2024年7月26日号1面 金融庁、マネロン検査継続、基本的な態勢整備徹底へ

2024年7月26日号1面 金融庁、マネロン検査継続、基本的な態勢整備徹底へ

 金融庁は、地域金融機関のマネーロンダリング対策に関する基本的な態勢整備状況について、ターゲット検査などによる実態把握を継続する方針だ。金融機関には2024年3月末を期限に、マネロン対策のガイドラインに沿った態勢整備を完了することを求め、報告ベースの完了率は99%に高まった。ただ、基本的な態勢整備は次の段階である「有効性検証」の土台となることから、報告と実態に乖離(かいり)がないかなどを含め検証作業を続ける。一度検査した金融機関でも、懸念がある場合は改めて検査することを視野に入れる。検査の結果、著しい不備があった場合は、行政対応に踏み切る可能性もある。
 金融庁は、ガイドラインで対応を求めた事項に関して、…

2024年7月26日号16面 百十四銀行と伊予銀行、ウェルビーイング取り組む意義は?女性人事部長同士で対談

2024年7月26日号16面 百十四銀行と伊予銀行、ウェルビーイング取り組む意義は?女性人事部長同士で対談

  【高松】ウェルビーイング(WB=心身の健康と幸福)をキーワードに、魅力ある職場づくりを実践している百十四銀行と伊予銀行。取り組みの起点となる人事部を率いる百十四銀の谷山香織部長(49)と伊予銀の杉野里佳執行役員部長(52)が対談し、考え方や方向性などの意見を交わした。
 ■カギは「多様性」
 組織を挙げてWBに取り組む意義を問われた両者は「行員の活躍や成長を実現することで…

【写真】意見を交わす百十四銀の谷山人事部長(左)と伊予銀の杉野執行役員人事部長(7月11日、伊予銀本店)

2024年7月26日号2面 日銀、市場配慮の国債減額議論、相場観を2段階で発信

2024年7月26日号2面 日銀、市場配慮の国債減額議論、相場観を2段階で発信

 日本銀行は7月30、31日に開く金融政策決定会合で、月6兆円程度で講じる長期国債購入の減額計画を決める。「今後1~2年程度」の計画策定・公表時期をマーケットにあらかじめ伝えつつ、金融機関実務者の声を聴き取る場を設け、議論の相場観を2段階で発信。人為・強硬的な金利抑制策などで著しい機能低下をもたらした市場に対する日銀の配慮がにじむ。
 日銀は6月の会合で、異次元金融緩和の柱…

2024年7月26日号3面 大手行、個人評価「脱・画一」へ、三井住友銀行・専門性も重視

2024年7月26日号3面 大手行、個人評価「脱・画一」へ、三井住友銀行・専門性も重視

 大手行で、行員の画一的な評価方法を見直す動きが広がっている。三井住友銀行は2026年1月をめどに導入する新人事制度で、業務領域ごとの「専門性発揮行動」を評価軸の一つに加える方向。みずほフィナンシャルグループ(FG)は24年度、社員をランク付けせず目標に対し上司が随時フィードバックを行う「ノーレーティング」を導入。社員とマネージャーが課題をともに考え、個人の成長を目指した対話を後押しする。三菱UFJ信託銀行は24年度、デジタルなど3領域で独自の評価基準を採用し、専門性を評価する。
 三井住友銀の現行の人事制度は、…

2024年7月26日号4面 北都銀行、官民連携でまちづくり、営業店起点に課題解決

2024年7月26日号4面 北都銀行、官民連携でまちづくり、営業店起点に課題解決

【仙台】北都銀行は、秋田県由利本荘市でのまちづくりプロジェクト参画に力を入れる。大手電子部品メーカーのTDKの社員寮建設を機に、医療施設や教育機関の誘致を計画したもので、同行は事務局として活躍。本荘支店が起点としたボトムアップ型支援で、地域開発コンサルティングのモデルケース創出を目指す。

【写真】プロジェクト実現に向けた建設の様子(北都銀行提供)

人事施策

2024年7月26日号16面 百十四銀行と伊予銀行、ウェルビーイング取り組む意義は?女性人事部長同士で対談

2024年7月26日号16面 百十四銀行と伊予銀行、ウェルビーイング取り組む意義は?女性人事部長同士で対談

  【高松】ウェルビーイング(WB=心身の健康と幸福)をキーワードに、魅力ある職場づくりを実践している百十四銀行と伊予銀行。取り組みの起点となる人事部を率いる百十四銀の谷山香織部長(49)と伊予銀の杉野里佳執行役員部長(52)が対談し、考え方や方向性などの意見を交わした。
 ■カギは「多様性」
 組織を挙げてWBに取り組む意義を問われた両者は「行員の活躍や成長を実現することで…

【写真】意見を交わす百十四銀の谷山人事部長(左)と伊予銀の杉野執行役員人事部長(7月11日、伊予銀本店)

2024年7月26日号3面 大手行、個人評価「脱・画一」へ、三井住友銀行・専門性も重視

2024年7月26日号3面 大手行、個人評価「脱・画一」へ、三井住友銀行・専門性も重視

 大手行で、行員の画一的な評価方法を見直す動きが広がっている。三井住友銀行は2026年1月をめどに導入する新人事制度で、業務領域ごとの「専門性発揮行動」を評価軸の一つに加える方向。みずほフィナンシャルグループ(FG)は24年度、社員をランク付けせず目標に対し上司が随時フィードバックを行う「ノーレーティング」を導入。社員とマネージャーが課題をともに考え、個人の成長を目指した対話を後押しする。三菱UFJ信託銀行は24年度、デジタルなど3領域で独自の評価基準を採用し、専門性を評価する。
 三井住友銀の現行の人事制度は、…

2024年7月26日号15面 特集 銀行員の平均給与、ベア実施で745万円 9行が30万円超の増額

2024年7月26日号15面 特集 銀行員の平均給与、ベア実施で745万円 9行が30万円超の増額

 銀行員の給与が増加の一途を辿(たど)っている。2024年3月期の平均年間給与(平均給与)は前年同期比2.7%(20万円)増の745万2千円に上った。物価高などを背景にしたベースアップ(ベア)に加え、初任給や賞与を引き上げたのが主因。2024年度も多くの銀行が賃上げに踏み切るため、2025年3月期も上昇ペースが継続しそうだ。本紙が大手行9行と地域銀行59行の有価証券報告書から集計した。
 68行のうち平均給与額が前年同期比で増加したのは約9割の59行だった。今回は2023年7月に実施したベア分が反映されたため…

 【写真】銀行員の平均給与は2023年3月期と比較し、2.7%増加した

2024年7月19日号8面 実像 急げ「カスハラ」対策、CS・ES向上の好循環へ

2024年7月19日号8面 実像 急げ「カスハラ」対策、CS・ES向上の好循環へ

 顧客からの暴言や不当な要求を指す「カスタマーハラスメント」。厚生労働省の直近の調査では、過去3年間で企業に相談のあった各ハラスメントの件数が頭打ちになる一方、カスハラのみで増加傾向がみられ、対策の遅れが浮き彫りになった。全業種で取り組みが急がれるなか、金融界でも機運は高まる。“顧客第一”や公共性が高い業界特性の弊害を指摘する声は根強いが、カスハラを防止して従業員満足(ES)を高めることは、顧客満足(CS)向上にもつながる。

 ■損害賠償責任のリスクも
 「支店長が死ぬしかないな」。ある金融機関に、特別金利が半年間適用される相続定期預金を預け入れた男性は金利優遇が期間限定であることを聞いていなかったと激高。大きな声や物音を出したり居座りを続けた後、先述の言葉を吐いた。
 日本労働組合総連合会の調査によると…

 【写真】全国銀行協会が会員行向けに作成したカスハラ防止を呼びかけるポスター

2024年7月19日号16面 金融界の2023年労基署調査、違反率6年ぶり改善、勤怠管理意識向上で44%

2024年7月19日号16面 金融界の2023年労基署調査、違反率6年ぶり改善、勤怠管理意識向上で44%

 金融界で、従業員の労務管理の適正化が進んでいる。2023年に全国の労働基準監督署から労働基準法や労働安全衛生法などに基づき法令違反を指摘された割合が44.8%と18年以来6年ぶりに減少に転じた。企業側の勤怠管理意識の向上や働き方改革による残業時間の削減などが要因とみられる。
 厚生労働省労働基準局がまとめた23年の監督業務実施状況によれば、金融業(銀行、証券・保険会社など)の事業場422先のうち違反先数は…

2024年7月12日号16面 金融界、60代処遇「現役」並みに、「シニア人材」生かす

2024年7月12日号16面 金融界、60代処遇「現役」並みに、「シニア人材」生かす

 金融界で、60代社員の処遇を「現役」並みに改善する動きが広がっている。明治安田生命保険は2027年度に内勤職の定年を65歳から70歳に延長する方向で労働組合との協議を始める。三井住友銀行はベテラン行員の一律減給を撤廃し、60歳以降でも支店長に就ける仕組みを導入する方向。スルガ銀行は24年度、一部行員を対象に70歳まで給与水準を維持する仕組みを導入した。年齢に捉われない給与制度を整備することで、経験豊富な人材に長く活躍してもらいたい考え。
 明治安田生命は本人の意思を尊重し…

2024年7月5日号17面 大分銀行、「カスハラ」対応整備、悪質行為は警察通報

2024年7月5日号17面 大分銀行、「カスハラ」対応整備、悪質行為は警察通報

 【福岡】大分銀行は、社会問題化しているカスタマーハラスメントに対し、内部規定で対応方針を整備。6月21日に運用を開始した。クレームや不当要求などから役職員の業務や就業環境を守る狙いで策定。悪質な行為は警察に通報する。
 カスハラに該当する行為として、14項目定めた。行員に対する顧客のカスハラ行為が見られた際…

2024年6月28日号15面 特集 【本紙調査】首都圏信金・広がる中途採用、前職の経験生かし活躍

2024年6月28日号15面 特集 【本紙調査】首都圏信金・広がる中途採用、前職の経験生かし活躍

 「地域に寄り添った仕事がしたかったので、今の仕事に転職しました」――。笑顔で語るのは、西武信用金庫武蔵境支店で渉外係を務める担当者。2023年4月に入庫し、第一線で活躍中だ。人材不足の今、信金でも中途採用で働く職員の存在感が増している。今回、首都圏信金の人事担当者へアンケートを実施して中途採用の現状や課題、取り組みを聞いた。

 ■8割以上が実施と回答
 中途採用は、首都圏の信金で一般的な人材確保のルートとなりつつある。28信金中24信金と8割以上が実施と回答。中途採用比率も…

 【写真】資料を作成する西武信金の担当者(6月14日、西武信金武蔵境支店)

法令制度政策

2024年7月26日号1面 金融庁、マネロン検査継続、基本的な態勢整備徹底へ

2024年7月26日号1面 金融庁、マネロン検査継続、基本的な態勢整備徹底へ

 金融庁は、地域金融機関のマネーロンダリング対策に関する基本的な態勢整備状況について、ターゲット検査などによる実態把握を継続する方針だ。金融機関には2024年3月末を期限に、マネロン対策のガイドラインに沿った態勢整備を完了することを求め、報告ベースの完了率は99%に高まった。ただ、基本的な態勢整備は次の段階である「有効性検証」の土台となることから、報告と実態に乖離(かいり)がないかなどを含め検証作業を続ける。一度検査した金融機関でも、懸念がある場合は改めて検査することを視野に入れる。検査の結果、著しい不備があった場合は、行政対応に踏み切る可能性もある。
 金融庁は、ガイドラインで対応を求めた事項に関して、…

2024年7月26日号2面 日銀、市場配慮の国債減額議論、相場観を2段階で発信

2024年7月26日号2面 日銀、市場配慮の国債減額議論、相場観を2段階で発信

 日本銀行は7月30、31日に開く金融政策決定会合で、月6兆円程度で講じる長期国債購入の減額計画を決める。「今後1~2年程度」の計画策定・公表時期をマーケットにあらかじめ伝えつつ、金融機関実務者の声を聴き取る場を設け、議論の相場観を2段階で発信。人為・強硬的な金利抑制策などで著しい機能低下をもたらした市場に対する日銀の配慮がにじむ。
 日銀は6月の会合で、異次元金融緩和の柱…

2024年7月5日号2面 金融庁、M&A促進で指針改正、PMI含む支援求める

2024年7月5日号2面 金融庁、M&A促進で指針改正、PMI含む支援求める

 金融庁は、M&A(合併・買収)支援を促すため、大手行や地域金融機関向けの監督指針を改正する。企業の買収前後の事業統合作業(PMI)支援のほか、専門人材確保を含めた業務運営体制の整備も求める。M&Aや事業承継において、金融機関が株主変更を把握した場合に、経営者保証に関して説明するよう明確化する。
 6月27日に公表した改正案は7月末まで一般から意見を募り、…

2024年7月5日号9面 やさしいニュース解説 「企業価値担保権」ってなに?

