社説 手形ゼロへ覚悟持った対応を
手形・小切手の交換枚数をゼロにする目標期限である2026年度末まで1年を切った。全国銀行協会が事務局を務める手形・小切手機能の「全面的な電子化」に関する検討会は交換枚数が2026年12月で6万8000枚、27年3月で1万7000枚残ると試算。検討会が3月にまとめた報告書で指摘したように26年度は、最終目標を達成するための「覚悟を持った対応」が求められる。
25年1年間の交換枚数は、24年比で551万枚減って1416万枚だった。常陽銀行が25年5月から、未利用の手形・小切手帳を等価で買い取るなど、前倒し達成を目指し、踏み込んだ施策を講じた金融機関があったほか、地域内の削減機運を高めるため、県単位で地域金融機関が連携する例も36地域に拡大したが、25年の目標としていた984万枚には届かなかった。
交換枚数をゼロにするための鍵となる最終振出期限の設定について、「実施済み」「実施予定」としたのは対象1117機関のうち411機関(36%)にとどまる。未対応の金融機関は早期に期限を設け、周知を急ぐ必要がある。
検討会の試算では最終振出期限の設定により、11月以降交換枚数は大幅に減る見通しだが、最終期限前後に全銀電子債権(でんさい)ネットワークなど、電子決済サービスへの移行申し込みが集中する恐れもある。月次単位で進捗(しんちょく)状況を確認しながら、余裕を持って対応していくことが望まれる。
主要な代替手段となる、でんさいの発生記録請求件数は25年に969万件となり、前年比で166万件増えた。ただ、手形を振り出す企業は17万社以上残る。でんさいネットは契約していても、稼働していない企業が一定数ある。産業界・事業者の意識を高めなければ、最後の岩盤は崩せない。企業の資金繰り改善、生産性向上に資する部分もあるだけに、政府も後押しを強めてもらいたい。2026.4.10
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