者である損保会社や、損保社員の個人預金などが引き揚げられる可能性がある。
 日本損害保険協会が9月19日、政策保有株式に関するガイドライン(指針)のなかで明らかにした。預金協力が…

2024年9月27日号6面 信金、定期性預金減に歯止め、増加すれば2017年2月以来

2024年9月27日号6面 信金、定期性預金減に歯止め、増加すれば2017年2月以来

  信用金庫で、定期性預金の減少幅の拡大に歯止めがかかりそうだ。8月末は前年同月比2.9%減の75兆3519億円。最近の減少幅をみると、5月末は同3.1%、6月末は同3.1%、7月末は2.9%と、下げ止まりの兆しが見えてきた。このまま減少幅が縮小し定期性預金が増加に転じた場合、2017年2月以来となる。
 定期預金や定期積金が減少した背景には、長引く低金利下でニーズが低下したことや…

2024年8月23日号1面 国内銀、伸び際立つ大口定期預金、3カ月で12兆円超増加

2024年8月23日号1面 国内銀、伸び際立つ大口定期預金、3カ月で12兆円超増加

 国内銀行で大口定期預金残高が急増している。日本銀行の統計によると、預入額が「1千万円以上(大口)」の残高は6月末で120兆円に迫り、前年同月比16%増加。2024年度に入って伸びが目立ち、4月からの3カ月間で12兆円超膨らんだ。背景には金利上昇局面における法人顧客や銀行の行動変化がある。一方、際立つ伸びに対し、一部では必要以上の資金を貸し付けて預金に積み上げる「歩積両建」を疑う向きもでている。
 超低金利下で減少傾向が続いた定期預金残高は…

2024年6月14日号1面 協同組織金融機関、預金減少時代が現実味、信金・5月末に21年ぶり減

2024年6月14日号1面 協同組織金融機関、預金減少時代が現実味、信金・5月末に21年ぶり減

 協同組織金融機関で預金減少時代が現実味を帯びてきた。信用金庫業界の5月末の預金は前年同月比0.1%減となり、21年ぶりに減少に転じた。人口減少による地域経済の縮小のほか、預金構成比が高い定期性預金の需要低迷などが要因とみられる。信用組合や農業協同組合(JA)、労働金庫でも減少や伸び悩みの傾向がみられ、顧客基盤が限定される協同組織金融機関は大きな転換期を迎えている。
 信金の5月末の預金量は162兆1188億円。全国11の地区別にみると7地区で減少。個別では全254信金の…

2024年5月17日号8面 特集 【検証】預金金利引き上げの裏側、改定作業に混乱も

2024年5月17日号8面 特集 【検証】預金金利引き上げの裏側、改定作業に混乱も

 “追随率”が収益回復のカギ
 日本銀行のマイナス金利解除に伴って、民間金融機関の預金金利が再び動き始めた。3月21日に先陣を切って三菱UFJ銀行が17年ぶりとなる普通預金金利の引き上げに動いてから1カ月半が過ぎた。これまでに、地方銀行・第二地方銀行の全99行のうち東京スター銀行を除く98行が追随した。各金融機関が引き上げを検討する過程では他の金融機関の動きをにらみながら、発表や実施のタイミングを巡って、さまざまな駆け引きがあった。その裏側を検証し、今後の課題を探った。

 ■他行の動向見極め公表
 日銀がマイナス金利解除を公表した3月19日の夕方。三菱UFJ銀は年0.001%だった普通預金金利を…

2024年5月10日号6面 特集 信金・信組、押し寄せる預金減少の波、人口減少・割れる戦略

2024年5月10日号6面 特集 信金・信組、押し寄せる預金減少の波、人口減少・割れる戦略

 信用金庫や信用組合に、預金減少の波が押し寄せている。信金業界の前年同月比の預金残高は全体として微増しているものの、個別では2024年2月末に全254信金のうち半分で減少した。信組業界も全体としては増加しているが、「特に地域信組では預金減少に対する問題意識は信金以上」(全国信用協同組合連合会幹部)という。全国で少子高齢化が加速するなか、法的な制約によって顧客基盤が限定される信金・信組は経営戦略の見直しを迫られている。

 ■定期性減少が足かせに
 「定期性預金が、予想していなかった勢いで減っている」。東海地区の信金理事長は…

2024年4月12日号6面 信金、メインの預金口座増加へ、年金獲得や職域営業に熱

2024年4月12日号6面 信金、メインの預金口座増加へ、年金獲得や職域営業に熱

 信用金庫で、メインの預金口座を増やすための取り組みが加速している。年金受給口座獲得の強化や、取引企業への職域営業を活発化して若年層との接点を確保する動きなどがある。高齢層の顧客の先細りに対する危機感に加え、金利が復活するなかで長期的な取引につながる個人メイン先を獲得する必要性が増していることが背景にある。
 東京都内では近年、年金口座の新規獲得件数が減少傾向の信金があるという。そのため…

融資

2024年10月4日号1面 金融庁が点検、ファンド向けつなぎ融資、海外で大手行中心に増加

2024年10月4日号1面 金融庁が点検、ファンド向けつなぎ融資、海外で大手行中心に増加

 金融庁は、増加傾向にあるメガバンクなど大手行による海外ファンド向け融資の調査に乗り出す。ファンド向けつなぎ融資である「サブスクリプション・ファイナンス(サブファイ)」が焦点の一つになるとみられる。同庁関係者は、「3メガを中心に残高を増やしており、一つの成長分野」との認識のもと、実態を把握したいとする。
 同庁は、9月27日に2024事務年度金融行政方針の…

2024年10月4日号4面 みずほ銀行 手数料ゼロの住宅ローン、中高年・高収入に焦点

2024年10月4日号4面 みずほ銀行 手数料ゼロの住宅ローン、中高年・高収入に焦点

  みずほ銀行は、住宅ローン戦略で量から質へ舵(かじ)を切り始めた。8月から初期費用がかからない住宅ローンの取り扱いを開始し、短期返済を志向する高年収層のニーズを取り込んでいる。資産運用などほかの取引が見込める顧客や次の取引につながる期間が短い顧客の獲得に軸足を置く。
 同ローンは従来型の商品よりローン金利が0.2%高いが…

2024年9月27日号1面 金融系VC、アーリー期から投融資、新興の高い成長 後押し

2024年9月27日号1面 金融系VC、アーリー期から投融資、新興の高い成長 後押し

 金融系ベンチャーキャピタル(VC)が、サービス開発後に事業拡大を目指す段階にある「アーリー期」の企業発掘に力を入れ始めた。日米の金融政策変更などで新興企業の株式公開(IPO)環境に不透明感が増しているため。有望企業を早い段階からサポートし、事業の高い成長実現を目指す。
 「より創業期に近いステージの案件を攻めていこう」。…

