2026年10月9日号2面 金融機関、貸出金利「周回遅れ」懸念、利上げペース加速で
金融機関では、日本銀行の利上げペース加速を受け、貸出金利の機動的な改定を通じた収益面での追随力が一段と問われている。一部の銀行や信用金庫、信用組合では、日銀による6月の追加利上げを踏まえた短期プライムレート(短プラ)の改定前に、さらなる政策金利の引き上げが決まり、レート改定が「周回遅れ」となるケースも出始めた。利上げスパンの短期化が、動きの目立つ金利環境への対応力の差をあらわにしつつある。
日銀は、9月の金融政策決定会合で“3カ月間隔”での追加利上げに踏み切り、その際の総裁会見で「局面変化」を強調。インフレ下の2%物価安定目標達成や物価上振れリスクを念頭に…
2026年10月9日号4面 三菱UFJ信託銀行、賃貸借仲介に着目、手数料収入 年10億円
三菱UFJ信託銀行は、取引先企業がオフィス移転する際の賃貸借仲介を専門に行うビジネスに着目し、手数料収入を年間10億円規模まで広げている。成約件数は減少傾向にあるが、募集物件不足・賃料上昇が加速する中、1件当たりの手数料が増加。「借りる」だけでなく、近年は売買仲介を担う担当部署と連携しながら、「買う」「現状維持」などの選択肢も交えた比較提案が強みとなっている。
専担チームは約40人で構成するテナントリーシング営業部。賃貸借仲介を専門に手がける金融機関で唯一の部署だ。同行営業店に加え…
【写真】賃貸情報を分析・協議するテナントリーシング営業部の(左から)課長、営業推進役、福田剛部長(9月8日、三菱UFJ信託銀行本店ビル)
2026年10月9日号5面 北国銀行、受付発券システム開発、データで店舗運営高度化
【金沢】北国銀行は、来店客の受付発券システムを新たに自社開発した。来店予約と連携して、スムーズな窓口案内の実現を目指すとともに受け付けデータを活用する。10月から順次導入し、2026年度中に全65カ店に広げる。
新システム「CQ(CheckinQ)」の特長の一つが、来店受け付けのタブレット端末画面で予約の有無を振り分けることができる点。予約客をスムーズに案内できる上…
【写真】汎用タブレットを活用し、受け付け状況などはディスプレーに表示される(奥、北国銀行提供)
2026年10月9日号6面 しんきん地域創生ネット、脱炭素 中小関心逃さず、信金・自治体と連携
信金中央金庫のグループ会社「しんきん地域創生ネットワーク」は、中小企業の脱炭素支援事業を各地で受託しており、信用金庫や自治体との協調を深めている。大企業のカーボンニュートラル施策が成熟する中、中小企業が経費削減などの観点から示す関心を捉えたい考え。神奈川県では2024年度から請け負う太陽光発電導入に関する事業が3年目に突入した。
同社はこれまで、沖縄市で、脱炭素の推進に関する相談・窓口業務、広島県呉市から中小企業の脱炭素経営支援など複数の事業を受託。いずれもコザ信用金庫や呉信用金庫と連携し…
【写真】同社社員が登壇した南足柄市のセミナー(9月30日)
2026年10月9日号7面 青木信金、年1万件をプロセス評価、課題解決支援へノルマ廃止
青木信用金庫(埼玉県、木滝崇弘理事長)は、取引先への課題解決支援の取り組みとその過程を評価する仕組みについて、2025年度は約1万件の活動が対象となった。同信金は2022年度、木滝崇弘理事長の就任に合わせて職員に課していた営業ノルマを全面的に廃止。職員表彰や考課制度で、プロセス評価を開始した。
この仕事が本当に地域の役に立っているのだろうか――。ノルマを課していた当時、個人営業では預かり資産の販売、法人営業でも融資の実行そのものが目標となってしまう場面が多くあった。若手職員を中心に…
2026年10月9日号8面 改革の旗手 土居崎寿滋・あいおいニッセイ同和損保 常務執行役員
走行データで未来創る
自動車の走行データを保険料に反映させる「テレマティクス保険」。2014年から、その開発に携わるようになり、事故発生時の対応だけでなく、顧客の日常にある安全運転を支える次世代の自動車保険に進化させてきた。あいおいニッセイ同和損害保険のテレマ保険の加入件数は足元で約220万台まで広がり、そこから得られた膨大なデータは、街づくりや自動運転技術の未来を切り開こうとしている。
■良くなかった商品イメージ
2004年に国内損保会社で初めてテレマ保険を開発した同社は、10年代半ば、トヨタ自動車がインターネットでつながるコネクティッドカーを本格展開する動きに合わせて…
【写真】土居崎寿滋・あいおいニッセイ同和損保 常務執行役員
2026年10月9日号17面 みずほFGと九州FG、ECサイト起点に復興支援、災害後連携のモデルに
みずほフィナンシャルグループ(FG)と九州FGは、熊本地震の復興支援において、電子商取引(EC)サイトを起点とした連携を深めている。9月、九州FG子会社が運営する「よかもーる」を通じ、遠隔地に住むみずほFG社員も支援に参加できる仕組みを導入した。災害発生後の金融機関連携のモデルケースとして、今後の波及にも期待を寄せる。
「九州みらいCreation」が運営するよかもーるは、熊本県・鹿児島県・宮崎県からなる南九州の特産品を取り扱う。みずほFGの役職員に専用のコードを配布し…
【写真】ECサイト「よかもーる」(九州FG提供)
2026年10月9日号18面 福井銀行敦賀支店、合併前の人心融和に注力、カニ複合施設開業を支援
【金沢】福井銀行敦賀支店(中野圭昌執行役員支店長=行員34人うち渉外16人。パート6人)は、福邦銀行との5月の合併前から行員の人心融和に注力。事業承継案件では情報共有がスムーズに進み、M&A(合併・買収)の活用を軸に伴走を続ける。また、海産物販売業者の複合施設開業を支援。グループ一体で資金面や土産物の開発、旅行客の誘客に取り組む。
中野圭昌支店長は2025年7月に着任。重視したのが人心の融和。10カ月後の合併を控え、行職員間の接触頻度を高めることに注力した。支店長など管理監督職層では月に1回会議の場を設置。福井銀行が営業担当者間で…
【写真】かにファクトリー内で談笑する中野圭昌支店長(左から3人目)杉坂昌紀副支店長(同2人目、現・舞鶴中央支店長)、瀧ケ花亮祐主任(左)と増田学専務(9月9日、敦賀市)