社説 政策金融の役割しっかりと
日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、国際協力銀行の3政策金融機関のトップが6月にそろって交代した。政府が2040年度までに戦略17分野へ官民で370兆円の投資計画を打ち出すなど、政策金融の役割も増す。新トップのもと、それぞれのフィールドで日本経済の成長に貢献してもらいたい。
政投銀の牧裕文社長は就任会見で、従来進めている投資分野の取り組みを強化する方針を示した。「投資を一緒にやってくれる『仲間づくり』が重要」とし、メガバンクや地域金融機関との協調体制を拡充する考えだ。政策金融のパーパス(存在意義)は民業補完にある。日本の課題であるリスクマネーの供給へ、民間金融機関の呼び水になる投資の重要性は高い。
日本公庫は中小・零細企業支援が大きな役割だ。帝国データバンクによると2026年1~6月の倒産件数は5335件となり、4年連続で前年を上回った。原油高の影響などから業況が厳しい中小企業は少なくない。藤井健志・新総裁は「資金繰りが目詰まりしないよう適切に対応する」とした。必要に応じて経営改善支援にも踏み込んでもらいたい。
中小企業では後継者不足問題が深刻化している。小規模企業のM&A(合併・買収)支援は、日本公庫の特性を生かせる分野であり、より積極的な取り組みが期待される。
国際協力銀は、政府が進める5500億ドル(約88兆円)の対米投融資への協力が大きな課題になる。政府は国際協力銀が三分の一、残る三分の二をメガバンクが担うことを想定している。ただ、天川和彦・新総裁が「償還確実ではないプロジェクトは進められない」と述べている通り、是々非々の対応が前提だ。
国内人口が減る中、海外に活路を求める企業は増えている。地域金融機関と連携した地方の中堅・中小企業の海外進出支援などで、長年の知見を生かしたい。2026.7.24
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