「ニッキンONLINE」創刊!
 
HOME > 「ニッキン」最新号から > 社説 > 社説 後手回避する適切な判断を

社説 後手回避する適切な判断を

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本銀行は4月27、28日に開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。イラン情勢の先行きが見通せず、物価高と景気下振れという異なるリスクへの目配りが求められるなかで、利上げを見送ったことは理解できる。
 ただ、難しい判断を迫られる状況は続く。植田和男総裁も警戒感を示した政策対応が後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」に陥ることがないよう政府とも意思疎通を図り、適切に対処してもらいたい。
 今回の決定会合は、9人の政策委員のうち3人が「据え置き」に反対する異例の展開となった。反対した3人は、物価上振れリスクに対処するため、利上げを求めた。
 決定会合後の4月30日、1ドル=160円台まで円安が進み、同日夜に政府・日銀は円買い為替介入に動いたもようだ。大型連休中にも断続的に介入したとみられる。
 円安は輸入物価の高騰につながるだけに、投機的行為による円安を阻止する意図は分かるが、介入効果は限られる。円安の背景には、欧米をはじめ諸外国に比べて低い金利環境が続いていることがあり、利上げ路線は維持していくべきだ。
 円安と原油供給の制約が相まって、物価が2%を超えて急騰するような事態になれば、これまでの0.25%を超える上げ幅で利上げする必要性も出てこよう。
 物価高と景気後退が同時に進行するスタグフレーションも警戒しなければならない。万が一、スタグフレーション化すれば、金融政策だけでは手に負えない。政府も景気対策を打たざるを得なくなる。その際の財源を国債増発に頼ることになれば、国債価格の下落(長期金利は上昇)や、さらなる円安など金融市場の波乱要因になりかねない。
 株式市場は上げが目立つが、さまざまなリスクが想定される局面だけに、金融機関も金融市場の急変や取引先支援に備えておく必要がある。2026.5.15


ニッキンのお申し込み

ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。

申込用紙をFAX(03-3237-8124)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事