月刊金融ジャーナル2024.5

月刊金融ジャーナル2024.5

『顔』
日本年金機構　大竹和彦　理事長

『サステナブルチャレンジ』
ヘルスキーパー育成・採用に尽力【しずおかフィナンシャルグループ】

第I特集　企業価値担保権融資はどう変わるのか

事業の価値全体を担保として認定する「企業価値担保権」の法案が、3月、国会に提出された。
かねてより「事業成長担保権」との仮称で検討されていた新たな担保権であり、長年、金融庁の主導で進められてきた事業性融資を強力に後押しするものとして期待されている。
この企業価値担保権によって、不動産担保や経営者保証などに依存せず、事業の実態や将来性に着目した融資は広がるのか。
制度の概要や、新担保権創設の背景、金融機関の導入に向けた課題などを幅広く検証していきたい。

背景企業価値担保権の創設とその背景
【武蔵野大学　片山直也】
仕組み事業性融資のための新たな全資産担保
【アンダーソン・毛利・友常法律事務所　粟田口太郎】
比較企業価値担保権と従来型担保権の比較
【一橋大学　山本和彦】
金融実務新たな担保権が金融実務に与える影響
【弁護士法人中央総合法律事務所　冨川諒】
労働者保護企業価値担保権と労働者保護の課題
【東京南部法律事務所　竹村和也】

第II特集　2024年度版主要18業種分析　目利きのポイント

世界的な物価・資源高の上昇が企業活動や家計の消費行動に影響を与えている。金融市場では2023年度中から1ドル140～150円台の円安と1990年代の「バブル期」以来の株高が続いている。加えて、2024年3月の日本銀行の金融政策変更を受けて、日本国内では金利上昇圧力も高まっている。経済活動の先行きを考えるにあたり、主要18業種の分析と2024年度の見通しについて各業界のアナリスト、専門家に解説してもらった。

（1）食料品（2）化学・繊維（3）鉄鋼・非鉄金属（4）機械（5）エレクトロニクス（6）自動車（7）卸・小売り、スーパー（8）建設（9）物流・運輸（10）リサイクル、産業廃棄物（11）不動産（12）情報通信（13）パチンコ、遊技（14）医療、福祉・介護（15）宿泊（16）外食・飲食サービス（17）学習支援・塾（18）銀行
【SBI証券】【大和証券】【（株）日本総合研究所】【山田コンサルティンググループ】【福祉医療機構】

臨時特集　災害復興と金融

2024年1月1日16時10分ごろ、最大震度7を観測する巨大地震が発生した。
この「令和6年能登半島地震」は石川県を中心に甚大な被害をもたらし、人的被害は1,546人、住家被害は11万6,023棟＊に及んでいる。
地域経済の復興、人々の生活再建に向け、金融は何ができるのか。東日本大震災からの学び、さらに現地の取り組みを紹介しつつ、災害復興に向けて金融に求められる役割を検証していきたい。

＊令和6年能登半島地震による被害及び消防機関等の対応状況／2024年4月12日現在