2024年9月20日号5面 広島銀行、SLL累計50件、“野心的”な目標重視

2024年9月20日号5面 広島銀行、SLL累計50件、“野心的”な目標重視

  【広島】広島銀行は、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の実行件数が累計で50件を突破した。2023年度から行員の育成体制を整備したことが案件増加につながった。組成にあたっては、顧客の目標設定で「いかに“野心的な”内容にできるか」(営業企画部法人企画室)を重視している。
 同行は、21年12月にSLLの取り扱いを始めた。融資金額は3千万円以上。目標設定の評価など第三者機関による外部レビューは…

2024年9月20日号6面 信金、地公体貸出の戦略二極化、地域性や経営方針で

2024年9月20日号6面 信金、地公体貸出の戦略二極化、地域性や経営方針で

  信用金庫で、地方公共団体向け貸出の推進戦略が二極化している。業界全体の残高は2023年末ごろから前年同月比で増加傾向が続いており、24年7月末の残高は前年同月比2.7%増の5兆3391億円となった。ただ、信金ごとにみると、23年度中に残高を減らした信金の数が、増やした信金の数を上回っており、地域特性や経営方針に応じて差が生まれている。
 地公体向け貸出は1件あたりの金額が大きく、貸出金残高全体の維持に寄与する。一方で、入札による獲得であるため…

2024年9月13日号2面 住宅機構、融資分野をデジタル化、AIで審査の質・速さ向上

2024年9月13日号2面 住宅機構、融資分野をデジタル化、AIで審査の質・速さ向上

 住宅金融支援機構は、審査の質や速さの向上などを目的に、融資分野でのデジタル化を急ぐ。10月から、住宅ローン「フラット35」において、融資分野で初の人工知能(AI)活用となる「AI審査モデル」を導入する。不適正な利用案件を検知するもの。同モデルの稼働状況を踏まえ、与信審査でのAI活用も検討する。
 AI審査モデルは、2023度末までに蓄積した…

2024年9月6日号6面 高山信金、利上げ・65%で実現、短プラ改定から1年

2024年9月6日号6面 高山信金、利上げ・65%で実現、短プラ改定から1年

  【名古屋】高山信用金庫(岐阜県、坂口秀平理事長)は、日本銀行のマイナス金利解除に先立つ2023年5月、短期プライムレートを引き上げた。役職員一丸となった交渉の結果、短プラ連動の事業性融資や住宅ローンなど約2500件のうち約65%で引き上げを実現。職員の金利に対する意識も高まり、24年度に入ってからも実行金利や利息収入は上昇傾向にある。
 同信金の貸出金利息収入は、低金利環境もあって…

2024年6月28日号1面 金融庁に警戒感、地域銀行のLBO融資拡大、リスク管理態勢などで差

2024年6月28日号1面 金融庁に警戒感、地域銀行のLBO融資拡大、リスク管理態勢などで差

  金融庁は、地域銀行で拡大するLBO(借入金を活用した買収)融資に対する警戒レベルを引き上げる。大手行や地域銀など100行以上にアンケートし、7割の地域銀が同融資に取り組んでいる一方、リスク管理や審査・期中管理態勢に差があることを把握した。同庁は現在、メガバンクや大手行、一部の地方銀行を対象にLBO融資に関する対話を実施しているが、調査結果を踏まえて対象拡大も検討する。
 アンケートでは、LBO融資の取扱残高や基本的な態勢整備の状況、取り組み方針などを調べた。調査の結果、LBO融資残高が急増している実態が判明した。
 同庁が警戒するのは…

投信保険

2024年9月27日号10面 実像 大手生保、脱「銀行窓販頼み」へ、転機迎える外貨建て保険

2024年9月27日号10面 実像 大手生保、脱「銀行窓販頼み」へ、転機迎える外貨建て保険

 国内銀行の窓口販売で好調な売れ行きを続けてきた外貨建て一時払い保険が、転機を迎えつつある。従来は高止まりする米国の金利水準が商品の魅力を支えてきたが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が利下げ局面に転じたためだ。金融庁が金融機関の販売姿勢を厳しく監視するスタンスを強めていることも、今後の預かり資産営業に影響を与えそうだ。販売会社に保険商品を提供している生命保険会社は、この局面をどう乗り越えようとしているのか。銀行窓販チャネルに依存した収益構造からの脱却を目指す大手生保の動きを探った。

 ■生保は販売急増を懸念?
 「あまりよくないことに、(一時払いの)貯蓄性保険の販売が増えすぎている」「(銀行窓販領域が)少しうまくいきすぎた決算と考えている」――。いずれも…

 【写真】外貨保険は銀行窓販の主力商品だ

2024年9月20日号3面 相場急変、提案力試す(上)運用方針話し合う好機に

2024年9月20日号3面 相場急変、提案力試す(上)運用方針話し合う好機に

 金融市場が過去にない急変動に見舞われている。今年に入り、日経平均株価が史上最高値を更新した一方、8月上旬には過去最大の下落・上昇幅を記録した。歴史的な乱高下に個人投資家の間では不安の声が広がる。変動が激しい時こそ、投資信託を販売する金融機関は顧客に寄り添った提案力が試される。
 「多い支店では20件照会があり、…

【写真】「波乱相場に一喜一憂しないで顧客に寄り添う」ことを重視して応対する専担者(9月3日、埼玉県信金東松山支店)

2024年9月20日号4面 みずほ銀行、預かり資産で僚店連携、ノウハウ共有・意欲向上

2024年9月20日号4面 みずほ銀行、預かり資産で僚店連携、ノウハウ共有・意欲向上

  【福岡】みずほ銀行は、西日本エリアで預かり資産業務の僚店連携が拡大している。現在、近隣店舗同士の複数ペアで、双方の業務をサポート。顧客サービス向上のほか、行員のスキルアップや意欲醸成につなげている。
 同行は、2023年から事務業務を僚店間で連携。その取り組みを店頭営業力強化の一環として…

2024年9月13日号11面 大手損保、半導体工場の保険料上昇、データセンターに外資参入

2024年9月13日号11面 大手損保、半導体工場の保険料上昇、データセンターに外資参入

 大手損害保険会社では、2024年7月以降、古い半導体工場の火災保険料を引き上げたり、引き受け自体を厳格化する動きが活発化している。スプリンクラーなどの設置が不十分で、火災対策が遅れている工場物件が主な対象。一方、最新の工場やデータセンターなどでは外資系損保が盛んに営業攻勢をかけている。
 20年10月に旭化成エレクトロニクス、…

