2026年7月24日号3面 地銀、貸出支援オペ償還進む、調達多角化 バーゼル対応も
日本銀行の貸出増加支援資金供給制度(貸出支援オペ)の償還が進む中、地方銀行の資金調達が多角化の兆しを見せている。平均預貸率が80%前後で推移する一方、金利上昇局面で預金の獲得競争は激しさを増す。バーゼル規制である流動性カバレッジ比率(LCR)や安定調達比率(NSFR)も踏まえ、普通社債の発行やローン証券化、気候変動対応オペに注目が集まっている。
貸出支援オペは2013年、金融機関の積極的な融資促進、市場の資金需要の拡大を目的に開始。新規受付を終了した2025年6月…
2026年7月24日号4面 みずほ信託銀行、地域金融の承継人材育成、学習・営業ツール80先へ
みずほ信託銀行は、地域金融機関の相続・承継人材の育成支援を本格化する。7月23日に提供を始めた学習ポータル「チエシル」は、足元で地域銀行や信用金庫など十数先が導入の意向を示している。研修動画や民事信託用のマニュアルを提供するほか、最適な承継プランを提示するアプリも実装。リスキリング(学び直し)を通じて相続口座の早期囲い込みを後押しし、地域金融力の強化につなげる考え。引き合いは強く、導入金融機関は5年で80先まで広がると見込んでいる。
利用者数にかかわらず、1社当たり月額30万円から契約が可能。同行やみずほ銀行が利用する研修動画や、税金の試算ができる営業ツールなども使える。メールアドレスごとにIDを付与し…
【写真】「チエシル」のトップ画面(みずほ信託銀行提供)
2026年7月24日号5面 紀陽銀行、IR体制 強化、面談増やし開示充実
【大阪】紀陽銀行は、投資家向け広報(IR)活動に注力している。機関・個人投資家との面談を増やすとともに、大阪エリアでの成長戦略など開示内容を充実。機関投資家との接点確保には東京での活動が有効と考え、4月に新設したIR推進室の行員を東京事務所に常駐させるなど行内体制を強化する。株式の売買代金や株価収益率(PER)のさらなる向上を目指す。
東京証券取引所が2023年に資本コストや株価を意識した経営を要請したのを機に、上場企業として資本市場に向き合う必要性を改めて認識。その上で、投資家とのリレーションにおいて…
【写真】森下友絵主任と今後のIR戦略について話し合うIR推進室の中西強室長(左)と島名拓真主任(左から2人目、6月12日、紀陽銀行本店)
2026年7月24日号6面 信金中金、脱炭素へ金融支援充実、PIF枠組み整備検討
信金中央金庫は、信用金庫取引先の脱炭素化支援に向け、本業である金融面でより踏み込み、メニューを充実する。2026年度中にもポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)活用を希望する信金向け支援の枠組みを用意する方向で検討している。サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)組成支援などに加え、より高度な手法の活用を志向する信金をサポートする。
信金業界は、脱炭素セミナーや二酸化炭素排出量の算出サービスの提供などを通じ、中小企業の意識を醸成してきた。信金中金は、省エネ診断や設備導入に関する…
【写真】環境省や各信金などから担当者が登壇した信金中金と全国信用金庫協会がウェブで配信した脱炭素セミナー(7月16日、信金中金提供)
2026年7月24日号7面 大垣西濃信金、AI支店長が運営指南、暗黙知を形式知へ
【名古屋】できる支店長の暗黙知を形式知に――。大垣西濃信用金庫(岐阜県、小川章理事長)は、支店長の運営手法を学べる生成AI(人工知能)ツール“AI支店長”で店舗運営の質向上に取り組む。6月から3カ店で試験的に導入しており、10月以降にも全店展開を目指す。
生成AIツールを展開するイマジエイト(東京都)のアプリ「AIフォワードハブ」で同信金が開発した。優秀な支店長3人へのインタビューから構築した対話ツールだ。支店運営に特化した生成AIツールの導入は…
【写真】AI支店長に支店運営について質問する事務統括部の近藤厚士副部長(左)と若山謙一部長(6月23日、大垣西濃信金本部)
2026年7月24日号10面 実像 揺らぐ病院経営再生、地域医療再構築のハブへ
経営環境が悪化する医療業界の支援が急務となっている。日本医師会の調査では、2024年度時点で医業利益が赤字の病院は69.5%で、足元では倒産も目立つ。地域住民の命に直結する重要インフラの維持へ、地元に精通する地方銀行が果たすべき役割は大きくなっている。
■通用しない従来モデル
「病院経営はかつてない困難な状況が続く」。医療関係者が異口同音に語る。病院の収入源となる診療報酬は、国が決めているため上限がある一方…
【写真】仙台市内で医療関係者と意見交換する七十七銀行のヘルスケアチーム(7月15日、七十七銀行提供)
2026年7月24日号16面 西武信金、「やさしい職場」推進、横断的連携で体制構築
西武信用金庫(東京都、高橋一朗理事長)は、7月からこども家庭庁が推進する「こどもまんなか」の趣旨に賛同し、子ども・若者・子育て世代を地域全体で支える取り組みを始動した。本部各部署が横断的に連携する体制を構築し、本業支援、投融資、子育て応援や役職員の働き方改革などを一体的に推進。顧客や地域から選ばれる「やさしい」金融機関の役割を体現していく。
7月1日に専門部署「はぐくみサポート室」を公益公協部内に新設した。事業支援部や人事部、ウェルビーイング室など関連部署が緊密に連携。本業支援では…
【写真】打ち合わせする山口敬子常勤理事部長兼室長(右)と公益公協部のはぐくみサポート室職員(7月8日、西武信金本店)
2026年7月24日号18面 北都銀行大曲支店、事業性理解深め課題解決、毎週会議で知恵結集
【仙台】北都銀行大曲支店(櫻庭悠晃支店長=行員23人うち渉外6人)は、重点を置く取引先を中心に事業性評価による分析を行い、課題を抽出。法人担当者10人が出席する「事業性理解ミーティング」で提案策を絞り、人材マッチングなど課題解決へとつなげる。事業性評価活動の業績評価特別項目では2025年度上期から2期連続で表彰された。
大仙市を営業地区に、櫻庭支店長はサテライト店の大曲南支店の支店長も兼務。限られた人員で最大の成果を上げる推進体制の構築を目指す。具体的には…
【写真】日頃のミーティングで随時、案件情報や企業ニーズなどを把握する櫻庭悠晃支店長(左から2人目、7月10日、北都銀行大曲支店)