ニッキン抄 2026.4.10
戦後、「サラリーマン小説」という新たなジャンルで流行作家となった故・源氏鶏太さん。自身も高校卒業後、約26年間の会社員生活を送った。ユーモアの中に宮仕えの悲哀をにじませた作品は、近年再評価されている▼今読むと苦笑を禁じ得ない場面もある。女性社員が公然と「寿退社」を迫られ、男性社員は上司から公私を問わず無理難題を押し付けられる。舞台は半世紀以上前。時代錯誤と目くじらを立てるほどでもないが▼こちらはまさに、いつの時代の出来事かと耳を疑いたくなる。“名経営者”の過度な業績プレッシャーのもとで幹部が不正に手を染め、国内最高峰の大学では教員が利害関係者から過剰な接待を受けていた▼金融界でも、バブル期など過去に類似の話が聞かれた。折しも地価や物価の高騰も背景に、不動産向け融資が拡大基調にあるという。時代錯誤と言われぬよう、リスクへの目配り、備えを怠ってはいけない。2026.4.10
ニッキンのお申し込み
ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。
申込用紙をFAX(03-3237-8124)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。