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

 金融庁は、生命保険会社が金融機関代理店などに支払う外貨建て保険販売手数料体系の見直し状況を検証する。生命保険協会が4月に改正した同保険に関連するガイドライン(指針)への対応の進捗(しんちょく)度について、フォローアップを近く開始する。銀行窓販チャネルを主力とする生保8社が対象。指針改正を受け、各社は2025年4月をめどに手数料体系を見直す方向で最終調整しており、同庁もその動向を注視する。(関連記事3面)
 同庁は4月、…

2024年8月30日号2面 金融庁、アクティブETF追加へ、NISAつみたて枠に

2024年8月30日号2面 金融庁、アクティブETF追加へ、NISAつみたて枠に

 金融庁は、2025年度の税制改正において、新しい少額投資非課税制度(NISA)のつみたて投資枠でアクティブ運用型の株式上場投資信託(ETF)を利用できるようにするため、対象商品の要件見直しを求める。NISA口座開設10年後に必要となる、金融機関による本人確認手続きのデジタル化も要望する。

■2025年度税制改正要望で
 同庁が8月中にまとめる25年度の税制改正要望に…

2024年8月23日号4面 京都銀行、投信積立が月額30億円、顧客に資産防衛意識

2024年8月23日号4面 京都銀行、投信積立が月額30億円、顧客に資産防衛意識

【大阪】京都銀行は、新しい少額投資非課税制度(NISA)の制度拡充を踏まえて投資信託の自動積立(投信積立)の強化に取り組み、3カ年中期経営計画で立てた月度振替額30億円の目標を1年余りで達成した。月度振替額が30億円を超えるのは、地域銀では福岡銀行に次いで2番目。インフレに備えて資産防衛をしたい顧客も増えており、同行は中計期間内の目標を同40億円に引き上げる方針だ。

2024年8月2日号3面 地域銀行、2割が円建て保険増予想、生保の商品開発過熱

2024年8月2日号3面 地域銀行、2割が円建て保険増予想、生保の商品開発過熱

 地域銀行の約2割が、2024年度上期に円建て保険商品の販売増加を見込んでいることが分かった。ニッキンが実施した保険窓販に関する独自調査で、99行のうち22行が「(23年度下期と比べて)販売が増える」と回答した。「横ばい」は41行、「減る」は8行。「分からない」および未回答は28行だった。
 地域銀では、相続対策などの一環として、…

資産管理

2024年10月4日号3面 大手金融機関や運用会社、提携地域銀行の獲得が激化、ファンドラップ提供で

2024年10月4日号3面 大手金融機関や運用会社、提携地域銀行の獲得が激化、ファンドラップ提供で

 対面型ファンドラップサービスを外部提供する金融機関で、提携する地域銀行の獲得競争が激しくなりそうだ。先行する大手の証券会社や銀行が提携先を広げるほか、三井住友DSアセットマネジメント(AM)や三井住友信託銀行など新規参入も相次ぐ。地域銀ではファンドラップをストック型ビジネスの柱と位置づけ、採用を検討する動きが再び活発になっている。
 三井住友信託銀は2025年度、第四北越銀行に…

2024年10月4日号14面 夢育む資産形成コンサルタント 行動経済学

2024年10月4日号14面 夢育む資産形成コンサルタント 行動経済学

 顧客が感じる痛みの重さに寄り添う
 公益社団法人日本証券アナリスト協会は3月、個人顧客の預かり資産営業に携わる金融機関担当者を念頭に「資産形成コンサルタント資格」を創設。本コーナーではそのテキスト・問題集を基に金融・投資の基礎を学びたいと思う方々に関心のあるトピックスを紹介します。
 8月5日に起きた株価暴落。日経平均株価の下落率マイナス12.4%は、記録がある1949年以来では87年のブラックマンデーに続く大きな下落率でした。各メディアでは暴落にあぜんとする…

2024年9月20日号4面 みずほ銀行、預かり資産で僚店連携、ノウハウ共有・意欲向上

2024年9月20日号4面 みずほ銀行、預かり資産で僚店連携、ノウハウ共有・意欲向上

  【福岡】みずほ銀行は、西日本エリアで預かり資産業務の僚店連携が拡大している。現在、近隣店舗同士の複数ペアで、双方の業務をサポート。顧客サービス向上のほか、行員のスキルアップや意欲醸成につなげている。
 同行は、2023年から事務業務を僚店間で連携。その取り組みを店頭営業力強化の一環として…

2024年9月6日号10面 やさしいニュース解説 プロダクトガバナンスって何?

2024年9月6日号10面 やさしいニュース解説 プロダクトガバナンスって何?

 “製販”で最善利益めざす、投信の品質管理確立へ
 新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まり、生活者にとって投資が身近になりました。一方で「顧客への付加価値に見合った手数料が設定されていない」など金融商品の組成側の問題も指摘されています。そこで金融庁は今秋、投資信託などの組成会社と販売会社ともに顧客の最善利益を追求する「プロダクトガバナンス」の確立を求める方針です。そのポイントを紹介します。

 ■Q1.プロダクトガバナンスの内容と背景は?
 金融庁は「顧客の最善の利益に適(かな)った商品提供等を確保するためのガバナンス」と位置づけています。商品の組成から顧客への…

2024年8月16日号8面 大和証券G本社、WMビジネスで成果、コンサルツール活用が奏功

2024年8月16日号8面 大和証券G本社、WMビジネスで成果、コンサルツール活用が奏功

 大和証券グループ(G)本社は、富裕層向けのウェルスマネジメント(WM)ビジネスが着実に成果を上げている。最重要戦略として2024年度から新たに取り組んでおり、総資産コンサルティングツールを効果的に活用している。
 WM本部として…

【写真】「お客さまとともに二人三脚で資産を育てたい」と語る上野課長(左、7月25日、新宿支店)

2024年8月2日号1面 3メガG、新NISAで個人株主変動、MUFGは21万人増

2024年8月2日号1面 3メガG、新NISAで個人株主変動、MUFGは21万人増

 3メガバンクグループの個人株主数の動きに差がでている。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は3月末時点で「個人・その他」の株主数が111万人となり、前年同月比21万人(24.18%)増えた。一方、三井住友フィナンシャルグループ(FG)は同1.56%の増加にとどまり、みずほFGは3.74%減少した。1月に始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)が個人株主の取り込みを左右する要因になっているとみられる。
 新NISAでは有名な高配当銘柄が…