2024年7月5日号9面 やさしいニュース解説 「企業価値担保権」ってなに?

 融資慣行をガラッと変える!、無形資産含め総財産を評価
 事業性融資推進法が6月7日、通常国会で成立した。同14日の公布から2年半以内に施行される。「企業価値担保権」の創設が最大の目玉だ。この新しい担保の形が、不動産担保や経営者保証に依存した融資慣行に変革をもたらすかもしれない。果たしてどのような代物なのか、所管する官庁で取材を試みた。

 ■事業性融資は「道半ば」
 変革をもたらす「かもしれない」と歯切れが悪いのには訳がある。日本では全く新しい概念だけに、この担保権がどのように使われて…

2024年6月28日号1面 金融庁に警戒感、地域銀行のLBO融資拡大、リスク管理態勢などで差

2024年6月28日号1面 金融庁に警戒感、地域銀行のLBO融資拡大、リスク管理態勢などで差

  金融庁は、地域銀行で拡大するLBO(借入金を活用した買収)融資に対する警戒レベルを引き上げる。大手行や地域銀など100行以上にアンケートし、7割の地域銀が同融資に取り組んでいる一方、リスク管理や審査・期中管理態勢に差があることを把握した。同庁は現在、メガバンクや大手行、一部の地方銀行を対象にLBO融資に関する対話を実施しているが、調査結果を踏まえて対象拡大も検討する。
 アンケートでは、LBO融資の取扱残高や基本的な態勢整備の状況、取り組み方針などを調べた。調査の結果、LBO融資残高が急増している実態が判明した。
 同庁が警戒するのは…

2024年6月28日号2面 金融庁、人材仲介“100件”間近に、優良事例共有で普及促進

2024年6月28日号2面 金融庁、人材仲介“100件”間近に、優良事例共有で普及促進

  金融庁が地域経済活性化支援機構(REVIC)に構築した大企業人材の仲介プラットフォームの活用が、地域金融機関の間で急速に広まっている。マッチング件数(内定ベース)は累計93件(2024年6月24日時点)となり、“100件”の大台が視野に入る。大企業人材の累計登録者数も3千人規模と着実に増えている。同庁は5月に、地域銀行によるマッチング事例集を作成。地域金融機関への配布や優良事例の共有を通じて、さらなる普及・促進を図りたい考え。
 同機構が運営するプラットフォーム「REVICareer(レビキャリ)」は、21年10月に稼働を開始。金融機関が…

【写真】レビキャリを活用した経営人材マッチングの事例共有会で挨拶する伊藤監督局長(中央、6月24日、同庁)

2024年6月21日号10面 【実像】道半ばの「政策株」縮減、株価水準・取引先の応諾がカギ

2024年6月21日号10面 【実像】道半ばの「政策株」縮減、株価水準・取引先の応諾がカギ

 損害保険業界で発生した不祥事に伴い、政策保有株式に再び焦点が当たっている。銀行界では縮減に向けた動きが進展してきたものの、まだ道半ばだ。政策保有目的から純投資目的へ区分変更した銘柄の合理性の説明や、保有目的を記載した文面の具体化、持ち合い株式の売却交渉など、対応すべき難題は依然として多い。縮減に向けた課題を探った。

 ■試されるゼロへの道
 大手損保4社は、企業向け共同保険の保険料を調整したとして、金融庁から2023年12月に業務改善命令を受けた。問題が起きた原因の…

 【写真】政策保有株式の開示のあり方について説明する全国銀行協会の福留朗裕会長(6月13日、銀行会館)

2024年6月14日号2面 企業価値担保権を創設、新興企業の資金調達容易に

2024年6月14日号2面 企業価値担保権を創設、新興企業の資金調達容易に

 事業性融資推進法成立で
 無形資産を含めた事業全体を担保にする「企業価値担保権」の創設を盛り込んだ事業性融資推進法が、6月7日に通常国会で成立した。有形資産を持たない新興企業や、経営者保証が負担で事業承継をためらう事業者などが融資を受けやすくなる。担保権の設定には信託契約を活用し、新たな「信託業」の免許も創設する。
 事業性融資の専門的知見を持ち、事業者や金融機関に助言・指導する支援機関の認定制度も導入する。公布日から2年半以内に施行する。
 国内の融資実務では…

経営

2024年7月26日号6面 信金、アドバイザー取得が増加、中小脱炭素へ体制構築 

2024年7月26日号6面 信金、アドバイザー取得が増加、中小脱炭素へ体制構築 

信用金庫は、取引先の中小企業に対して脱炭素化を支援する体制の構築を進めている。浜松いわた信用金庫(浜松市)は、環境省が認定する「脱炭素アドバイザー」の資格を持つ職員が約400人に達した。脱炭素経営に特化した相談窓口を有する観音寺信用金庫(香川県)も、2024年度から次長級以上に同アドバイザーの取得を促している。そのほか、各信金が拠点を置く地域全体の脱炭素化に向け、地元の地方公共団体との連携体制を整備する動きも広がりつつある。

【写真】全信協と信金中金が開いたセミナーには浜松いわた・観音寺・福岡ひびき各信金担当者らが登壇し、全国143信金がオンラインで参加した(7月16日、信金中金本店)

2024年7月19日号3面 銀行など、外債運用に新リスク浮上、仏国債格下げで含み損拡大か

2024年7月19日号3面 銀行など、外債運用に新リスク浮上、仏国債格下げで含み損拡大か

 銀行などの預金を取り扱う金融機関で、フランス国債が有価証券運用における新たなリスクとなりそうだ。5月末に大手格付け会社が仏国債の格付けを引き下げ、政治情勢の先行き不透明感から一段の格下げリスクが浮上しているため。財務省によると、3月末時点で日本の預金取扱金融機関が保有している仏国債など中長期債のエクスポージャーは約8兆8千億円。再び格下げとなれば評価損が膨らむ可能性がある。
 財務省が7月8日に発表した…

2024年7月19日号4面 地銀、内部監査 高度化急ぐ、体制整備の進捗に差

2024年7月19日号4面 地銀、内部監査 高度化急ぐ、体制整備の進捗に差

地方銀行は、内部監査を高度化するため、体制整備を急ぐ。経営陣が積極的に関与して監査体制を見直す動きがある一方で、不正や不祥事の防止など従来型の監査から脱却できないケースもあるようだ。ある内部監査の専門家は「銀行の規模ではなく、経営陣が持つ意識の差」とみる。ただ、監査に対する行内の認識や人材育成など、短期的には解決できない課題も横たわる。

2024年7月19日号7面 結城信金と奄美大島信金、取引先同行で「成長」促す、渉外が互いの地元訪問

2024年7月19日号7面 結城信金と奄美大島信金、取引先同行で「成長」促す、渉外が互いの地元訪問

結城信用金庫(茨城県、石塚清博理事長)と奄美大島信用金庫(鹿児島県、伊東寛久理事長)は、業務提携に基づいた職員の相互訪問を推進している。互いの取引先への同行訪問で、渉外担当者らの成長を促し、連携・協調関係を地元の活性化に生かす。

【写真】「AJ GROUP HD」の浅島社長(右)と面談する結城信金の宮部さん(左手前)と奄美大島信金の塩崎次長代理(7月9日、茨城県常総市)

2024年7月12日号6面 城南信金、新規事業立ち上げへ、職員からアイデア募る

2024年7月12日号6面 城南信金、新規事業立ち上げへ、職員からアイデア募る

 城南信用金庫(東京都、林稔理事長)は7月19日から、ビジネスアイデア事業化プロジェクトを開始する。同金庫の新規事業立ち上げに向けて、年齢や部署に関係なく、個人やチーム単位で職員からアイデアを募集。定期的な外部専門家とのワークショップや本部職員の支援も受けながら、1、2年後の事業化を目指す。

2024年7月12日号11面 大手損保G、地域銀行株の削減 相次ぐ、2024年度もさらに加速

2024年7月12日号11面 大手損保G、地域銀行株の削減 相次ぐ、2024年度もさらに加速

 大手損害保険会社グループ(G)は、地域銀行・グループの政策保有株式の削減を進めている。大手損保Gの有価証券報告書に記載された「株式の保有状況」の政策保有目的で保有する地域銀株(2024年3月末)をニッキンが集計し、前年度(23年3月末)と比較した。
 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)は、…

2024年7月12日号10面 改革の旗手 丸山弘毅・フィンテック協会初代会長

2024年7月12日号10面 改革の旗手 丸山弘毅・フィンテック協会初代会長

 オープン金融“逆算”で実現
 フィンテック協会の初代会長としてオープン金融の普及に力を尽くしてきた。かつて、金融界から「ディスラプター(破壊者)」と警戒されたフィンテック企業も、アプリ決済などでパートナーの関係に深化している。だが、そこへたどり着くまでは苦労の連続だった。推進力のベースにあるのは、「あるべき未来」への逆算思考と常にオープンな姿勢だ。

 ■新市場切り開く決意
 「50年後、デジタルでお金が動く世界が全産業のインフラになる」。1999年、就職活動で会社選びをしていた時に抱いた直感だ。当時はインターネット黎明(れいめい)期。小売りや流通に商流の変化が訪れるなか…

 【写真】丸山弘毅・フィンテック協会初代会長

2024年7月12日号15面 特集 金融界の2024年株主総会、企業価値巡り活発に対話

2024年7月12日号15面 特集 金融界の2024年株主総会、企業価値巡り活発に対話

 株主提案・9社に
 金融界(銀行・証券・保険)の2024年3月期の定時株主総会が6月14~27日に開催された。企業価値向上を求めるアクティビストなどからの株主提案は9社で計47議案に上り、来場した株主からも株価純資産倍率(PBR)向上策や日本銀行の金融政策変更への対応など幅広い質問が寄せられた。企業価値を巡る「株主との重要な対話の場」として総会の位置づけが、より鮮明になっている。

 ■提案はすべて否決
 株主提案を受けた9社のうち、議案数で最多はスルガ銀行の20件。「不動産融資に係る全件調査の再実施」などを求める株主提案は…

 【写真】傘下の銀行と2証券が業務改善命令を受けた三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会。切り込みは「信頼回復に向け再発防止に取り組む」と話す亀澤宏規社長(6月27日、東京都内)

