社説 地域経済に貢献できる選択を
静岡銀行を傘下に持つ、しずおかフィナンシャルグループ(FG)と名古屋銀行が、これまでのアライアンス関係を進め、経営統合することで合意した。両社が地盤とする静岡県と愛知県はともに製造業が盛んで産業構造が類似しており、補完し合える点は多い。取引先支援を充実させ、ステークホルダーの期待を超える統合効果を実現してもらいたい。
両社は2022年からアライアンスを結び、取引先支援などを展開してきた。統合に踏み出す以上、会見でしずおかFGの柴田久社長が述べた「アライアンスを超える付加価値実現」が鍵になる。
両県の主要産業である自動車産業は、脱炭素化の流れもあり、岐路にある。輸出型企業では米国の高関税政策の影響が払拭(ふっしょく)されていない。経営者の高齢化による事業承継問題も深刻だ。こうした複雑・多様化する企業の課題を解決し、地域経済に貢献できるかが問われる。
地域銀行では3月25日に千葉銀行と千葉興業銀行、同26日に第四北越FGと群馬銀行が経営統合へ最終合意した。金融庁も人口減少などに対応していくため、25年12月に地域金融力強化プランをまとめ、合併・経営統合の際の資金交付額を引き上げることを盛り込み、再編を後押ししている。
今回、第二地方銀行で預金量4位の名古屋銀が統合に動いたことで、第二地銀業界へのインパクトは小さくないだろう。「金利ある世界」が戻り、収益力は回復してきたとはいえ、人口減少のスピードは速まっており、地域金融力を高める選択が求められていることは言うまでもない。
ただ、合併・経営統合が唯一の解とは限らない。取り扱う業務を絞り込んで、存在感を高める道もあろう。浮足立つことなく、将来を見据えて、さまざまな選択肢を検討し、自金融機関と地域経済・社会の持続可能性を高められる道を選ぶべきだ。2026.4.3
ニッキンのお申し込み
ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。
申込用紙をFAX(03-3237-8124)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。