2024年7月12日号4面  三菱UFJ信託銀行、超富裕層向け事業強化、面談は年間300人超

2024年7月12日号4面 三菱UFJ信託銀行、超富裕層向け事業強化、面談は年間300人超

 三菱UFJ信託銀行は、株式などの資産価値上昇に伴って成長が見込まれる超富裕層向けビジネスを強化している。本店営業部のウェルスマネジメント営業室(酒井健太郎室長=行員8人)が全国の営業店と連携しながら、多様な信託機能を使ってワンストップで課題の解決策を提案。年間の面談者数は300人を超える。

【写真】協議する中田トラストウェルスマネージャー(左)と酒井室長(右)

2024年6月7日号6面 信金の新NISA、46万口座超、トップは京都中央信金

2024年6月7日号6面 信金の新NISA、46万口座超、トップは京都中央信金

  信用金庫業界の2024年3月末の新しい少額投資非課税制度(NISA)の口座数がまとまった。本紙独自調査によると、業界全体の新NISA口座数は46万口座を突破。トップは京都中央信用金庫(京都市)の3万3702口座だった。新NISA開始を機に一部信金の推進体制に変化が生じるなか、23年12月末比の増減数では朝日信用金庫(東京都)が2881口座増加し最も多かった。
 調査対象は投資信託の窓口販売を行う全金融機関で、四半期ごとに実施。24年3月末調査では、140を超える信金から回答を得た。新NISA口座数は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合計。(詳細は『ニッキン投信情報』6月10日号)
 埼玉県信用金庫(埼玉県)は、24年度から店舗や個人の業績評価に…

取引先支援

2024年10月18日号6面 信金界、中小のタイ進出支援 試験拠点活用、ニーズ把握

2024年10月18日号6面 信金界、中小のタイ進出支援 試験拠点活用、ニーズ把握

 信用金庫業界は、消費者の声を収集できるタイ・バンコクのテストマーケティング拠点「縁結び」を活用し、中小企業の現地進出を支援する。信金中央金庫が6月末に設置した同拠点には、これまでの約3カ月間で、約10信金の取引先など25社が出店。今後は、アンケートで把握した購買傾向をもとに、商品の改良やマーケティング戦略の策定などのサポートも本格化する。
 バンコク中心部にある試験販売拠点「縁結び」は…

【写真】SNSアカウントの総フォロワー数が100万人を超えるインフルエンサーが、拠点・商品の情報を発信

2024年10月11日号4面 関西みらい銀行・みなと銀行コンサル会社、2年半で案件100件

2024年10月11日号4面 関西みらい銀行・みなと銀行コンサル会社、2年半で案件100件

 ■2024年度・黒字化めざす
 【大阪】関西みらい銀行とみなと銀行のコンサルティング会社・みらいリーナルパートナーズ(近藤雅裕社長)は、伴走型コンサルティングで着実に成果を上げている。2022年3月に設立し、24年度上期中にコンサル案件は累計で100件を突破。今後も顧客の成長につながる案件を発掘し、24年度に会社の黒字化を目指す。
 同社は2行を親会社とする銀行業高度化等会社で従業員は12人。りそなグループのノウハウを活用し…

【写真】コンサルを導入したツバサ工業のワークショップでは、平澤社長(テーブル右から3人目)も参加して新商品開発を議論(9月12日、同社)

2024年10月4日号7面 京都中央信金の子会社、人材紹介・100件成約へ、意識醸成しニーズ発掘

2024年10月4日号7面 京都中央信金の子会社、人材紹介・100件成約へ、意識醸成しニーズ発掘

  【大阪】京都中央信用金庫(京都市、白波瀬誠理事長)の子会社、中信ビジネスサービス(西村崇社長)が手掛ける有料人材紹介事業が好調だ。2024年4~9月の成約件数は51件。24年度の年間目標50件を半年間で達成したのを受け、目標を100件に上方修正した。
 同社は22年4月、内閣府の「先導的人材マッチング事業」の間接補助事業者に採択され…

2024年9月13日号4面 地銀、医療機関へクラウドファンディング、地域に支援の輪広げる

2024年9月13日号4面 地銀、医療機関へクラウドファンディング、地域に支援の輪広げる

  地方銀行が、取引先の医療機関が抱える課題の解決手段として、クラウドファンディング(CF)を利用している。資金調達だけでなく、地域に支援の輪を広げるなど中長期的な効果を狙う。医療機関側の認知も進んでおり、提携先のCFサイト運営業者に対して案件を紹介するケースが今後一段と増えそうだ。
 医療機関が実施するCFは、支援者がリターンを求めない「寄付型」が大半だ。支援金額によっては…

2024年9月13日号5面 山口FG、柑橘の生産者支援、商品化やクラウドファンディングで

2024年9月13日号5面 山口FG、柑橘の生産者支援、商品化やクラウドファンディングで

  【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)は山口県オリジナル柑橘2種の一次生産者を支援する。グループの地域商社やまぐちが、「長門ゆずきち」と「せとみ」を商品化して販売。同じグループ企業のKAIKAは寄付型クラウドファンディング(CF)を企画し、山口銀行やグループ社員が参加する収穫ボランティアも実施した。
 周防大島はかつて「みかんの島」と呼ばれたが、柑橘生産は2020年は7010トンでピークだった1975年の10%程度に落ち込んだ。せとみは…

【写真】長門ゆずきちの収穫ボランティアを行った(地域商社やまぐち提供)

2024年9月6日号7面 埼玉県信金、脱炭素に伴走支援、自治体と連携・補助金創設

2024年9月6日号7面 埼玉県信金、脱炭素に伴走支援、自治体と連携・補助金創設

  埼玉県信用金庫(埼玉県、池田啓一理事長)は、二酸化炭素排出量可視化サービスのe‐dash(東京都)や、脱炭素に積極的な自治体と連携して、取引先企業の脱炭素化を伴走支援している。埼玉県戸田市では同社サービスを活用できる補助金の創設から、成約にも結び付いており、県内の他の自治体にも横展開する方針だ。
 地域創生部事業ソリューショングループの長谷川洋介主任推進役が…

【写真】ナックプランニングの藤本祥社長(左から3人目)にサービス提案するe‐dashの担当者(同2人目)と、同席する小松支店長(左)と中嶋支店長代理(8月7日、戸田支店)

2024年8月30日号4面 ひろぎんHD、若者流出対策で枠組み、マツダなどと解決策探る

2024年8月30日号4面 ひろぎんHD、若者流出対策で枠組み、マツダなどと解決策探る

【広島】ひろぎんホールディングス(HD)は、働き手の確保や地域活性化のため、地元大手企業などと広島県の人口流出を防ぐ取り組みを始めた。5月に、対策などを話し合う企業ネットワークの立ち上げを主導。各社と意見交換した内容を踏まえ、9月上旬に働き方改革の推進や共通して取り組む施策などを発表する予定だ。