手数料

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

 指定金融機関を務める地方銀行などは、地方公共団体と公金業務に関する手数料交渉を継続している。10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費については、総務省が地公体の費用負担分(1件当たり62円)に対し、地方交付税の措置を講じることを決めており、指定金の事務コストの上乗せ額が争点だ。いったん合意したという地銀の関係者は「当初の提示金額と隔たりがあり、交渉を続ける」として長期戦も覚悟する。
 内為運営費は、振り込みを受け付けた仕向け銀行(指定金)から…

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

 【名古屋】百五銀行は、三重県内の地方自治体全30先で「公金手数料」の有料化が実現するめどが立った。公金の窓口収納や振込に関して自治体からの手数料を有料化する方向で地域銀行が交渉しているが、県内の全自治体が同じ手数料で一挙にまとまる好事例と言えそうだ。
 提案先は三重県と29市町。このうち指定金融機関は18先。振込1件当たりの手数料は、…

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

 総務省は、公金振り込みへの内国為替制度運営費の適用によって増える地方公共団体の負担を、地方交付税で軽減する。2024年度から、負担増加分に相当する金額を上乗せして交付する方針を固めた。地公体は指定金融機関に支払う手数料の財源を確保しやすくなり、負担を求める金融機関にとっても追い風になりそうだ。
 1月末までに、自治財政局財政課が負担分を地方交付税に上乗せする方針を各地公体に通知した。交付税は自治行政に求められる経費と不足分を…

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

 指定金融機関を務める地域銀行が、手数料引き上げ交渉で地方公共団体と相次ぎ合意している。関係者によると、十数行の地方銀行が公金振り込みに関する経費負担の見直しで、200近くの地公体から承諾を得たという。全国の地公体数は1700超。2024年10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費(内為運営費)をめぐり、全国的に交渉が大詰めを迎えている。
 内為運営費は、仕向け銀行から被仕向け銀行に対して支払われる費用で、1件当たり62円。民間取引には21年10月から適用済みだが…

2023年11月24日号1面 地銀、税・公金収納で交渉増、コンビニから値上げ要請

2023年11月24日号1面 地銀、税・公金収納で交渉増、コンビニから値上げ要請

 地方銀行が、大手コンビニエンスストアから税・公金に関する収納手数料の引き上げ要請を受けていることがわかった。複数の関係者によると、各地銀を通じて地方公共団体向けにコンビニ収納サービスを提供する地銀ネットワークサービス(CNS)に対して、コンビニ側から手数料引き上げの意向が示されたという。CNSスキームではコンビニへの手数料は、回収業務を委託した地公体が最終的に負担する。料金を改定する場合、指定金融機関の各地銀が窓口となって、地公体の承諾を得る必要がある。
 CNSのコンビニ収納は、利用者がバーコードの印字された住民税や固定資産税などの払込取扱票をレジに持ち込み、納税する仕組み。受け付けは…

2023年11月24日号4面 名古屋銀行、人材紹介手数料が過去最高に、複合提案通じ課題解決へ

2023年11月24日号4面 名古屋銀行、人材紹介手数料が過去最高に、複合提案通じ課題解決へ

 【名古屋】名古屋銀行は、2023年度の人材紹介業務関連の獲得手数料が過去最高になる見込みだ。副業などを除く紹介案件は右肩上がりで増え、上期実績は64件。先導的人材マッチングの採択数が全国トップクラスのほか、プロ人材シェアリングなども好調に推移している。
 本業支援に力を注ぐなか、ソリューション提案の一つに位置付ける。事業性評価を基点に人材に関する課題を掘り下げ、…

2023年11月17日号3面 ネット証券、手数料無料化1カ月、新規口座開設伸びる

2023年11月17日号3面 ネット証券、手数料無料化1カ月、新規口座開設伸びる

 SBI・過去最高24万件、楽天・一日平均35%増
 SBI証券が先陣を切って踏み切った国内株式売買手数料の無料化。楽天証券が追随しており、両社が開始してから11月1日で1カ月が経った。2社は新規口座数を伸ばす一方、足元、収益面では明暗が分かれ始めた。
 8月末に無料化方針を公表したSBI証券は、9月の新規口座開設数は24万件を超え、月間で過去最高になった。楽天証券も…

2023年8月25日号1面 地域銀行、「内為運営費」負担、地公体との交渉・進捗に差

2023年8月25日号1面 地域銀行、「内為運営費」負担、地公体との交渉・進捗に差

 2024年10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費をめぐる指定金融機関と地方公共団体の交渉は、進捗(しんちょく)に差が生じている。地公体が内為運営費を支払うことで合意したケースが出始めた一方、交渉が難航する先も少なくない。多くの地公体が9~12月に24年度予算の編成方針を固めるため、「交渉はクライマックスを迎えつつある」(地方銀行関係者)。
 内為運営費は、仕向け銀行から被仕向け銀行に支払われる費用。為替取引1件当たり62円で…

ネット・システム

2024年7月12日号1面 サイバー対策、委託先リスク顕在化、イセトーで流出7.8万件

2024年7月12日号1面 サイバー対策、委託先リスク顕在化、イセトーで流出7.8万件

 金融界のサイバー攻撃対策で、サードパーティー(第三者)リスク対応の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになっている。5月に金融機関などから業務を受託するイセトー社(京都市)でランサムウェア(身代金ウイルス)感染が発生。7月8日までに業務を委託・再委託していた34金融機関(ニッキン調べ)の情報流出が明らかになった。外部サービスとの連携も一般化するなか、接続先のセキュリティーレベルを把握し向上を促す必要性に迫られている。
 イセトー社ははがき帳票作成や継続的顧客管理の確認書送付などでBPO(外部委託)を…

2024年6月28日5面 山口FG、地域と他行にDX支援、800社・2銀行の実績

2024年6月28日5面 山口FG、地域と他行にDX支援、800社・2銀行の実績

【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)およびDXコンサルティング子会社のデータ・キュービック(DQ)は、地域と銀行に対しデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を展開している。これまで800社超をサポート、地域銀行2行の開発に協力した。多賀本悠介・DQ社長は「山口FGで磨き上げたシステムや体制を、地域や自社グループ以外に提供することを軸にした」と語った。

【写真】山口県内の商工会議所で事業者向けセミナーを開催するなどDXを呼びかけてきた(下関商議所、DQ社提供)


2024年6月14日号5面 中国銀行、ペーパーレス軸に営業改革 後続事務を見直し

2024年6月14日号5面 中国銀行、ペーパーレス軸に営業改革 後続事務を見直し

 アプリ受け付け自動化へ
 【広島】中国銀行が2年前に導入した「TSUBASA汎用(はんよう)ペーパーレスシステム」が効率化と営業改革の両面で効果を発揮している。店頭タブレットに入力した情報を勘定系システムに反映させる後続事務をペーパーレス化。アプリなど非対面で受け付けた業務も2024年度中に順次対応する。事務処理の自動化と集中化が進み、次世代店舗の検討も本格化している。
 システムはTSUBASAアライアンスで連携する千葉銀行、日本IBMと共同開発した。タブレットで受け付けた業務データを…

2024年6月7日号5面 山梨中央銀行、自前システム商品化、ベンダーとの協業検討

2024年6月7日号5面 山梨中央銀行、自前システム商品化、ベンダーとの協業検討

  山梨中央銀行は、自行開発した個人ローン進捗(しんちょく)管理システムの商品化を目指し、日本電子計算(JIP)と協業ビジネスの検討を開始した。JIPが提供する個人融資管理システムと連携したサービスを開発し、金融機関における個人ローン業務全体の効率化と最適化を図る。
 2021年から稼働している個人ローン進捗管理システムを更新し…

2024年5月17日号8面 特集 静岡銀行、デジタルCIO実現へ、KPMGと実証実験

2024年5月17日号8面 特集 静岡銀行、デジタルCIO実現へ、KPMGと実証実験

 【静岡】最高情報責任者(CIO)をデジタルに置き換えることは出来ないか。静岡銀行が生成人工知能(AI)を活用した実証実験を展開中だ。インターネットの一般データに同行固有のシステム情報を掛け合わせて、最適なシステム導入と配置を瞬時に導き出す「デジタルCIO」実現へ、KPMGコンサルティングの支援を受けながら試行している。企画業務を生成AIが行う“擬人化”への取り組みは国内銀行では初の試み。
 企画したのは執行役員の鈴木統也CIO。背景には、業務の品質向上や効率化を目指してデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速するなか…

2024年5月10日号10面 やさしいニュース解説 何の役に立つ?地方税統一QRコード

2024年5月10日号10面 やさしいニュース解説 何の役に立つ?地方税統一QRコード

 広がるか非対面納税、金融機関と地公体の事務改善
 QRコードを活用して地方税を納付する全国統一の取り組みが始まってから、4月で1年が経過しました。固定資産税や自動車税種別割などの納付書に印刷されたQRコードを読み取ると、地方税ポータルシステム「eLTAX」(エルタックス)を通じて電子納付ができる仕組みです。納税者が金融機関の有人窓口で納付する場合と比べ、金融機関と地方公共団体の双方の事務作業が大幅に軽減されます。国はこのような電子化を一段と進めて、事務コストの削減と納税者の利便性を高める方針を打ち出しています。

 ■繁忙期の順番待ち解消へ
 2023年4月、地方税統一QRコード(eL‐QR)を活用した納付方法が全国で導入されました。対応済みの地公体は…

2024年4月26日号4面 みずほG、顧客情報のAI分析着手、営業提案や地域銀行へ外販も

2024年4月26日号4面 みずほG、顧客情報のAI分析着手、営業提案や地域銀行へ外販も

 みずほ銀行グループ(G)は、法人顧客の情報を生成AI(人工知能)で分析し、営業活動に生かす取り組みに着手した。顧客同士の経営課題をAIが結び付けることで、思いもよらないビジネスマッチングやM&A(合併・買収)の提案につながる可能性がある。
 2023年12月からみずほ銀の営業統括者へ試験的に導入を開始。結果を踏まえ…

2024年4月19日号1面 金融庁、「ウェブ3」へ規制見直し、与党から難度高い要請

2024年4月19日号1面 金融庁、「ウェブ3」へ規制見直し、与党から難度高い要請

 金融庁は、ブロックチェーン技術などを活用する「ウェブ3」分野の発展に向け規制の見直しに動く。与党から、銀行がステーブルコイン(法定通貨のように価格が安定した電子決済手段)を発行しやすい環境の整備や、円建てステーブルコインの裏付け資産に国債を加える案の検討などを求められていることに対応する。信託スキームを使って発行されたデジタル証券を少額投資非課税制度(NISA)の対象にする案もある。
 自民党デジタル社会推進本部のweb3プロジェクトチーム(PT)が…

預金

2024年6月14日号1面 協同組織金融機関、預金減少時代が現実味、信金・5月末に21年ぶり減

2024年6月14日号1面 協同組織金融機関、預金減少時代が現実味、信金・5月末に21年ぶり減

 協同組織金融機関で預金減少時代が現実味を帯びてきた。信用金庫業界の5月末の預金は前年同月比0.1%減となり、21年ぶりに減少に転じた。人口減少による地域経済の縮小のほか、預金構成比が高い定期性預金の需要低迷などが要因とみられる。信用組合や農業協同組合(JA)、労働金庫でも減少や伸び悩みの傾向がみられ、顧客基盤が限定される協同組織金融機関は大きな転換期を迎えている。
 信金の5月末の預金量は162兆1188億円。全国11の地区別にみると7地区で減少。個別では全254信金の…

