社説 こどもNISA、適切な勧誘を
2027年1月開始の「こどもNISA(少額投資非課税制度)」の口座開設手続き受け付けが10月から始まる。金融機関は口座を獲得できれば、長期的な関係構築を見込める。キャンペーンを打ち出し、取り込む動きもあるが、制度の主旨を踏まえた適切な勧誘を心掛けてもらいたい。
こどもNISAは、現行NISAのつみたて投資枠の中に設けられる。対象年齢は0~17歳。年間60万円、総額600万円まで非課税枠で積み立てできる。
利用が低調で23年末に廃止されたジュニアNISAでは、原則18歳まで認められなかった部分引き出しも、12歳以上になれば、子の同意を得た上で、入学金や授業料など用途限定で可能だ。
金融機関は短期・直接的な収益は期待しにくいが、長い目で見た場合の効果は小さくない。
18歳以上になれば、現行NISAに自動的に引き継がれるため、将来もつながりを維持する入り口になる。積み立てる資金の源泉となる親の預金口座を獲得すれば、預金の歩留まりも期待できる。
ただ、口座獲得数ばかりを意識すれば、未稼働口座を増やしかねない。NISA口座数は25年12月末時点で2820万口座まで増えたが、ニッセイ基礎研究所の調査によれば、3割以上が未稼働だ。
制度創設の目的は長期・安定的な投資を通じて、大学進学など18歳以降に必要な資金の備えを促すことにある。自身のつみたて投資枠を使い切った親が、子ども名義でさらに600万円まで非課税枠で投資できる制度ではない。言うまでもなく、こうした切り口で勧誘してはならない。
新制度は、早い段階から金融・経済に興味をもってもらうチャンスでもあり、欧米に比べ低いとされる金融リテラシーの向上につなげたい。契約する子どもの年齢に応じて、継続的に金融教育の機会を提供していけば、長期的な関係構築にもつながる。2026.9.18
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