【写真】はたフルでは、ひろぎんHDのインターンシップに参加した学生から、地元就職に対する意見などを聞いた(おりづるタワー)

地域貢献

2024年9月27日号17面 岐阜信金、金融教育300回へ、地域貢献・福利厚生に効果

2024年9月27日号17面 岐阜信金、金融教育300回へ、地域貢献・福利厚生に効果

 【名古屋】岐阜信用金庫(岐阜県、好岡政宏理事長)は、金融教育「ぎふしんマネーエデュ」が2024年度中に延べ300回に達する見通しだ。地域の金融リテラシー向上と、取引先の福利厚生向上の両面で成果をあげる。
 ぎふしんマネーエデュは23年2月に開始。好岡理事長の指示の下で金融教育のカリキュラムを体系化し…

 【写真】学校向け金融教育ではすごろくでお金の大切さを学んでもらった(9月20日、岐阜市立草潤中学校)

2024年9月20日号10面 再考地方創生(6) 積み残された課題、重み増す次の10年

2024年9月20日号10面 再考地方創生(6) 積み残された課題、重み増す次の10年

 政府が地方創生を打ち出してから10年。金融機関も自治体と連携して全国各地で取り組みを進め一定の成果を生んだ一方で、積み残された課題は少なくない。自見英子地方創生担当大臣(48)と、福島県会津若松市でICT(情報通信技術)を活用した「スマートシティ」化を推進するアクセンチュアの海老原城一執行役員(48)に今後の展望などを聞いた。

 【写真】(左から)自見英子・地方創生担当大臣、海老原城一・アクセンチュア執行役員

2024年8月30日号11面 スタートアップ都市・福岡、官民支援・第2フェーズへ

2024年8月30日号11面 スタートアップ都市・福岡、官民支援・第2フェーズへ

 【福岡】福岡市で官民を挙げた新興企業支援が広がっている。官民協働型スタートアップ施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」を中心に、新たな事業アイデアを持つ企業をサポート。金融機関も資金融通や出資、ビジネスマッチングで応える。2012年に高島宗一郎・福岡市長が「スタートアップ都市 ふくおか」の始動を宣言してから12年。“第2フェーズ”に入った福岡市などの動向をみた。

 ■上場企業排出へ新施策
 FGNは、福岡の中心地・天神に立地し、コワーキングスペースなどを備える全国有数の新興支援施設。2017年4月の開設以降、入居した企業は2022年3月末までに…

 【写真】スタートアップの成長についてディスカッションする高島宗一郎市長(右から3人目、5月27日、FGN)

2024年8月16日号12面 特集 「佐渡島の金山」世界遺産登録、地域活性化の起爆剤に

2024年8月16日号12面 特集 「佐渡島の金山」世界遺産登録、地域活性化の起爆剤に

 【新潟】新潟県佐渡市の「佐渡島(さど)の金山」が7月27日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。国内26件目で新潟県では初の登録となる。27年にわたる草の根の活動が実を結び、江戸時代に確立した世界でも稀(まれ)な手作業による金銀生産の価値が認められた。全国各地からもたらされた文化や海・山の幸といった佐渡島の魅力にスポットが当たる。佐渡市は人口が5万人を割り込むなど少子高齢化が進行しているが、活性化の起爆剤として世界遺産への期待は大きい。

 ■世界で稀な手作業生産
 「佐渡島の金山」は西三川(にしみかわ)砂金山(真野地区)と相川鶴子(あいかわつるし)金銀山(相川金銀山と鶴子銀山、相川・佐和田地区)の二つの遺跡群で構成される。同時代、諸外国では機械による採掘が進んだが…

 【写真】パブリックビューイングで登録決定の知らせを受け喜ぶ関係者ら(7月27日、きらりうむ佐渡)

2024年8月16日号5面 鳥取銀行、地域課題解決へ人脈作り、「広域情報戦略」を始動

2024年8月16日号5面 鳥取銀行、地域課題解決へ人脈作り、「広域情報戦略」を始動

【広島】鳥取銀行は2024年度、地域のさまざまな課題を解決するための「広域情報戦略」を本格始動している。将来的には鳥取の新しい基幹産業の芽を育てることも視野に入れる。専担者1人を任命して地元企業の課題と大都市圏の情報を幅広く収集し、地域課題を解決する人脈作りに挑戦している。

【写真】本部行員と情報交換する森田執行役員(左から3人目、7月9日、鳥取銀本店ビル)

2024年8月16日号17面 三菱UFJフィナンシャル・グループ、伝統工芸守り育てる

2024年8月16日号17面 三菱UFJフィナンシャル・グループ、伝統工芸守り育てる

 工房に最大10万円補助
 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、織物や陶磁器、木工品といった伝統工芸を守り、育成するためのプラットフォームづくりを進めていく。有識者の協力を得ながら、若い工芸作家を応援する仕組みを2025年に立ち上げる。全国規模で作家同士が交流・学べる場を提供するもので、奨学金創設、海外留学支援なども検討している。
 工芸支援プロジェクトは2023年8月にスタート。生産額、従業員数などが衰退の一途をたどる工芸産業に危機感を抱き…

 【写真】米国ニューヨークでのトークショーと作品展示(6月4日、三菱UFJフィナンシャル・グループ ニューヨークオフィスビル)

2024年8月2日号17面 朝日信金、エコキャップ推進活動、16年で1億8000万個回収

2024年8月2日号17面 朝日信金、エコキャップ推進活動、16年で1億8000万個回収

 朝日信用金庫(東京都、伊藤康博理事長)は、2008年からペットボトルのキャップを回収する「エコキャップ推進活動」を展開。16年間で1億8千万個を回収し、二酸化炭素(CO2)排出量の削減効果は約1300トンに上る。売却代金の一部をNPO(非営利組織)団体に寄付し、途上国のワクチン接種にもつなげている。
 キャップの回収は営業店単位で実施。全店に回収ボックスを設置しており、職員に加え近隣住民や商店などからの持ち込みも多い。同様の活動をしていた都立高校は…

 【写真】職員も積極的にキャップ回収に協力する(7月17日、朝日信金豊島町支店)