2024年5月17日号8面 特集 【検証】預金金利引き上げの裏側、改定作業に混乱も

2024年5月17日号8面 特集 【検証】預金金利引き上げの裏側、改定作業に混乱も

 “追随率”が収益回復のカギ
 日本銀行のマイナス金利解除に伴って、民間金融機関の預金金利が再び動き始めた。3月21日に先陣を切って三菱UFJ銀行が17年ぶりとなる普通預金金利の引き上げに動いてから1カ月半が過ぎた。これまでに、地方銀行・第二地方銀行の全99行のうち東京スター銀行を除く98行が追随した。各金融機関が引き上げを検討する過程では他の金融機関の動きをにらみながら、発表や実施のタイミングを巡って、さまざまな駆け引きがあった。その裏側を検証し、今後の課題を探った。

 ■他行の動向見極め公表
 日銀がマイナス金利解除を公表した3月19日の夕方。三菱UFJ銀は年0.001%だった普通預金金利を…

2024年5月10日号6面 特集 信金・信組、押し寄せる預金減少の波、人口減少・割れる戦略

2024年5月10日号6面 特集 信金・信組、押し寄せる預金減少の波、人口減少・割れる戦略

 信用金庫や信用組合に、預金減少の波が押し寄せている。信金業界の前年同月比の預金残高は全体として微増しているものの、個別では2024年2月末に全254信金のうち半分で減少した。信組業界も全体としては増加しているが、「特に地域信組では預金減少に対する問題意識は信金以上」(全国信用協同組合連合会幹部)という。全国で少子高齢化が加速するなか、法的な制約によって顧客基盤が限定される信金・信組は経営戦略の見直しを迫られている。

 ■定期性減少が足かせに
 「定期性預金が、予想していなかった勢いで減っている」。東海地区の信金理事長は…

2024年4月12日号6面 信金、メインの預金口座増加へ、年金獲得や職域営業に熱

2024年4月12日号6面 信金、メインの預金口座増加へ、年金獲得や職域営業に熱

 信用金庫で、メインの預金口座を増やすための取り組みが加速している。年金受給口座獲得の強化や、取引企業への職域営業を活発化して若年層との接点を確保する動きなどがある。高齢層の顧客の先細りに対する危機感に加え、金利が復活するなかで長期的な取引につながる個人メイン先を獲得する必要性が増していることが背景にある。
 東京都内では近年、年金口座の新規獲得件数が減少傾向の信金があるという。そのため…

2024年1月19日号2面 信金中金、預金照会業務を共同化、参画は年度内100信金へ

2024年1月19日号2面 信金中金、預金照会業務を共同化、参画は年度内100信金へ

 信金中央金庫が構築した預金等調査・回答業務の共同化スキームへの参画が、2023年度内に100信金を超える見込みだ。デジタル化した同業務を信金中金が集中して担う仕組み。個別信金にとっては、事務部門などの負担を大幅に削減できるうえ、個人情報の誤送付防止にもつながる。第一弾として1月15日に67信金で取り組みを開始し、2月と3月に計約40の信金が新たに参加を予定する。
 地方公共団体や税務署などが税金滞納者、生活保護受給者らの預金残高や取引履歴を確認する預金照会の照会件数は、…

2024年1月12日号1面 解氷(中)「利ざや拡大」は難路、止まらぬ肩代わり競争

2024年1月12日号1面 解氷(中)「利ざや拡大」は難路、止まらぬ肩代わり競争

 金融機関が期待するマイナス金利解除と、その先の継続的な政策金利の引き上げ。だが、実現しても思った通りに収益力が高まる保証はない。規模が強みになる環境では預貸金双方で獲得競争に拍車がかかり、想定ほど利ざやが拡大しない可能性もある。
 ■問われる粘着性
 「手数料を稼げない投資信託を積み上げるよりも、定期預金の方がありがたい」――。大手地方銀行幹部が本音を明かす。新NISA開始を受けた資産形成の機運上昇とは裏腹に…

【写真】中小企業の多くが金利負担拡大を受け入れられる状態にない(23年12月、都内製造業)

2023年12月22日号6面 信金の11月末預金残高、増減率は前年同月比ゼロ%

2023年12月22日号6面 信金の11月末預金残高、増減率は前年同月比ゼロ%

 年末に“減少”可能性も
全国254信用金庫の預金残高が、2023年末にも前年同月比でマイナスに転じる可能性が出てきた。信金中央金庫の地域・中小企業研究所によると、11月末残高は162兆2847億円となり、前年同月比の増減率がゼロ%に低下した。足元では実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済による法人預金減少の影響は限定的となっており、個人の定期性預金減少が主な要因とみられる。
 個別信金の11月末預金残高をみると、254信金のうち約半数の126信金が前年同月比で減少。22年11月末時点では、…

2023年11月10日号1面 三菱UFJ銀行など先行、動き出す定期預金金利

2023年11月10日号1面 三菱UFJ銀行など先行、動き出す定期預金金利

 金額・期間を問わず0.002%が定着していた定期預金金利が動き始めた。三菱UFJ銀行が11月6日から10年ものを現行の100倍となる0.20%に引き上げ、三井住友信託銀行も同日から7年ものを50倍の0.10%に変更。これを受け、三井住友銀行が本格調整に入ったほか、一部の地方銀行も既に検討を始めている。「競合金融機関には追随せざるをえない」(信用金庫)との声も聞かれ…

【写真】新しい定期預金金利の一覧が掲示された三井住友信託銀本店(11月6日)

融資

2024年6月28日号1面 金融庁に警戒感、地域銀行のLBO融資拡大、リスク管理態勢などで差

2024年6月28日号1面 金融庁に警戒感、地域銀行のLBO融資拡大、リスク管理態勢などで差

  金融庁は、地域銀行で拡大するLBO(借入金を活用した買収)融資に対する警戒レベルを引き上げる。大手行や地域銀など100行以上にアンケートし、7割の地域銀が同融資に取り組んでいる一方、リスク管理や審査・期中管理態勢に差があることを把握した。同庁は現在、メガバンクや大手行、一部の地方銀行を対象にLBO融資に関する対話を実施しているが、調査結果を踏まえて対象拡大も検討する。
 アンケートでは、LBO融資の取扱残高や基本的な態勢整備の状況、取り組み方針などを調べた。調査の結果、LBO融資残高が急増している実態が判明した。
 同庁が警戒するのは…

2024年6月28日号7面 福島県商工信組、「臨店審査」が成果、融資稟議プロセスを円滑化

2024年6月28日号7面 福島県商工信組、「臨店審査」が成果、融資稟議プロセスを円滑化

【仙台】福島県商工信用組合(福島県、須佐真子理事長)で、審査部の役職員が営業店を訪問して融資案件の方向性を定める「臨店審査」が成果を上げている。稟議(りんぎ)書を作成する前の段階で、営業店と審査部が資金使途や課題などを調整。稟議の精度を高めることで、審査スピードや承諾率が向上し、円滑な融資実行につなげている。

【写真】臨店審査で融資案件を共有する職員ら(福島県商工信組提供)

2024年6月21日号1面 地銀、住宅ローン戦略を転換、「量」から「質」へ

2024年6月21日号1面 地銀、住宅ローン戦略を転換、「量」から「質」へ

 地方銀行で、住宅ローン戦略を「量」から「質」へ転換する動きが出てきた。一部地銀は獲得目標を引き下げる一方、営業活動を効率化して行員1人当たり獲得額の増加を目指す。背景には住宅着工件数の減少のほか、金利競争による利回り低下がある。専門家は「金利環境に改善の兆しがあるなか、収益をより見込める分野に注力するのも選択肢」と分析する。
 百五銀行は、2024年度の住宅ローン獲得金額を当初計画の4千億円から3千億円に下方修正した。「(主要営業エリアの)三重県や愛知県の住宅着工件数が減少傾向にあることや…

2024年6月14日号6面 信金、貸出強化へエリア拡大、法人向け増やし収益確保

2024年6月14日号6面 信金、貸出強化へエリア拡大、法人向け増やし収益確保

 信用金庫で、法人向け融資の増加に向けて、店舗空白地に営業エリアを拡大する動きが広がっている。地元経済の縮小が進むなか、近隣の都市部や事業者が集まる地域に新拠点を設けて、収益力の向上につなげている。実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済が進み、貸出金残高が伸び悩むなか、ボリューム拡大策の一つとして取り組みが活発化する可能性がある。
 個人客の獲得を想定しない法人特化型の支店や事務所は、2階以上のテナントに入居する「空中店舗」として出店するケースが多い。金利競争ではなく…

2024年6月7日号1面 地域金融機関、格付け簡素化の弊害危惧、目利き力低下・不動産融資増

2024年6月7日号1面 地域金融機関、格付け簡素化の弊害危惧、目利き力低下・不動産融資増

  地域金融機関で、信用格付けの簡素化による弊害が危惧されている。現場のマンパワー不足もあり、時間や手間のかかる事業性評価ではなく、財務数値をもとに与信判断するケースが増えており、「行職員の目利き力低下を招いている」(東海地区地域銀行関係者)という。実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済が進み、貸出残高の底上げが課題となるなか、一部の金融機関では債権を保全しやすい不動産担保融資に偏重する動きもみられる。
 ある大手地方銀行では、戦略的な融資提案をできる人材を十分に確保できず…

2024年5月17日号1面 銀行界、超低利融資が減少の兆し 企業、長期・固定を選好

2024年5月17日号1面 銀行界、超低利融資が減少の兆し 企業、長期・固定を選好

 拡大を続けていた大手行や地域銀行の超低利融資が頭を打ちそうだ。国内銀行の利率0.5%未満の貸出残高は、2月末で207兆円となり、前年同月比0.1%減少した。新型コロナ禍の関連融資増による反動減を除くと、15年ぶりの前年割れとなる。金利上昇を見据えた企業の「長期・固定金利」選好の強まりや、信用リスクに見合った貸出スプレッドの確保など、借り手・貸し手双方の行動変容が背景にある。
 10年を超える異次元金融緩和は、融資ボリュームの拡大と超低金利シフトを加速させた。日本銀行の統計によると…

2024年3月29日号7面 都内信金、コロナ融資先の事業継続、5支援機関と連携広がる

2024年3月29日号7面 都内信金、コロナ融資先の事業継続、5支援機関と連携広がる

 東京都内の信用金庫で、5支援機関と連携して実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済が困難になっている取引先などを支援する「東京チーム支援サポートプラン会議」の活用が広がっている。足立成和信用金庫で初開催した1月以降も活用は進み、3月18日は4信金目となる小松川信用金庫で開いた。2024年度以降はオンラインも取り入れながら、月1~2回ペースの実施を目指すほか、要望に応じて都内信用組合への展開も視野に入れる。
 同会議では、各信金支店長らが事前に提出したシートに基づき、…

【写真】「東京チーム支援サポートプラン会議」では、5支援機関の知見を活用して返済が困難になっているコロナ融資先などを支援する(3月18日、小松川信用金庫平井支店)

2024年3月22日号15面 特集 九州・沖縄地区信保協、創業支援を積極化、関係機関と連携強める

2024年3月22日号15面 特集 九州・沖縄地区信保協、創業支援を積極化、関係機関と連携強める

 【福岡・鹿児島・那覇】地域の中小企業に影響を与えた新型コロナウイルスが落ち着きを見せている。観光地や市街地には国内外から多くの観光客が訪れるなど、経済は回復傾向。新たに創業する事業者の増加により、地域活性化への期待も高まる。そこで金融機関などと連携し、創業者を支援する九州・沖縄地区8信用保証協会の取り組みをみた。

 ■熊本県信保協、事業安定までフォロー
 熊本県信用保証協会(村田信一会長)は、「起業・創業ワンストップサービス」を20年4月に開始した。具体的な計画を有しない方から創業後の方まで幅広いニーズに対して…

 【写真】定期的に開催している創業者向けセミナーについて議論する熊本県信保協の職員(2月20日)

