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社説 低預貸率でも持続する経営を

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 稚内信用金庫が信金中央金庫から、200億円の資本支援を受けることが決まった。金利上昇により保有する国債の価格が下落し、評価損が自己資本額を超えたためだ。金利上昇リスクへの備えが不十分だった点は指摘されようが、稚内信金だけの問題とは言えない状況がある。
 金融庁のまとめによると2026年3月末の信用金庫・信用組合の有価証券評価損は1年で1兆円増え、4兆円まで膨らんだ。金利上昇は当面、続くとみられる。まずは適切に含み損を処理していくことが重要だ。中長期的には低預貸率でも安定的に収益を確保できるビジネスモデルを、どう構築するかも課題となる。
 信金・信組が保有する有価証券の多くは日本国債だ。国債の場合、満期が来れば全額償還されるとはいえ、含み損を抱えたままでは、収益機会を逃す。
 金融庁のモニタリングでは、損失処理の先送りや、行動計画に沿った対応ができていない事例があった。専門人材が不足する信金・信組も少なくないだけに、中央機関は支援を強化してもらいたい。
 より根本的な問題として低預貸率がある。26年3月末の預貸率は信金業界が51%、信組業界が61%で地方銀行の79%と比べ低い。その背景には、認められた地域でしか営業できない制度上の制約と、その地域が人口減少などにより、縮んでいることがある。
 稚内信金の地域内貸出シェアは5割と高いものの、預貸率は2割を切っている。積極的に地元で融資していても限界があり、余資運用に頼らざるを得ないのが現実だ。こうした事情は多くの信金・信組に共通する。
 地域経済を活性化させ、資金需要を生み出す取り組みは重要だが、実現は容易ではない。規模を追わない経営への転換や運用部門の強化、合併など、あらゆる選択肢を検討し、低預貸率でも地域を支える役割をしっかり果たせる経営を考える必要がある。2026.8.21


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