2024年7月26日号4面 北都銀行、官民連携でまちづくり、営業店起点に課題解決

2024年7月26日号4面 北都銀行、官民連携でまちづくり、営業店起点に課題解決

【仙台】北都銀行は、秋田県由利本荘市でのまちづくりプロジェクト参画に力を入れる。大手電子部品メーカーのTDKの社員寮建設を機に、医療施設や教育機関の誘致を計画したもので、同行は事務局として活躍。本荘支店が起点としたボトムアップ型支援で、地域開発コンサルティングのモデルケース創出を目指す。

【写真】プロジェクト実現に向けた建設の様子(北都銀行提供)

国際

2024年9月6日号4面 三菱UFJ銀行、デジタル金融トップへ、ASEANが成長の柱

2024年9月6日号4面 三菱UFJ銀行、デジタル金融トップへ、ASEANが成長の柱

  三菱UFJ銀行は、東南アジア諸国連合(ASEAN)4カ国(タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン)で戦略出資を加速している。アユタヤ銀行(タイ)などパートナー4行との連携に加え、口座を持たない消費者などにも積極的に貸し付けるデジタルレンディングに本格参入する。出資総額はこの10年で1兆6千億円に。今後10年のうちにASEANトップのデジタル金融グループの地位を固めたい考えだ。
 2024年6月にタイ最大手のアセンドマネーに306億円、8月にはフィリピンのユニコーン企業、ミントに633億円を出資。いずれもモバイル決済などで…

【写真】ASEANの出資先をつなぐイベント「MUFGフィンテックフェスティバル」(23年11月、シンガポール)

2024年7月12日号5面 百五銀行、三重を「ハラル先進県」に、認証取得サポート

2024年7月12日号5面 百五銀行、三重を「ハラル先進県」に、認証取得サポート

 【名古屋】百五銀行は、三重県内企業のイスラム市場開拓を支援する。海外進出にあたり、食事などでイスラム教の戒律に沿った「ハラル認証」の取得をサポート。政府関係機関とのネットワークも築き、全国の地域銀行でも珍しい巨大市場に三重から攻める。

【写真】ラウンドテーブルの第2部では、津市のつじ農園の米を始め、イスラム教徒も食べられるメニューを食堂で提供した(7月5日、同行丸之内本部)

2024年6月28日号1面 新連載 3メガGインドへ熱視線(上)膨らむ中間層に商機

2024年6月28日号1面 新連載 3メガGインドへ熱視線(上)膨らむ中間層に商機

  メガバンクグループ(G)が熱い視線を送るインド。人種や言語、宗教など多様性にあふれ、時にはそれが障壁となるものの、ダイナミックな経済成長は他国にない魅力だ。ノンバンクやフィンテック企業への出資を通じて現地のリテールビジネスに挑むメガバンクGの動きを追った。
 各社がインドのリテールビジネスに乗り出した背景には、人口増加と経済成長に加え、金融サービスを提供するデジタルインフラの発達がある。インド版マイナンバー「アドハー」は…

【写真】SMICCは農村部で酪農体験イベントを開催し、地域住民との距離を縮める(三井住友FG提供)

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

 堅調な米国経済を背景に安定基調にある米国銀行界。商業用不動産(CRE)ローンの不良債権問題が懸念されるが、「局地的、限定的」との見方もある。米財務省通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)など金融監督当局は、中小規模の銀行の健全性支援に乗り出している。FDICのマーティン・J・グルンバーグ総裁、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)のレベッカ・ロメロ・レイニーCEOの両トップと米国銀行協会(ABA)の幹部に現在の業況、経営課題、規制のあり方などについて聞いた。

 【写真】マーティン・J・グルンバーグ FDIC総裁(左)、レベッカ・ロメロ・レイニー ICBA CEO(右)

2024年4月26日号1面 各国中銀と民間銀、新・国際決済インフラ構築、資産「トークン化」見据え

2024年4月26日号1面 各国中銀と民間銀、新・国際決済インフラ構築、資産「トークン化」見据え

 世界の中央銀行と金融機関はあらゆる資産がブロックチェーン上でトークン化された世界を見据え、新たな越境決済プラットフォームの構築を加速させる。Swift(スイフト=国際銀行間通信協会)は、これまで培ってきた国際送金網のノウハウを生かし、中銀デジタル通貨(CBDC)を相互につなぐ。国際決済銀行(BIS)は、ホールセール分野で分散型台帳技術(DLT)を活用した決済インフラ構築を模索する。
 38の中銀や銀行などと実証実験を進めてきたスイフトは製品化の段階に入り…

2024年4月26日号8面 特集 海外中銀どう動く、インフレ懸念再燃の米国

2024年4月26日号8面 特集 海外中銀どう動く、インフレ懸念再燃の米国

 FRB、大統領選もにらむ
 日本銀行がマイナス金利解除に踏み切り、米欧など海外の金融政策の変化にも注目が集まる。特に市場が関心を寄せるのは、経済が好調な米国の動向。急ピッチで進んだ金融引き締めから緩和への転換を模索するが、インフレ懸念が再燃し、利下げの後ずれ観測が強まっている。今秋に予定される大統領選も政策運営に影響しそうだ。一方、欧州では物価の伸びが鈍化し、早期利下げが予想される。今後の焦点を探った。

 ■「かじ取り」難しく
 あたかも市場関係者が抱える焦燥を察し、米金融当局に影響力を持つ大物が代弁してみせたかのようだった。
 「政策金利の動きが下向きではなく…

2024年3月1日号9面 特集 政治揺れる「香港」、進出金融機関、購買力や投資需要取り込む

2024年3月1日号9面 特集 政治揺れる「香港」、進出金融機関、購買力や投資需要取り込む

 アジアの金融センターとして高い経済成長を誇ってきた「香港」。中国が一定の自治を認める「一国二制度」が揺れるなか、現地で働く金融関係者は「経済活動の自由は変わらない」との認識で一致する。親日の富裕層も多く、巨大な消費マーケットの魅力は健在。取引先企業の海外ビジネス支援強化や、周辺国を含めたシンジケートローン(協調融資)需要など事業機会の取り込みに力を注ぐ。現地の3金融機関に聞いた。(香港取材班)

 ■静岡銀行香港支店、地元の観光誘致に力
 静岡銀行香港支店(岩邊孝純支店長=51歳、派遣行員7人、現地スタッフ7人)は2022年7月、日系企業の多い九龍地区に移転し…

 【写真】観光客で混雑する香港の金融街・中環エリア(1月23日)