投信保険

2024年7月12日号2面 金融業界3団体、顧客の「最善利益」追求、投信製販で情報連携

2024年7月12日号2面 金融業界3団体、顧客の「最善利益」追求、投信製販で情報連携

 投資信託協会、全国銀行協会、日本証券業協会の3団体は、販売データなどのフィードバックを投資信託の組成・商品改善に生かすために、資産運用会社と販売会社の情報連携のあり方について検討する。製販全体で顧客の最善利益を追求する「プロダクトガバナンス」の実効性確保の一環。
 3団体は会議体を設置し、早ければ7月にも着手する…

2024年7月5日号1面 大手行G運用会社、「不芳ファンド」開示、改善策示し信頼確保へ

2024年7月5日号1面 大手行G運用会社、「不芳ファンド」開示、改善策示し信頼確保へ

 大手行グループ(G)傘下の資産運用会社で、自社が運用するファンドの社内評価の開示が進み出した。3月に始めた三菱UFJアセットマネジメント(AM)は、不芳(ふほう)ファンドの原因分析と改善策を公表している。りそなAMは、運用開始から5年以上経過するファンドを対象にレポートを公表する予定だ。三井住友DSAMも2024年度内に対外発信を検討している。
 金融商品組成時における適正性の検証や運用品質の…

2024年6月21日号15面 特集 2023年度下期生保窓販実績、一時払い終身21万件高水準を維持

2024年6月21日号15面 特集 2023年度下期生保窓販実績、一時払い終身21万件高水準を維持

 地域金融機関の2023年度下期「生命保険窓販実績」(回答ベース)がまとまった。地方銀行62行、第二地方銀行37行、2024年1月末で預金残高5千億円以上および販売実績がある85信用金庫を対象にニッキンが調査した。

 ■終身保険、2業態で件数増
 一時払い終身保険の販売件数(3業態合計)は、2023年度上期比7%増の21万1757件。地銀は同9%増の14万5500件、第二地銀は…

2024年6月7日号6面 信金の新NISA、46万口座超、トップは京都中央信金

2024年6月7日号6面 信金の新NISA、46万口座超、トップは京都中央信金

  信用金庫業界の2024年3月末の新しい少額投資非課税制度(NISA)の口座数がまとまった。本紙独自調査によると、業界全体の新NISA口座数は46万口座を突破。トップは京都中央信用金庫(京都市)の3万3702口座だった。新NISA開始を機に一部信金の推進体制に変化が生じるなか、23年12月末比の増減数では朝日信用金庫(東京都)が2881口座増加し最も多かった。
 調査対象は投資信託の窓口販売を行う全金融機関で、四半期ごとに実施。24年3月末調査では、140を超える信金から回答を得た。新NISA口座数は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合計。(詳細は『ニッキン投信情報』6月10日号)
 埼玉県信用金庫(埼玉県)は、24年度から店舗や個人の業績評価に…

2024年5月31日号15面 三菱UFJアセットマネジメント、「eMAXIS Slim」10兆円

2024年5月31日号15面 三菱UFJアセットマネジメント、「eMAXIS Slim」10兆円

 平均保有は5.2年
 三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim」シリーズが5月15日に純資産総額10兆円を突破した。14ファンドを取りそろえ、ノーロード型インデックス投資信託として他を圧倒する。同シリーズの平均保有年限は4月末で5.2年(過去6カ月平均)。これは上場投資信託(ETF)と公社債を除く業界平均(全公募投信)の3.9年を大幅に上回る。
 Slimシリーズは2017年2月に4ファンドで開始。設定当初から信託報酬を含む“業界最低水準の運用コスト”を標榜し…

 【写真】「資産運用業の発展にはインデックス投信の成熟化が欠かせない」と話す代田秀雄常務

2024年5月17日号3面 地銀協、「協会団信」へ移行促す、2023年度は4行で1兆円

2024年5月17日号3面 地銀協、「協会団信」へ移行促す、2023年度は4行で1兆円

 全国地方銀行協会は会員行に対し、住宅ローンの団体信用生命保険を同協会の商品へ移行するよう促している。共同事業として規模の拡大を図り、スケールメリットで会員行の団信保険料負担を減らすのが目的だ。2023年度は商品性や販売サポート体制が評価され、地銀4行が外資系生命保険会社などから契約を移行した。その4行の保険金残高は1兆500億円に上る。他にも関心を示している会員行があり、24年度も同程度の行数の移行を見込んでいる。
 地銀協の団信制度は1991年に開始され…

2024年3月22日号11面 大手生保、「ペアローン団信」相次ぐ、住宅ローン差別化へ

2024年3月22日号11面 大手生保、「ペアローン団信」相次ぐ、住宅ローン差別化へ

 大手生命保険会社は7月以降、夫婦で住宅ローンを借りる「ペアローン」向けの連生団体信用生命保険の取り扱いを順次始める。ペアローンは、都市部の住宅価格上昇や共働き世帯の増加などから、若年層を中心に利用が増えている。
 生保にとっては、金融機関との関係強化のほか、安定的な収益が獲得できる利点がある。一方、金融機関にとっては、…

2024年3月1日号1面 金融庁、外貨保険の是正促す、多い短期解約・高い手数料

2024年3月1日号1面 金融庁、外貨保険の是正促す、多い短期解約・高い手数料

 金融庁は、短期解約が多い外貨建て一時払い保険の営業是正を金融機関に求める。主要な生命保険8社のデータから、6割以上の契約が4年以内に解約や運用終了に至っている実態を確認した。保障や長期の資産運用を強調する商品性との乖離(かいり)を問題視し、資産評価額が目標値に到達する前のフォローを促す。生保・販売会社・顧客の間で発生する手数料も必要以上に高い商品があると見て、3月中に公表するレポートで警鐘を鳴らす。
 生保各社に調査し、2月までに契約・運用期間の分布を把握した。同庁の分析によると…

資産管理

2024年7月12日号4面  三菱UFJ信託銀行、超富裕層向け事業強化、面談は年間300人超

2024年7月12日号4面 三菱UFJ信託銀行、超富裕層向け事業強化、面談は年間300人超

 三菱UFJ信託銀行は、株式などの資産価値上昇に伴って成長が見込まれる超富裕層向けビジネスを強化している。本店営業部のウェルスマネジメント営業室(酒井健太郎室長=行員8人)が全国の営業店と連携しながら、多様な信託機能を使ってワンストップで課題の解決策を提案。年間の面談者数は300人を超える。

【写真】協議する中田トラストウェルスマネージャー(左)と酒井室長(右)

2024年6月7日号6面 信金の新NISA、46万口座超、トップは京都中央信金

2024年6月7日号6面 信金の新NISA、46万口座超、トップは京都中央信金

  信用金庫業界の2024年3月末の新しい少額投資非課税制度(NISA)の口座数がまとまった。本紙独自調査によると、業界全体の新NISA口座数は46万口座を突破。トップは京都中央信用金庫(京都市)の3万3702口座だった。新NISA開始を機に一部信金の推進体制に変化が生じるなか、23年12月末比の増減数では朝日信用金庫(東京都)が2881口座増加し最も多かった。
 調査対象は投資信託の窓口販売を行う全金融機関で、四半期ごとに実施。24年3月末調査では、140を超える信金から回答を得た。新NISA口座数は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合計。(詳細は『ニッキン投信情報』6月10日号)
 埼玉県信用金庫(埼玉県)は、24年度から店舗や個人の業績評価に…

2024年5月31日号8面 特集 【独自調査】地域銀行・新NISA口座数(2024年3月末)

2024年5月31日号8面 特集 【独自調査】地域銀行・新NISA口座数(2024年3月末)

 福岡銀行が地銀トップ、第二地銀は北洋銀行
 2024年1月に始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)は、「貯蓄から投資へ」という流れをつくる契機となったようだ。日本証券業協会によると、証券会社10社(大手5社、インターネット専業5社)の2024年1~3月期の新規口座開設数は、前年同期比3倍の約170万口座となった。地域銀行も利用者獲得に向けた活動を展開しており、本紙の独自調査で2024年3月末の新NISA口座数が判明した。業態別のトップは地方銀行が福岡銀行、第二地方銀行が北洋銀行だった。
 本紙調査は、対象を投資信託の窓口販売をする全金融機関とし、四半期ごとに実施。2024年3月末の調査は、投信窓販をする地銀57行のうち55行と…

 【写真】ふくおかフィナンシャルグループはSNSも活用して新NISAの普及に努めている(十八親和銀行の公式ライン画面)

2024年4月19日号15面 野村HD、海外クレジットのニッチ狙う、債券アクティブ運用強化

2024年4月19日号15面 野村HD、海外クレジットのニッチ狙う、債券アクティブ運用強化

 野村ホールディングス(HD)は、先進国ハイ・イールド債券で培った評価をベースに「スペシャルティ・クレジット」と呼ばれる資産クラスを強化し、ニッチな領域で運用の差別化を図る。南村芳寛執行役員インベストメント・マネジメント(IM)部門長が4月5日、取材に応じ方針を明らかにした。
 「債券アクティブ運用の中でも付加価値を得やすい資産クラス」(南村芳寛執行役員)として事業を育成していく。
 欧州を中心に近年…

 【写真】スペシャルティ・クレジットの魅力を語る南村芳寛執行役員(4月5日、アーバンネット大手町ビル)

2024年3月29日号11面 特集 地域銀行3行、顧客の資産運用一手に、四国で広がる証券連携

2024年3月29日号11面 特集 地域銀行3行、顧客の資産運用一手に、四国で広がる証券連携

 【高松】1月に新しい少額投資非課税制度(NISA)がスタートし、取り組みの重要度合いが一段と増してきた「預かり資産営業」。多くの金融機関が自前で注力するなか、四国地区の地域銀行では大手証券のリソースを生かした提案で顧客へのアプローチを進める動きが活発だ。なかでも野村、大和、SMBC日興の各証券とそれぞれ手を組み、顧客の幅広い資産運用ニーズを一手に担おうと奔走する地域銀3行の取り組みを追った。

 ■阿波銀行×野村証券、独自提案で課題解決、「金融先進県」めざす
 野村証券とのアライアンスが2021年4月の始動から3年を迎えた阿波銀行。資産運用ニーズを抱えた個人を取り込む。一方…

 【写真】提携後3年間の総括と今後の施策について検討する阿波銀行の行員と野村の出向者(3月5日、阿波銀行本店、同行提供)

2024年3月22日号5面 常陽銀行 「おひとり高齢者」サポート、身元保証や後見、死後実務

2024年3月22日号5面 常陽銀行 「おひとり高齢者」サポート、身元保証や後見、死後実務

 トリニティ社などと協働で
 常陽銀行は、独身や単身で頼れる家族などがいない高齢者向けの生活サポートを強化している。家族信託や相続手続き、財産管理などの支援サービスを扱う「トリニティ・テクノロジー」(東京都)などと連携し、身元保証や任意後見、葬式や遺品整理、遺言書などをカバーする同社のサービス「おひさぽ」の提供を推進。高齢「おひとりさま」を支える。
 トリニティは2023年11月、任意後見を手がける一般社団法人「茨城ライフサポート協会」と業務提携。同協会と同行は既に連携しており、…

【写真】共同で初開催した「人生100年時代応援セミナー」(3月5日、常陽銀行平須リテールステーション)

2024年3月22日号8面 【実像】試される「新興」・育てる覚悟、資産運用業の構造改革へ

2024年3月22日号8面 【実像】試される「新興」・育てる覚悟、資産運用業の構造改革へ

 政府は「資産運用立国」を掲げ、資産運用業の高度化に本腰を入れる。業界の活性化に向けたカギは、国内外からの新興プレーヤーの参入促進だ。だが、年金基金などアセットオーナーが受託者責任を果たしつつ、新興運用業者を起用するハードルは高い。長年の業界構造の転換へ“地に足がついた改革”が求められる。

