社説 好決算追い風に成長後押しを
銀行グループの2026年3月期決算は、好調ぶりが目立った。3メガバンクグループ合計の純利益は5兆円を超えた。地域銀行でも過去最高益の更新が相次ぎ、5月15日までに発表した80行・グループの合計純利益は1兆7756億円となり25年3月期に比べ37%増えた。
「金利ある世界」が戻り、資金利益が改善している影響が大きい。27年3月期も好決算が見込まれるが、緊迫化した中東情勢の長期化など懸念材料はある。国内は人口減少・地域経済の縮小という問題もある。好決算に安堵(あんど)せず、持続可能性を高める不断の取り組みが求められる。
今回の決算では、金利上昇で含み損が拡大した債券の処理が進んだ。25年3月末に3万5000円台だった日経平均株価が26年3月末に5万1000円台に上昇し、株式売却益で債券売却損をカバーしやすい環境だった。
ただ、金融市場の流れは、いつ変わるか分からない。5月18日に長期金利は29年ぶりに一時2.8%台まで上昇。動きが急になっており、引き続き注意が必要だ。
全国銀行協会のまとめによると全国銀行の26年3月末預金は前年同月比2.6%の増加だったのに対し、貸出金は4.6%増と預金の伸びを大きく上回った。資金需要はあるだけに、原資となる預金獲得の巧拙が問われる。
足元ではインターネット銀行だけでなく、メガバンクもデジタルサービスを拡充し、全国規模で預金獲得に動いている。地域銀も顧客接点(UI)を強化し、安定した預金基盤を構築していかないと、金利上昇を収益につなげることが難しくなる。
今後見込まれる日本銀行の追加利上げで、さらに収益は増える可能性が高い。みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長が「日本が競争力を回復させる好機」と述べているように、好決算を追い風に成長を支える役割をしっかりと果たしてもらいたい。2026.5.29
ニッキンのお申し込み
ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。
申込用紙をFAX(03-3237-8124)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。