2024年3月1日号6面 信金界、SDGsで海外販路開拓、イベントは商談100件実施

2024年3月1日号6面 信金界、SDGsで海外販路開拓、イベントは商談100件実施

 信用金庫業界は、SDGs(持続可能な開発目標)を切り口にして、取引先の海外販路開拓を支援している。信金中央金庫と中小企業基盤整備機構が連携して開設したオンライン展示会サイトは、約4カ月間で登録企業が88社になった。2月19~22日には、国外企業と海外に販路を持つ国内企業をバイヤーとした商談会のイベントを開催。4日間で約100商談を実施した。
 欧州などで社会や環境に配慮した消費行動への関心が高まるなか、信金中金は2023年10月、…

営業店

2024年10月18日号18面 中国銀行呉支店、グループ仲介から開拓、融資こだわらず接点強化

2024年10月18日号18面 中国銀行呉支店、グループ仲介から開拓、融資こだわらず接点強化

 【広島】中国銀行呉支店(藤井康晶支店長=行員15人うち営業担当者9人。パート3人)は、ちゅうぎんフィナンシャルグループ傘下のグループ会社との連携を生かした活動で顧客接点を強化し、新規開拓につなげている。融資にはこだわらず「お客さまに喜んでもらえる提案」を徹底。顧客満足度の向上を優先させる戦略が取引拡大の好循環を生んでいる。
 広島県呉市は地場金融機関が存在感を発揮する地域。県外行が取引拡大するのは容易ではない。法人取引は約200先でサブ取引以下が中心のため…

 【写真】カジオカL.Aの新商品拡販プロジェクトについて打ち合わせする藤井康晶支店長(左、9月19日、カジオカL.A呉本店、中国銀行提供)

2024年10月11日号18面 三十三銀行上前津支店、専担部と連携し迅速対応

2024年10月11日号18面 三十三銀行上前津支店、専担部と連携し迅速対応

 協調融資・16億円まとめる
 【名古屋】三十三銀行上前津支店(高木久年支店長=行員13人うち渉外5人)は、名古屋市内の大須商店街の周辺に位置し、さまざまな業種・規模の顧客と取引がある。企業が抱える課題を見極め、経営トップから真のニーズを聞き出すことを実践。定性評価を生かし、難度が高いシンジケートローンや融資取引を実現するなど、本部のソリューション営業部と連携した提案で存在感を発揮している。
 高木久年支店長は4月に着任。同店には20年前に勤務した経験がある。周辺は「銀行銀座」と言われ…

 【写真】住都建設の坂田勇代表取締役(左)と情報交換する高木久年支店長(手前、9月13日、住都建設本社)

2024年10月4日号18面 静岡銀行呉服町支店、5カ月で融資100億円実行、再生柱に存在感高める

2024年10月4日号18面 静岡銀行呉服町支店、5カ月で融資100億円実行、再生柱に存在感高める

 【静岡】静岡銀行呉服町支店(松下英人支店長=行員39人うち渉外担当者24人<法人18人、個人6人>)は、取引先・地域課題解決を通じた「社会価値の創造」「企業価値の向上」を活動の両輪に位置づけて営業にまい進。4~8月で、企業再生に関わる資金を含め大口・小口にとらわれることなく約100億円の融資を実行し存在感を高めている。
 同支店では、取引先の「企業価値向上」の観点を重視し、(1)過去の“しがらみ”を排除し…

 【写真】静岡銀行と取引先ブースで盛り上がる駿府城夏祭り会場(8月17日)

2024年9月27日号18面 七十七銀行一番町支店、サステナ分野提案で成果、PIF第1号を組成

2024年9月27日号18面 七十七銀行一番町支店、サステナ分野提案で成果、PIF第1号を組成

 【仙台】七十七銀行一番町支店(高橋康支店長=行員24人うち渉外担当12人。パート・嘱託15人)は、サステナビリティ分野を軸とした融資提案とコンサルティングで成果を上げている。6月末の貸出金残高は前年同月比27億8500万円増加。2023年度は本部と連携してSDGs私募債を2件・1億5千万円と、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)1件・5億円を獲得した。
 同店は仙台市の中心地に位置し、東北最大の繁華街国分町に隣接。飲食店のほか不動産業者など法人取引が中心。2023年6月着任の高橋康支店長は…

 【写真】大型LEDビジョンを備えた「CROSS B PLUS」で打ち合わせをする尾形雄一郎社長(左)と高橋康支店長(8月30日、仙台市内)

2024年9月20日号18面 城北信金平和台支店、「報連相」起点に課題解決

2024年9月20日号18面 城北信金平和台支店、「報連相」起点に課題解決

 不動産マッチングで成果
 城北信用金庫平和台支店(安本敬幸支店長=職員26人うち渉外担当10人。契約社員1人)は、形式的な会議はしないで、即時の「報告・連絡・相談(報連相)」を起点に顧客の課題解決に取り組んでいる。不動産ビジネスマッチングや複合取引などに注力。大規模店グループ(20カ店)の店舗表彰で2期連続の1位に輝いた。
 主な営業エリアは練馬区北東部の店周約3キロ圏内。最寄りの地下鉄平和台駅はアクセスが良く…

 【写真】(左から)七海建設の七海公治社長や柴毅執行役員総務経理部長と情報交換する同店の春本武之輔次長と鈴木聡主任(9月4日、七海建設本社)

2024年9月13日号18面 京都銀行精華町支店、「地域みらい共創」で成果

2024年9月13日号18面 京都銀行精華町支店、「地域みらい共創」で成果

 伴走支援からメイン行へ
 【大阪】京都銀行精華町支店(島田明典支店長=行員16人うち得意先3人)は、地域にとって大事で将来に残したい会社や、成長を後押ししたい会社を伴走支援する「地域みらい共創事業」で成果を上げている。同店が選定したのはメイン取引先でもサブ取引先でもない2社。そのうち1社は7月に同店をメインバンクに変えた。島田支店長は約2年で事業性融資を約24億円増加させている。
 地域みらい共創事業は、京都フィナンシャルグループが4月に創設。投融資枠1千億円を設定…

 【写真】商品の特徴を説明するサンシードの桃井秀幸社長(右手前)と、島田明典支店長(左手前、9月4日、サンシード)

2024年9月6日号18面 百十四銀行香西エリア、世界めざす「うどん」支える

2024年9月6日号18面 百十四銀行香西エリア、世界めざす「うどん」支える

 エリア体制でコンサル強化
 【高松】百十四銀行香西エリア(久次米(くじめ)辰倫(たつのり)エリア長=行員30人うち渉外14人。パート7人)は、エリア体制への移行で格段に増えた情報量を武器としたコンサルティングで成果を上げている。販路拡大や人材紹介、情報通信技術(ICT)などの多岐にわたる支援メニューを提供。うどん店を展開する取引先には、行内外と連携しながら新商品の生産拠点新設を後押しした。
 同エリアは香西支店を核とした3支店2出張所で構成し、主に高松市の西部地域をカバーしている。2022年4月にエリア体制を導入して…