 ■盛り込まれた「EMP」
 政府が2023年12月策定した「資産運用立国実現プラン」に「EMP」の文字が盛り込まれた。「エマージング・マネージャーズ・プログラム」の略語。アセットオーナーが…

 【写真】政府は国内外の投資家などに向けて「資産運用立国実現プラン」をアピールする(写真は大和証券が3月に開催したイベントで岸田文雄首相が寄せたビデオメッセージ、ザ・プリンスパークタワー東京)

2024年3月1日号4面 地域銀行、富裕層囲い込み策で新手、船舶ファンド運営会社と協力

2024年3月1日号4面 地域銀行、富裕層囲い込み策で新手、船舶ファンド運営会社と協力

 ふくおかFG、人間国宝の作品展
 地域銀行は、富裕層の囲い込み策の一環として、船舶投資ファンドを運営するアンカー・シップ・パートナーズ(ASP、東京都)とタッグを組む。同社は、重要無形文化財保持者(人間国宝)の伝統工芸作家や技術者らが所属する日本工芸会と連携しており、富裕層向けのイベントで協力する。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は2月中旬に実施しており、手応えをつかんだという。検討中の地域銀もあり、今後は同様の取り組みが増える見通し。
 ふくおかFGは2月13日、取引先の超富裕層を対象にした催しを…

【写真】来場者に作品を説明する今泉氏(中央、2月13日、福岡市内)

取引先支援

2024年7月26日号10面 特集 再考 地方創生(4) 地域銀行が農業お手伝い

2024年7月26日号10面 特集 再考 地方創生(4) 地域銀行が農業お手伝い

 農業は、作物の種類や味の特色などによって、地域性を発揮しやすい地場産業だ。各地域の特産品は、加工食品や飲食店のメニュー開発、海外輸出などすそ野も広い。農業支援はかつてJAグループの独壇場だったが、農業経営の大規模化や「六次産業化」などの環境変化もあって、地域銀行も支援姿勢を強めている。海外進出支援、ファンド出資、官民連携の3事例を取材した。

 ■山形銀行、タンザニア進出後押し
 【仙台】山形銀行は、青果市場や環境分析業者などの外部企業と連携し、農業関連事業者の課題解決を支援している。また、国内農業関係者による海外展開ニーズの高まりを受け…

 【写真】タンザニアで農場従業員からコメの収穫方法を聞く担当者(左、7月4日、山形銀行提供)

2024年7月19日号6面 岐阜信金、実践研修で提案力高める、マッチング年4000件

2024年7月19日号6面 岐阜信金、実践研修で提案力高める、マッチング年4000件

【名古屋】岐阜信用金庫(岐阜県、好岡政宏理事長)は、事業者の課題に合わせて提携先の専門家などを紹介するビジネスマッチングが好調だ。案件はSDGs(持続可能な開発目標)や事業承継・M&A(合併・買収)など多岐にわたり、2023年度のマッチング実績は前年度比434件増の3972件となった。

【写真】23年度に実施したコンサルアカデミー第1期の様子(23年11月18日、岐阜信金本店営業部ビル)

2024年7月5日号6面 巣鴨信金、新商品開発を支援、かつお節にかける「たれ」

2024年7月5日号6面 巣鴨信金、新商品開発を支援、かつお節にかける「たれ」

巣鴨信用金庫(東京都、二瓶克博理事長)は削り節を製造販売する取引先の池田物産(埼玉県)の商品開発を支援した。4月に発売された「かつお節にかけるたれ」はリピーターが出る人気商品となっている。  同社は2008年に「生ハムのような鰹節 食べる削り節」を発売。これまでに累計250万食を販売した。さらに、23年9月には「かつお節にかけるたれ」を開発。「食べる削り節」にかけるほか、パスタや冷ややっこ、「パンにかけてもおいしい」(同信金の職員)と評判だ。

【写真】(左から)「かつお節にかけるたれ」を手に売れ行きなどを説明する池田社長、同信金新高島平支店の藤沼克仁係長とすがも事業創造センターの長島史織係長(6月6日、埼玉県和光市のかつをぶし池田屋)

2024年6月7日号8面 鹿児島銀行の畜産事業者支援、関連事業者とチーム組成、ABL残高383億円

2024年6月7日号8面 鹿児島銀行の畜産事業者支援、関連事業者とチーム組成、ABL残高383億円

 【鹿児島】鹿児島銀行は、地域の基幹産業である農畜産業の活性化と融資拡大に取り組む。2003年に、農畜産業を活性化させることで食品加工など2次産業、流通や飲食など3次産業まで幅広く盛り上げる「アグリクラスター構想」を提唱してから約20年。2023年度末のアグリクラスター関連融資残高は942億円(2013年度末比170億円増)で、同行の建設業向け融資に匹敵する額まで増えた。鹿児島県の農業産出額はこの10年で約1千億円伸びており、農業の成長を後押ししてきた結果が融資残高の増加につながっている。

 ■出荷成績向上へ協働
 コンサルティングなどさまざまな支援を展開するが、特に注力するのは畜産事業者とその取引先の関係性を強化し…

 【写真】(左から)取引先の千春畜産の深野明輝社長、従業員、鹿児島行アグリ事業開発室の竹俊彦副調査役、宮崎支店の堂薗良輔主任(5月22日、宮崎県えびの市)

2024年5月31日号17面 米子信金、インスタフォロワー5000人突破、取引先発信・再生3万動画も

2024年5月31日号17面 米子信金、インスタフォロワー5000人突破、取引先発信・再生3万動画も

 【広島】米子信用金庫(鳥取県、青砥隆志理事長)の公式インスタグラム「よなっこ通信」のフォロワー数が5千人を超えた。5月27日時点のフォロワー数は5212人。4月3日に投稿した2024年度新入職員を紹介する動画の再生回数は過去最高3.2万回を超え、その他の投稿動画の平均再生回数も増加傾向。地域の注目度は高まっている。
 よなっこ通信は「山陰のすてきなお店を紹介!」をテーマに取引先の情報発信に貢献したいという狙いで始まった。7月に開設5周年を迎える。現在、投稿は週2、3回。異なるコンテンツの…

 【写真】ねこルーム設計施工の「きじとら」岡田誠・代表取締役(左)を撮影するよなっこ通信の運営メンバー(5月16日、米子市)

2024年5月17日号5面 伊予銀行、“稼げる一次産業”挑む、特異な支援策が地場支える

2024年5月17日号5面 伊予銀行、“稼げる一次産業”挑む、特異な支援策が地場支える

 【高松】伊予銀行は、地方銀行でトップクラスの実績を誇る農業ファンドだけでなく、農業向けの有償コンサルティングといった特異な支援策を展開している。技術承継を望む新規就農者の支援策を確立するなど、大きな割合を占める一次産業の活性化を根底から支える。
 農業で最も難しい課題の一つが、生産量と品質の安定化。特に小売店は安定的な出荷量を求めるケースが多い。農業者1人では…

【写真】農水産業フォーラムで生産者と情報交換する石川課長代理(右から2人目、同行提供)

2024年5月10日号3面 金融界、「物流24年問題」を解決、三井住友信託銀行は上流支援

2024年5月10日号3面 金融界、「物流24年問題」を解決、三井住友信託銀行は上流支援

 4月からトラック運転者に時間外労働の上限規制が適用され、人手不足が深刻化する運送・物流業界。三井住友信託銀行は荷主企業を中心に幅広い業種で中長期の物流戦略の策定支援などに注力する。2024年度には物流コンサルティングの累計実績100件を目指す。地域金融機関ではスタートアップと連携し、運送会社向け支援策を拡充する動きが広がっている。
 三井住友信託銀は情報開発部内の物流ソリューションチーム(7人体制)が課題解決に奔走する。現場視察や面談による現状評価をしたうえで…

【写真】エンステムが提供するスマートウオッチを活用したドライバーの安全・健康管理サービス「Nobi for Driver」

2024年4月26日号4面 みずほG、顧客情報のAI分析着手、営業提案や地域銀行へ外販も

2024年4月26日号4面 みずほG、顧客情報のAI分析着手、営業提案や地域銀行へ外販も

 みずほ銀行グループ(G)は、法人顧客の情報を生成AI(人工知能)で分析し、営業活動に生かす取り組みに着手した。顧客同士の経営課題をAIが結び付けることで、思いもよらないビジネスマッチングやM&A(合併・買収)の提案につながる可能性がある。
 2023年12月からみずほ銀の営業統括者へ試験的に導入を開始。結果を踏まえ…

地域貢献

2024年7月26日号4面 北都銀行、官民連携でまちづくり、営業店起点に課題解決

2024年7月26日号4面 北都銀行、官民連携でまちづくり、営業店起点に課題解決

【仙台】北都銀行は、秋田県由利本荘市でのまちづくりプロジェクト参画に力を入れる。大手電子部品メーカーのTDKの社員寮建設を機に、医療施設や教育機関の誘致を計画したもので、同行は事務局として活躍。本荘支店が起点としたボトムアップ型支援で、地域開発コンサルティングのモデルケース創出を目指す。

【写真】プロジェクト実現に向けた建設の様子(北都銀行提供)

2024年7月19日号2面 地域銀行、新興の力で社会課題解決、VC通じ“接点”作り

2024年7月19日号2面 地域銀行、新興の力で社会課題解決、VC通じ“接点”作り

 地域銀行は、スタートアップ(新興)企業の力で地元の社会課題を解決する。フィンテック系のベンチャーキャピタル(VC)への出資を通じリレーションを深め、新興企業のプロダクトを活用した課題解決を進めたい意向。VC出資先を地元に誘致するほか、ビジネスマッチングや協業による支援を視野に、接点作りを始めた。
 マネーフォワード系の「HIRAC FUND」は…

【写真】HIRACが6月に開いたミーティングイベントには地域金融機関や振興企業から80人以上が集まり関係を深めた(同社提供)

2024年6月28日号10面 特集 再考 地方創生(3)、領域広げる地域商社、非金融の底力

2024年6月28日号10面 特集 再考 地方創生(3)、領域広げる地域商社、非金融の底力

 銀行系「地域商社」の活動領域が広がっている。非金融業務を通じた地方創生を使命とし、銀行から身を転じた現場職員が新規事業に挑戦している。2016年の銀行法改正によって完全子会社形態での設立が解禁されてから8年。先進的な3事例の取材を通じて、地域商社が向かうべき方向性を探った。

 ■四国の地銀4行・Shikokuブランド、ブランド化で価値向上、商流に乗せ販路拡大へ
 【高松】4県に特色ある魅力的な地場産品がそろう四国で存在感を高めているのが、地域商社「Shikokuブランド(SB)」だ。四国アライアンスを組む地方銀行4行(阿波、百十四、伊予、四国)が…

 【写真】人的交流のある他の地銀系地域商社と連携して開いた物産フェア(6月6日、住友生命保険東京本社)

2024年6月21日号6面 6月15日は「信金の日」、全国で地域貢献活動

2024年6月21日号6面 6月15日は「信金の日」、全国で地域貢献活動

 東海地区の静岡県信金協会の取り組みでは10~14日、県内信金職員が地元ラジオに出演して地域貢献事業などを発信。富士信金は14日、タレントの勝俣州和氏を招いた講演会も開いた。岐阜信金は8日、役職員ら1200人が岐阜・愛知県内64カ所を清掃。知多信金は14日、本店と青山支店で職員7人が1日警察官を務め、地元の学生が商品開発した紅茶を配布して特殊詐欺防止を呼びかけた。 

