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社説 郵政、持続性高める議論を

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 改正郵政民営化法が6月19日に成立した。郵便局のネットワーク維持へ年650億円規模の交付金を設けることが柱だ。日本郵政が保有するゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式についても、「当分の間3分の1超の保有を義務付ける」とされ、民間金融機関が求めている公正な競争条件の実現は遠のいた。
 今回の改正は自民党の議員連盟を中心に進められた。郵便局網の持続可能性を高める議論にまで踏み込まず、課題先送りの感は拭えない。完全民営化を目指すとしていた当初方針とも逆行する。
 民間金融機関が懸念するのが、ゆうちょ銀の上乗せ規制のあり方だ。改正法の付則では「3年ごとの総合的な検証の際、検討する」とされているが、全国銀行協会や全国信用金庫協会は「間接的な政府出資が残る限り、上乗せ規制は緩和されるべきではない」との立場を改めて表明した。
 民営化法では政府に3分の1超の日本郵政株保有義務がある。その上で当初は日本郵政が持つゆうちょ銀株は17年9月末までに完全売却するとされていたが、12年の改正で「できる限り早期処分」に後退。さらに今回、完全売却は見通せなくなった。
 金利が上昇する局面を迎え、金融機関の預金獲得競争は激化している。ゆうちょ銀の上乗せ規制の一つである貯金限度額(通常貯金1300万円、定期貯金1300万円)が緩和されれば、地域金融機関への影響は大きい。現状での緩和は認められないという金融界の主張はもっともだ。
 郵政グループが抱える根本的な課題は、赤字体質に陥っている郵便・物流事業の立て直しだ。
 今回盛り込まれた郵便局網を公共サービスを補完する拠点として活用する方向は理解できるが、2万4000局の維持のために、交付金を支給し続けることになれば、看過できない。店舗削減を含めて、抜本的な改革に踏み込む議論が必要だ。2026.7.10


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