ニッキン抄 2025.6.27
小林有吾のサッカー漫画「アオアシ」が、6月23日発売の週刊誌で最終回を迎えた。連載10年で累計発行部数2300万部。Jリーグのユースチームを舞台に、プロを目指す高校年代の育成を描いた▼主人公の青井葦人(あしと)は足元の技術に乏しく、ユースに入る実力はほぼない。だが鳥が空から見下ろすようにピッチ上の敵味方の動きを把握する空間認識能力を武器に狭き門を突破し、急速な成長を遂げる。その特異な能力を見いだしたのはユース監督の福田達也。この作品の影の主役だ▼「自分で掴(つか)んだ答えは一生忘れない」。福田が与えるヒントは的確だが、その先は選手に考えさせ自ら殻を破るのを待つ。ビジネスの世界でも育成は永遠の課題。若者の数が減ってゆく国では、その巧拙が将来の明暗を分ける▼福田が同僚に語りかける場面がある。「選手達は未熟だ。そして俺達も未熟だ」。だからこそコーチ陣も学び続ける必要がある。2025.6.27
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