 
日本金融通信社の宮岸社長(左)から賞牌を授与される深井頭取(10月7日、本店)
パーパス営業と高効率経営実践
「月刊金融ジャーナル」を発行する日本金融通信社は10月7日、2025年度「ベストバンカー賞」を群馬銀行の深井彰彦頭取(64)に贈った。同賞は卓越したリーダーシップを発揮する金融機関経営者を顕彰している。群馬銀本店で行われた授与式で、宮岸順一・日本金融通信社社長が賞牌(しょうはい)と副賞30万円の目録を贈呈した。
 授賞理由は、「地方銀行のなかでも先行して、パーパス(存在意義)を軸とした経営や施策を展開してきた。RORA(リスクアセット利益率)経営の取り組みによって高効率経営も実現し、地元顧客の持続的成長への貢献はもとより、稼ぐ体制を着実に強化し、安定的かつ強固な経営基盤の確保に向けた努力を続けてきた」ことを挙げた。
 さらに、金融ジャーナルの「収益性・健全性ランキング」(25年3月期)では、地域銀行(地方銀行+第二地方銀行)97行のなかで総合ランキング14位と上位に位置することを評価した。
 このような伝統ある賞をいただき、大変光栄に思います。多くの行員の意見を基に制定したパーパス「私たちは『つなぐ』力で地域の未来をつむぎます」を軸とした施策や、RORA経営による個社別採算の改善に向けた取り組みなどが行内の隅々まで浸透したことで、着実に成果に結びつけることができました。今回の受賞は、さまざまな経営方針を営業店・本部・グループ会社の役職員一人一人がしっかりと理解し、それぞれの職場で日々粘り強く活動してきた結果であり、まさに“ベストバンク賞”だと捉えています。
 この受賞の喜びを役職員全員で分かちあうとともに、さらなる高みを目指して歩みを進めてまいります。なお、副賞については、地域の金融教育支援などに役立てていただくため、群馬大学に寄付をさせていただきます。
【目的】
取引先及び地域の発展に貢献した金融機関経営者を顕彰する。具体的には、営業方針の改善や利便性の向上、社会貢献活動などに卓越したリーダーシップを発揮した優れた金融機関経営者を顕彰し、これを奨励する。
【選考基準】
「財務面」の評価を基本的要件とし、「非財務面」の活動も評価に加え、客観的な視点で選考する。
財務面は、「月刊金融ジャーナル」の財務諸指標ランキングをもとに、その改善度や地元シェア、さらに収益性、健全性、成長性などを総合的に評価。
非財務面では、利便性の向上やサービス体制の改善、新しいビジネスモデルや金融技術の開発、地域経済の発展への貢献などで、いかに指導力を発揮したかに重点を置く。