2025年11月7日号2面 金融庁、早期警戒制度見直し、監督指針改定へ
金融庁は、金融審議会の作業部会で「早期警戒制度」を見直す議論を始めた。年内に方向性を固め、地域金融機関向けの監督指針の改定を検討する。10月28日に開催した地域金融に関する作業部会で議論を開始した。将来の人口動向や金利見通しなどの定量的なデータを判断材料に加え、金融機関のモニタリングを強化する方針だ。
早期警戒制度は、金融機関が最低所要自己資本比率を満たしていても、健全性や収益性に懸念が…
2025年11月7日号3面 いわき信組、反社に資金提供、新規先融資1カ月停止
いわき信用組合(福島県)が設けた特別調査委員会は10月31日、旧経営陣が反社会的勢力に資金提供していたことを明らかにした。政治団体による街宣活動や、諸問題につけ込み金銭を不当に要求する情報誌の追及を免れるため、遅くとも1990年代から2018年頃まで複数の反社関係者・団体に便宜供与していた。金融庁は同日、同信組に新規顧客に対する融資業務の停止(11月17日~12月16日)を含む行政処分を発出。同信組は5月にも迂回(うかい)融資などで業務改善命令を受けている。
同委員会は報告書で一連の経緯や背景を公表した。以前の調査では、顧客の名義を無断使用するなどの不正融資で…
【写真】会見に臨む金成茂理事長(右、10月31日)
2025年11月7日号5面 地銀、医療支援で高まる存在感 DXの後押し急務
医療・介護業界の持続性の確保に向けて、地方銀行の存在感が高まっている。各地で進む高齢化を背景として、救急搬送や入院患者、訪問介護の利用者は増加することが予測される。現状の病院や介護サービスでは需要に対応できない可能性があるなか、経営支援のノウハウやスタートアップをはじめとした課題解決事業者とのネットワークを持つ地銀が、デジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする動きが出てきている。
「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となる2025年以降、医療・介護の需要が高まる可能性が…
【写真】25人が参加した地域課題解決DXコンソーシアム(10月30日、東京ミッドタウン八重洲カンファレンス)
2025年11月7日号6面 信金中金、有価証券フォロー注力、取引先の誤解に警戒
信金中央金庫は、信用金庫による有価証券運用の状況を注視している。国債の保有が多い傾向にある信金業界では、金利上昇による含み損が拡大。信金中金は、把握した状況に基づき、専門部署による個別信金のフォローアップに力を入れる。また、柴田弘之理事長は10月30日の決算会見で、取引先の誤解による混乱拡大に警戒感を示した。
信金中金による各信金へのフォローは、信用金庫部の「しんきんコンサルティングセンター」が…
2025年11月7日号8面 特集 バンカーに選ばれる金融機関、決め手は「ネット取引の利便性」
金融機関が個人向け金融サービスを強化している。金利が復活したことで、預金や融資、ボリュームを意識した経営へとかじを切った。新型店舗の拡大やスマートフォンアプリの利便性向上、ポイントプログラムでの囲い込みなど戦略は多様化する。読者にアンケートを実施し、環境変化が進む金融界で、選ばれる金融機関に必要なものを探る。
■決済口座、上位はメガバンク
決済口座(公共料金やクレジットカードの引き落としなど)で1番利用された金融機関は、三菱UFJ銀行だった。上位三つにメガバンク3社が入った。各社とも選ばれた理由として多かったのが…
2025年11月7日号10面 やさしいニュース解説 トークン化預金、信用×技術が生む新時代通貨
最先端のブロックチェーン(分散型台帳)技術を生かして銀行口座にある預金をそのままデジタル化する「トークン化預金(デポジットトークン)」が、身近な決済手段の姿を変えようとしています。次世代決済の土台として有望視される“デジタル経済の血流”は、世界的に話題の「ステーブルコイン」や「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」とは何が異なり、企業や家計の決済にどう関わってくるのかをひも解きます。
■そもそも「トークン化預金」とは?
トークン化預金は、民間金融機関が発行体となり、預金をブロックチェーン上に「デジタルの証票(トークン)」として表現したものを指します。口座を利用する預金者の立場から見ると…
2025年11月7日号17面 秋の叙勲・褒章、金融界から31人
政府は、2025年「秋の叙勲・褒章」受章者を発表した。金融界から31人が選ばれた。金融庁推薦では、旭日大綬章を受章した前田晃伸・元みずほフィナンシャルグループ社長など25人。財務省推薦では、武藤敏郎・元日銀副総裁など6人が受章した。
2025年11月7日号18面 福井銀行金津支店、4カ店で事例を共有、行員の成功体験へ
【金沢】福井銀行金津支店(田中誠支店長=行員13人、渉外担当4人。パート1人)は、芦原、三国、大聖寺各支店を含めた4カ店で構成する嶺北エリアの統括店舗。各店の成功事例を共有し行員の成功体験につなげる「正しいアプローチ事例共有会」を立ち上げ、実施したことが奏功。2024年度下期は、幅広い顧客との取引拡大などが評価され、地域まるごと支援賞を受賞した。
田中誠支店長は2024年7月に着任。すぐに取り組んだのが顧客訪問の強化だ。銀行全体で「現場力向上」を目指すなか…
【写真】毎月、成功事例を共有することでレベルアップにつなげる行員(10月20日、福井銀行金津支店)