【写真】ラジオ番組で御宿場印を紹介するしずおか焼津信金の岩堀さん(右、6月10日、新静岡セノバ)

2024年6月14日号17面 広島みどり信金、町の書店復活を支援、物件探し伴走・商品陳列も

2024年6月14日号17面 広島みどり信金、町の書店復活を支援、物件探し伴走・商品陳列も

 【広島】広島みどり信用金庫(広島県、小林明宗理事長)は、庄原市中心部で唯一の書店「ほなび」の出店を後押しした。地域のにぎわいづくりに不可欠な書店を復活させたいと誘致から物件探し、商品陳列、経営サポートなど伴走支援を徹底。5月10日のオープン以降、大勢の来店客でにぎわっている。
 本店を置く庄原市は2005年に1市6町が新設合併して誕生した。2023年、市中心部にあった二つの書店が相次ぎ閉店。書店空白地になった。近隣には小学校や高校など教育機関も多く…

 【写真】絵本コーナーについて語り合う(左から)総商さとうの佐藤友則社長と本庄将之・専務取締役、森田修之・東城支店長(5月20日、庄原市)

2024年6月7日号10面 やさしいニュース解説 動き出す金融教育の官民組織

2024年6月7日号10面 やさしいニュース解説 動き出す金融教育の官民組織

 中立性強みに学ぶ機会増やす
 国民の金融リテラシー向上を担う「金融経済教育推進機構(J‐FLEC=ジェイ フレック)」が8月に本格稼働します。これまで金融広報中央委員会や全国銀行協会、日本証券業協会などが取り組んできた金融教育の事業を引き継ぐ官民一体の認可法人です。中立的な立場から、幅広い世代に金融知識を身に付けてもらい、適切な行動を促す“司令塔”の全容に迫ります。

 ■Q.1 新組織はなぜ生まれ、何に取り組む?
 J‐FLECは金融教育を推進するため、法律に基づき4月に設立されました。背景には金融教育の…

2024年6月7日号17面 山口FG、伝統菓子の復刻に貢献、地域商社が総合調整

2024年6月7日号17面 山口FG、伝統菓子の復刻に貢献、地域商社が総合調整

 【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)は地域の伝統的菓子「亀の甲せんべい」の復刻に貢献。グループの地域商社やまぐちが商品開発・販売に関わるトータルコーディネートを務めた。ジェイアールサービスネット広島などが6月1日、山陽3県の駅ビル・駅ナカで販売を開始した。
 亀の甲せんべいは1862年に誕生し幕末から山口県で親しまれてきた。製造する江戸金が後継者不足で廃業する見通しとなった際…

 【写真】令和復刻版 下関・馬関 亀の甲せんべい

2024年5月31日号10面 特集 再考 地方創生(2)、観光需要に開拓余地

2024年5月31日号10面 特集 再考 地方創生(2)、観光需要に開拓余地

 縮小する地方経済をカバーする有力な手段にあげられる観光。訪日外国人数は3月、4月に2カ月連続して300万人を超え、急速に回復する。一方で、2023年の外国人の宿泊地域は3大都市圏が7割超を占めるなど、地方ではインバウンド需要を十分、取り込めていない。コロナ禍で膨らんだ債務問題もある。観光産業の活性化に動く山梨中央銀行、ひろぎんホールディングス、地域経済活性化支援機構(REVIC)を取材した。

 ■山梨中央銀行、訪日客の県内周遊増やす、独自視点でツアー企画
 日本最高峰・富士山を擁する山梨県。富士急行線河口湖駅には、秀麗な山を見ようと連日多くの観光客が訪れる。他県もうらやむ観光資源だが…

 【写真】都内で外国人観光客に街頭インタビューを実施した(4月10日)

国際

2024年7月12日号5面 百五銀行、三重を「ハラル先進県」に、認証取得サポート

2024年7月12日号5面 百五銀行、三重を「ハラル先進県」に、認証取得サポート

 【名古屋】百五銀行は、三重県内企業のイスラム市場開拓を支援する。海外進出にあたり、食事などでイスラム教の戒律に沿った「ハラル認証」の取得をサポート。政府関係機関とのネットワークも築き、全国の地域銀行でも珍しい巨大市場に三重から攻める。

【写真】ラウンドテーブルの第2部では、津市のつじ農園の米を始め、イスラム教徒も食べられるメニューを食堂で提供した(7月5日、同行丸之内本部)

2024年6月28日号1面 新連載 3メガGインドへ熱視線(上)膨らむ中間層に商機

2024年6月28日号1面 新連載 3メガGインドへ熱視線(上)膨らむ中間層に商機

  メガバンクグループ(G)が熱い視線を送るインド。人種や言語、宗教など多様性にあふれ、時にはそれが障壁となるものの、ダイナミックな経済成長は他国にない魅力だ。ノンバンクやフィンテック企業への出資を通じて現地のリテールビジネスに挑むメガバンクGの動きを追った。
 各社がインドのリテールビジネスに乗り出した背景には、人口増加と経済成長に加え、金融サービスを提供するデジタルインフラの発達がある。インド版マイナンバー「アドハー」は…

【写真】SMICCは農村部で酪農体験イベントを開催し、地域住民との距離を縮める(三井住友FG提供)

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

 堅調な米国経済を背景に安定基調にある米国銀行界。商業用不動産(CRE)ローンの不良債権問題が懸念されるが、「局地的、限定的」との見方もある。米財務省通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)など金融監督当局は、中小規模の銀行の健全性支援に乗り出している。FDICのマーティン・J・グルンバーグ総裁、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)のレベッカ・ロメロ・レイニーCEOの両トップと米国銀行協会(ABA)の幹部に現在の業況、経営課題、規制のあり方などについて聞いた。

 【写真】マーティン・J・グルンバーグ FDIC総裁(左)、レベッカ・ロメロ・レイニー ICBA CEO(右)

2024年4月26日号1面 各国中銀と民間銀、新・国際決済インフラ構築、資産「トークン化」見据え

2024年4月26日号1面 各国中銀と民間銀、新・国際決済インフラ構築、資産「トークン化」見据え

 世界の中央銀行と金融機関はあらゆる資産がブロックチェーン上でトークン化された世界を見据え、新たな越境決済プラットフォームの構築を加速させる。Swift(スイフト=国際銀行間通信協会)は、これまで培ってきた国際送金網のノウハウを生かし、中銀デジタル通貨(CBDC)を相互につなぐ。国際決済銀行(BIS)は、ホールセール分野で分散型台帳技術(DLT)を活用した決済インフラ構築を模索する。
 38の中銀や銀行などと実証実験を進めてきたスイフトは製品化の段階に入り…

2024年4月26日号8面 特集 海外中銀どう動く、インフレ懸念再燃の米国

2024年4月26日号8面 特集 海外中銀どう動く、インフレ懸念再燃の米国

 FRB、大統領選もにらむ
 日本銀行がマイナス金利解除に踏み切り、米欧など海外の金融政策の変化にも注目が集まる。特に市場が関心を寄せるのは、経済が好調な米国の動向。急ピッチで進んだ金融引き締めから緩和への転換を模索するが、インフレ懸念が再燃し、利下げの後ずれ観測が強まっている。今秋に予定される大統領選も政策運営に影響しそうだ。一方、欧州では物価の伸びが鈍化し、早期利下げが予想される。今後の焦点を探った。

 ■「かじ取り」難しく
 あたかも市場関係者が抱える焦燥を察し、米金融当局に影響力を持つ大物が代弁してみせたかのようだった。
 「政策金利の動きが下向きではなく…

2024年3月1日号9面 特集 政治揺れる「香港」、進出金融機関、購買力や投資需要取り込む

2024年3月1日号9面 特集 政治揺れる「香港」、進出金融機関、購買力や投資需要取り込む

 アジアの金融センターとして高い経済成長を誇ってきた「香港」。中国が一定の自治を認める「一国二制度」が揺れるなか、現地で働く金融関係者は「経済活動の自由は変わらない」との認識で一致する。親日の富裕層も多く、巨大な消費マーケットの魅力は健在。取引先企業の海外ビジネス支援強化や、周辺国を含めたシンジケートローン(協調融資)需要など事業機会の取り込みに力を注ぐ。現地の3金融機関に聞いた。(香港取材班)

 ■静岡銀行香港支店、地元の観光誘致に力
 静岡銀行香港支店(岩邊孝純支店長=51歳、派遣行員7人、現地スタッフ7人)は2022年7月、日系企業の多い九龍地区に移転し…

 【写真】観光客で混雑する香港の金融街・中環エリア(1月23日)

2024年3月1日号6面 信金界、SDGsで海外販路開拓、イベントは商談100件実施

2024年3月1日号6面 信金界、SDGsで海外販路開拓、イベントは商談100件実施

 信用金庫業界は、SDGs(持続可能な開発目標)を切り口にして、取引先の海外販路開拓を支援している。信金中央金庫と中小企業基盤整備機構が連携して開設したオンライン展示会サイトは、約4カ月間で登録企業が88社になった。2月19~22日には、国外企業と海外に販路を持つ国内企業をバイヤーとした商談会のイベントを開催。4日間で約100商談を実施した。
 欧州などで社会や環境に配慮した消費行動への関心が高まるなか、信金中金は2023年10月、…

2024年2月23日号5面 千葉興業銀行、ベトナム展開の支援に厚み、大垣共立銀行現法へ顧客紹介

2024年2月23日号5面 千葉興業銀行、ベトナム展開の支援に厚み、大垣共立銀行現法へ顧客紹介

 千葉興業銀行は大垣共立銀行と組み、取引先のベトナム展開の支援体制を強化している。大垣共立銀子会社現地法人の専門人材やビジネスマッチング・ネットワークを通じ、現地進出や貿易・調達、販路拡大サポートを拡充。将来の有償コンサルティング・メニュー化も念頭に、ノウハウを蓄積する方針だ。
 千葉興業銀には海外拠点がなく、ベトナム案件には従来、外部のコンサル事業者や貿易支援サービスなどを通じて…

【写真】千葉興業銀行のメンバーは日本の取引先の経営者候補らと現地の製造事業者の工場を視察した(ベトナム・ビンズオン省)

営業店

2024年7月26日号18面 西日本シティ銀行伊都支店、20年ぶり新設店で弾み

2024年7月26日号18面 西日本シティ銀行伊都支店、20年ぶり新設店で弾み

 長期取引の土台固める
 【福岡】西日本シティ銀行伊都支店(石川訓久支店長=行員20人うち渉外6人、パート9人)は、2023年10月の新規開店を機に長期取引の土台となる投資信託口座や住宅ローンの獲得を進めている。出店前後のローラー活動や住宅ローンの電話推進が奏功し、2024年3月末の投信口座は目標の2倍超を達成。住宅ローン件数も目標比1.6倍で、全店上位の実績を上げた。
 同店は2004年10月の同行創立後、初の新規出店。付近は九州大学の転入に伴う学生向け賃貸マンションや商業施設の建設が盛んで…

 【写真】若手行員らと打ち合わせをする石川訓久支店長(左下写真の中央、6月18日)。環境に配慮した西日本シティ銀行伊都支店外観(右上写真)

2024年7月19日号17面 豊和銀行、店舗・香りで演出、来店客の癒やしに

2024年7月19日号17面 豊和銀行、店舗・香りで演出、来店客の癒やしに

 【福岡】豊和銀行は、来店客の癒やしを狙いに店舗にオリジナルの「香り」を取り入れる。下郡支店をモデルに香りの試作とテストを経て、本格導入する。
 空間を香りで演出し、企業ブランド向上を支援するスタートアップを立ち上げた折井茜さんに調香を依頼。同行ソリューション支援部が…