 【写真】あっとんの神原轟社長(右)から工場設備などの説明を受ける久次米辰倫エリア長(左)と白崎誠之支店長代理(8月19日、高松市内)

2024年8月30日号18面 東和銀行浦和支店、「配属四度目」経験生かす、貸出伸ばし店舗表彰1位

2024年8月30日号18面 東和銀行浦和支店、「配属四度目」経験生かす、貸出伸ばし店舗表彰1位

 東和銀行浦和支店(秋元秀明支店長=行員19人うち渉外9人。パート5人)は、取引先へのタイムリーな融資提案と、同店に四度目の配属となった秋元支店長のサポートによる深耕・新規開拓活動が奏功。2023年度下期に中小企業向け貸出金残高を5億1800万円伸ばした。同期の業務純益目標を約120%達成し、店舗総合表彰で優良賞を受賞。全店1位に輝いた。
 秋元秀明支店長は、2023年6月に着任。同店を含め5カ店の支店長を経験しているベテラン。「経験値をフルに活用して支店活動に取り組もう」と考え…

 【写真】総和工業の古市恒裕代表取締役社長(左)から「高気圧酸素カプセル」の説明を聞く秋元秀明支店長(中央)と白石浩平係長(7月25日、総和工業)

インタビュー

2024年10月11日号8面 特集 東北4信金、創業者に聞く・必要な支援とは

2024年10月11日号8面 特集 東北4信金、創業者に聞く・必要な支援とは

 融資で夢実現・助言を成長に
 【仙台】少子高齢化や事業所数減少の影響を大きく受けている東北地区経済。その厳しい環境のなかでも地元信用金庫の支援を得て創業や事業拡大に成功した企業がある。創業者4氏に起業の経緯や信金の支援内容、後に続く創業者に対して金融機関が担うべき役割を聞いた。

 ■NPO「水梨かふぇ」(気仙沼信金)、ビジョン描き導く存在
 障がい者などの支援施設、多機能型事業所「いっぽ」を運営する水梨かふぇ。看護師だった秋山順子理事長が…

 【写真】水梨かふぇの秋山順子理事長(右)から話を聞く気仙沼信用金庫南支店の村上達也支店長(7月9日、多機能型事業所「いっぽ」)

2024年9月20日号10面 再考地方創生(6) 積み残された課題、重み増す次の10年

2024年9月20日号10面 再考地方創生(6) 積み残された課題、重み増す次の10年

 政府が地方創生を打ち出してから10年。金融機関も自治体と連携して全国各地で取り組みを進め一定の成果を生んだ一方で、積み残された課題は少なくない。自見英子地方創生担当大臣(48)と、福島県会津若松市でICT(情報通信技術)を活用した「スマートシティ」化を推進するアクセンチュアの海老原城一執行役員(48)に今後の展望などを聞いた。

 【写真】(左から)自見英子・地方創生担当大臣、海老原城一・アクセンチュア執行役員

2024年8月30日号6面 インタビュー 平松・全信協会長、業界一丸でデジタル化推進

2024年8月30日号6面 インタビュー 平松・全信協会長、業界一丸でデジタル化推進

6月に就任した全国信用金庫協会の平松廣司会長(74歳、かながわ信用金庫会長)。地域経済の縮小や役職員の減少、預金獲得競争の激化など課題が山積するなか、今後の戦略を聞いた。


 ――金利環境が変わり預金の重要性は増すが、獲得に向けて必要になるのは。
 「預金に対する姿勢は変化しており、獲得に向けた動きが活発になりつつある…

2024年8月9日号1面 インタビュー 井藤・金融庁長官、貸出金利上昇の影響点検

2024年8月9日号1面 インタビュー 井藤・金融庁長官、貸出金利上昇の影響点検

 7月に就任した井藤英樹・金融庁長官(59)が本紙インタビューに応じ、国内金利上昇に伴う貸出金利の引き上げを見据え、顧客対応状況に焦点を当て銀行に対するモニタリングを行う考えを示した。担保・保証に依存しない事業性融資推進に向け、ノウハウや体制整備に課題があるとし、金融機関と納得感のある対話も進めていく方針だ。

 ――金利上昇局面を迎え、当局が注視するリスクや金融機関に求める対応は。…

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

 堅調な米国経済を背景に安定基調にある米国銀行界。商業用不動産(CRE)ローンの不良債権問題が懸念されるが、「局地的、限定的」との見方もある。米財務省通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)など金融監督当局は、中小規模の銀行の健全性支援に乗り出している。FDICのマーティン・J・グルンバーグ総裁、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)のレベッカ・ロメロ・レイニーCEOの両トップと米国銀行協会(ABA)の幹部に現在の業況、経営課題、規制のあり方などについて聞いた。

 【写真】マーティン・J・グルンバーグ FDIC総裁(左)、レベッカ・ロメロ・レイニー ICBA CEO(右)

2024年4月5日号2面 インタビュー 福留・全銀協新会長、資産形成支援で好循環実現

2024年4月5日号2面 インタビュー 福留・全銀協新会長、資産形成支援で好循環実現

 全国銀行協会の会長に4月1日、三井住友銀行の福留朗裕頭取(61)が就任した。国内経済に好転の兆しがみられるなか、「成長と分配の好循環」実現のために銀行界の果たすべき役割は大きい。福留会長に今後の方針などを聞いた。

 ■失われた40年にはしない
 ――経済環境は急変している。
 「物価・金利の上昇や大幅な賃上げなどパラダイムシフトが起きつつあり…

【写真】福留・全銀協新会長

2024年3月15日号16面 特集 254信金を支える信金中金、課題解決へ若手奔走

2024年3月15日号16面 特集 254信金を支える信金中金、課題解決へ若手奔走

 「信用金庫とともに地域の期待に応える」 ――。全国に254ある信金の課題は、営業エリアや預金規模、取引先業種などに応じてさまざまだ。中央金融機関である信金中央金庫は、国内外に有するネットワークを活用し、各信金に解決策を提供。約10万人いる役職員の地元での活躍をバックアップしている。個別信金との直接の接点となるのが営業店・分室であり、信金へのコンサルティング業務や出向などを通じて現場感覚を学んでいる。東北支店、北陸支店、大分県分室の若手職員への取材を通じ、第一線の担当者がどのように信金を支えているのか探った。

 【写真】(左から)東北支店職員、北陸支店コンサルティング担当主任、大分県分室所長