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社説 エネルギー安保上も脱炭素を

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 4月から二酸化炭素(CO2)の排出枠取引制度が始まった。国が業界別の基準により各企業に排出枠を設定。排出量が排出枠を下回った企業は余剰分を、排出枠を超過した企業に市場を通じて売却できるようにし、CO2削減に取り組む経済的インセンティブを生み出す。
 金融界も歩調を合わせ、脱炭素を加速させる機会としたい。エネルギー安全保障の観点からも脱炭素の重要性は高まっている。
 新制度の対象は3年度平均で10万トン以上を排出する企業。自社で排出量を算出し、該当する場合は9月までに届け出る。2027年秋以降に市場での売買が始まる。
 直接の対象は大企業を中心に300~400社とみられ、排出量削減に向けた新たな設備投資も見込まれる。サプライチェーン(供給網)を通じ、中小企業にも脱炭素化の要請が強まることが想定され、金融機関は制度対象外の取引先支援も視野に入れておくべきだ。
 環境省によると24年度のCO2排出量は約9億7100万トン。13年度に比べ26%減少したとはいえ、政府の掲げる50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)実現は、遠い。削減ペースにも鈍化の兆しがあり、あらゆる分野で取り組みを強めないと温暖化の流れは止められない。
 日本のエネルギーは8割を石油など化石燃料に依存する。政府の第7次エネルギー基本計画では、40年に再生可能エネルギーの割合を4~5割(22年度は約2割)に高める方針が示されている。
 電源開発だけでなく、金融機関が融資し始めた蓄電池事業など再生可能エネルギーの課題を克服する周辺分野の整備が必要だ。エネルギー消費量と環境負荷を減らすための省エネ技術も欠かせない。経済・社会活動に不可欠なエネルギーの安定性、環境性、経済合理性の確保につながるファイナンスに積極的に取り組んでもらいたい。2026.4.24


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