 【写真】折井茜さん(中央)から試作したサンプルの説明を聞き、香りを嗅ぐ豊和銀行下郡支店の行員(6月11日、豊和銀行下郡支店、豊和銀行提供)

2024年7月19日号18面 関西みらい銀行枚方支店、枚方市駅前再開発を支援

2024年7月19日号18面 関西みらい銀行枚方支店、枚方市駅前再開発を支援

 事業者目線で融資提案
 【大阪】関西みらい銀行枚方支店(山本哲秀支店長=行員23人うち営業担当8人。パート・嘱託4人)は、京阪本線・枚方市駅前再開発を支援。シンボルとなる商業施設への融資は、顧客目線に徹した提案で他行との競合を制して単独で実行した。また、2024年度から導入された営業店の「自主目標」では、伴走支援体制の確立など顧客との関係強化に取り組む。
 山本哲秀支店長は2023年10月に着任。再開発事業は、準備期間を含め約10年前から枚方市や京阪電鉄、多くの地権者が関与して進めてきた。(1)事務所・ホテル・住宅・店舗などの…

 【写真】商業施設「HirakataWoven(ヒラカタウーヴン)」のテラスで、枚方鉄建の竹嶋浩之会長(左)と話す山本哲秀支店長(7月2日)

2024年7月12日号18面 北陸銀行常願寺エリア、制度改善で企業価値向上

2024年7月12日号18面 北陸銀行常願寺エリア、制度改善で企業価値向上

 DC導入支援・人材確保へ
 【金沢】北陸銀行常願寺エリア(新庄支店、水橋支店、富山問屋町出張所、金泉寺出張所=行員50人うち渉外6人、パート12人)は、社内制度改善などを通じて取引先企業の価値向上を支援している。ある解体業者では福利厚生の充実をサポートし、安定した人材確保につなげた。
 同エリアは新庄支店(吉田勝則支店長<6月21日付で清水町支店長に異動>)を中核に、富山市北東部をカバーする。オーナー企業が多くトップダウンで意思決定が早いため…

 【写真】木村貴之社長(左)と情報交換する吉田勝則支店長(中央)、堀田潤係長(6月11日、エイキ)

2024年7月5日号18面 愛知銀行桜山支店、全融資先の支援方針策定、効果見定め・M&A後押し

2024年7月5日号18面 愛知銀行桜山支店、全融資先の支援方針策定、効果見定め・M&A後押し

 【名古屋】愛知銀行桜山支店(小林充広支店長=行員20人うち渉外係6人、パート3人)は、取引先企業の課題把握に努め、難易度が高い案件を実現に導いている。全融資先360社の支援方針を渉外係が考え、定期的な提案で企業の経営改革を支える。最近では、数億円規模のLBO(レバレッジド・バイアウト)融資で取引先のM&A(合併・買収)を後押しした。
 「短期的な銀行収益ではなく、長期的な関係構築を意識して提案する」――。こう語るのは、2023年4月に着任した小林充広支店長。渉外係6人と取引先の課題を話し合い…

 【写真】スマートテクニカの坂野良輔社長(左)と事業展開について話し合う小林充広支店長(5月16日、名古屋市内)

2024年6月28日号18面 広島銀行福山南支店、支店全体で若手育てる、顧客支援実り・新人表彰

2024年6月28日号18面 広島銀行福山南支店、支店全体で若手育てる、顧客支援実り・新人表彰

 【広島】広島銀行福山南支店(中島浩司支店長=行員35人うち渉外係8人、パート9人)は、支店全体で若手行員の育成に取り組んでいる。新人でも取引先の支援に尽力できるように、独自の施策で質問や相談がしやすい環境を整備。2023年度下期の個人表彰では、所属する入行1年目と3年目の行員の2人が選出される快挙を成し遂げた。
 中島浩司支店長は、育成に充てる時間を確保するため、会議はできる限り開かない。週1回開く次長…

 【写真】中島浩司支店長(左から3人目)は、週に1回の「責任者ミーティング」で情報の共有を行う(6月4日、広島銀行福山南支店)

2024年6月21日号18面 常陽銀行下館支店、補助金申請コンサルで深耕、貸出金8%増の899億円

2024年6月21日号18面 常陽銀行下館支店、補助金申請コンサルで深耕、貸出金8%増の899億円

 常陽銀行下館支店(小松和広支店長=行員42人うち渉外30人。パート15人)は、前任支店長の時代から、法人先の設備投資の定期ヒアリングを継続。導入設備や金額、時期に即し、資金手当てのほか、補助金申請やSDGs(持続可能な開発目標)の取り組み支援も併進。3月末の貸出金残高は899億3600万円と、前年同月末比70億3900万円(8.4%)増となった。
 同店は、茨城県北西部・筑西市の中核である下館地区に立地。首都圏への好アクセスを背景に、製造業の拠点も集積している。
 サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)や…

 【写真】金属プレス・板金業「時野谷製作所」の時野谷光雄代表(右)を訪ねる担当者(5月21日、茨城県筑西市)

2024年6月14日号18面 三井住友信託銀行日本橋営業部、人生設計支援で取引深耕

2024年6月14日号18面 三井住友信託銀行日本橋営業部、人生設計支援で取引深耕

 地域活性化両立し表彰へ
 三井住友信託銀行日本橋営業部(橋本憲明部長・フェロー役員=行員144人うち営業担当者70人)は、顧客の人生設計を支援するライフプランコンサルティングに注力し、既存の個人顧客との新たな取引を掘り起こしている。業務と並行して全部員が歴史ある建物を活用した日本橋エリアの活性化に関与し、地域貢献も両立しながら2023年度の準総合表彰を獲得した。
 同部が居を構えるのは1929年開館の重要文化財「三井本館」。旧三井信託銀行本店という歴史の重みは他店にはない特徴。主な顧客は近隣企業の役員や…

 【写真】重要文化財の「三井本館」地下金庫室で見学コースなどの打ち合わせを行う担当者ら(5月24日)。右下は同館外観

インタビュー

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

 堅調な米国経済を背景に安定基調にある米国銀行界。商業用不動産(CRE)ローンの不良債権問題が懸念されるが、「局地的、限定的」との見方もある。米財務省通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)など金融監督当局は、中小規模の銀行の健全性支援に乗り出している。FDICのマーティン・J・グルンバーグ総裁、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)のレベッカ・ロメロ・レイニーCEOの両トップと米国銀行協会(ABA)の幹部に現在の業況、経営課題、規制のあり方などについて聞いた。

 【写真】マーティン・J・グルンバーグ FDIC総裁(左)、レベッカ・ロメロ・レイニー ICBA CEO(右)

2024年4月5日号2面 インタビュー 福留・全銀協新会長、資産形成支援で好循環実現

2024年4月5日号2面 インタビュー 福留・全銀協新会長、資産形成支援で好循環実現

 全国銀行協会の会長に4月1日、三井住友銀行の福留朗裕頭取(61)が就任した。国内経済に好転の兆しがみられるなか、「成長と分配の好循環」実現のために銀行界の果たすべき役割は大きい。福留会長に今後の方針などを聞いた。

 ■失われた40年にはしない
 ――経済環境は急変している。
 「物価・金利の上昇や大幅な賃上げなどパラダイムシフトが起きつつあり…

【写真】福留・全銀協新会長

2024年3月15日号16面 特集 254信金を支える信金中金、課題解決へ若手奔走

2024年3月15日号16面 特集 254信金を支える信金中金、課題解決へ若手奔走

 「信用金庫とともに地域の期待に応える」 ――。全国に254ある信金の課題は、営業エリアや預金規模、取引先業種などに応じてさまざまだ。中央金融機関である信金中央金庫は、国内外に有するネットワークを活用し、各信金に解決策を提供。約10万人いる役職員の地元での活躍をバックアップしている。個別信金との直接の接点となるのが営業店・分室であり、信金へのコンサルティング業務や出向などを通じて現場感覚を学んでいる。東北支店、北陸支店、大分県分室の若手職員への取材を通じ、第一線の担当者がどのように信金を支えているのか探った。

 【写真】(左から)東北支店職員、北陸支店コンサルティング担当主任、大分県分室所長

2024年1月12日号10面 特集 3メガバンクの社内インフルエンサー、巻き込み力で“新風”起こす

2024年1月12日号10面 特集 3メガバンクの社内インフルエンサー、巻き込み力で“新風”起こす

 社内SNS(交流サイト)などを活用し、社員の行動変容に影響を与える「社内インフルエンサー」。3メガバンク(グループ)が組織変革を進めるなか、その中心的役割を担う人材が相次いで誕生している。自身の活動などを発信し、その思いに共鳴した社員と組織に“新風”を巻き起こす存在だ。3メガの社内インフルエンサーに活動内容や今に至るまでの経緯などを聞いた。

 ■三菱UFJ銀行 大阪営業第四部・大林 純平調査役、もっと面白い組織に
 「MUFGをもっと面白い組織にしたい」。現在、大手製薬会社を中心に約300社を担当しながら、銀行の枠を超えた…

 【写真】(左から)大林 純平・三菱UFJ銀行 大阪営業第四部調査役、杉本 秀和・SMBC Wevox代表取締役社長、帯向 恵理香・みずほフィナンシャルグループ コーポレートカルチャー室調査役

2024年1月1日号2面 特集 インタビュー 加藤・全国銀行協会会長 一社一社向き合い課題解決

2024年1月1日号2面 特集 インタビュー 加藤・全国銀行協会会長 一社一社向き合い課題解決

 スタートアップ育て活性化
 経済の好循環実現へ、資金繰り支援にとどまらない幅広い企業支援が期待される銀行界。全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)に、中小企業支援とスタートアップ育成について銀行界がどう対応すべきか聞いた。
 ■中小企業に厳しさ
 ――中小企業の現状をどうみていますか。
 「一般的に厳しさはある。企業の倒産件数は2023年に増加し…

2023年12月22日号12面 DXで克/勝つ 伊予銀行、日立製勘定系システムへ移行

2023年12月22日号12面 DXで克/勝つ 伊予銀行、日立製勘定系システムへ移行

 グループ内で専門人財を育成
 地方銀行界で先進的なデジタル戦略を推進する伊予銀行。取り組みを支えてきた基幹系システムを日立製作所が提供する勘定系パッケージ「OpenStage」に移行することを決め、2028年の稼働を目指す。同行のビジネスモデル「DHD(デジタル・ヒューマン・デジタル)モデル」を支える自営システムが大きな節目を迎えている。新システム導入の狙いや背景、デジタル人財の確保などについて稲田保実・上席執行役員システム部長(58)に聞いた。

 ■「バンキングハブ」で合理化
 ――OpenStageを選んだ理由は。
 現行のシステムは、1990年に稼働したシステムがベースとなっており…

 【写真】稲田保実・上席執行役員システム部長

2023年11月17日号8面 特集 【若手記者が聞く!】東海地区金融機関、トップが語る仕事の魅力

2023年11月17日号8面 特集 【若手記者が聞く!】東海地区金融機関、トップが語る仕事の魅力

 【名古屋】「自社のトップは、日々どんな思いで仕事をしているのだろう」。こんな疑問を持つ若手・中堅行職員は多いのではないか。頭取・理事長は、どんな瞬間に達成感をかみしめ「よかった」とほほ笑むのか。入社3年目の記者が地方銀行、信用金庫のトップ3人に仕事の魅力を聞いた。

 ■十六銀行・石黒明秀頭取、地域からの信頼に応える
 「地域や組織へ恩返しをしたい」と十六銀行の石黒明秀頭取は語る。この言葉の背景には…

 【写真】(左から)石黒明秀・十六銀行頭取、杉浦雅和・百五銀行頭取、山内正幸・碧海信金理事長