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社説 官民で先端AIの脅威克服を

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 システムやソフトウエアの脆弱(ぜいじゃく)性発見に優れた米アンソロピックのAI(人工知能)モデル「クロード・ミュトス」の登場により、サイバー攻撃の規模が劇的に拡大する懸念が高まっている。金融庁は4月に官民連携会議を立ち上げ、実務者会合で短期的に必要な対策をまとめ、5月22日に金融機関に対応を要請した。
 今後もミュトスと同レベル、あるいはそれを超えるAIが開発されることは容易に想像される。金融機関が個別に対応していくには、技術、人手、コストいずれの点でも難しさがある。可能な限り情報共有を進め、幅広く官民が連携して対策が後手に回らないようにすることが重要だ。政府には悪用を防ぐ対策の強化も求められる。
 アンソロピックが5月22日に公表した報告書によると、グーグルやマイクロソフトなど約50の企業・組織にミュトスを提供した結果、1カ月で1万件を超えるソフトウエアの重大な脆弱性が見つかった。ミュトスへのアクセス権が与えられる3メガバンクなどでも、少なくない脆弱性が発見される可能性はある。
 金融庁は、ミュトスに限らずフロンティアAIと呼ばれる先端AIの発展で、大量の脆弱性が見つかり、集中的に修正プログラム(パッチ)が提供されることを想定し、それに対応できる態勢が整備されているか点検を求めた。
 短期的には抜けがないよう対応していくしかないが、防御へのAI活用など抜本的な対策を国家レベルで考えていかないと、「いたちごっこ」になりかねない。アンソロピックの報告書は、人手を要するパッチ対応が追い付いていないことも指摘している。
 金融は重要インフラ。フロンティアAIの進歩で、従来のサイバー攻撃対策だけでは通用しなくなることを経営陣が認識し、対応しなければならない。アンソロピックは5月28日、ミュトス級のAIモデルを近く一般公開するとも発表している。2026.6.5


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