2025年7月11日号1面 地銀、法人預金流出を警戒、メガ銀、決済戦略強化で
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地方銀行は、中小企業の法人預金流出に警戒感を高めている。メガバンクが安価な振込手数料などを武器に中小の決済性預金の確保に動き出しており、一部地銀は法人預金の粘着性強化や、地元取引先の預金口座の分析高度化を急ぐ。「金利ある世界」が戻って以降、個人預金に伸び悩みの兆しがあることが背景にある。
緊張感を高めたのが、三井住友フィナンシャルグループが5月に始めた口座や決済に関する機能を一気通貫で…
地方銀行は、中小企業の法人預金流出に警戒感を高めている。メガバンクが安価な振込手数料などを武器に中小の決済性預金の確保に動き出しており、一部地銀は法人預金の粘着性強化や、地元取引先の預金口座の分析高度化を急ぐ。「金利ある世界」が戻って以降、個人預金に伸び悩みの兆しがあることが背景にある。
緊張感を高めたのが、三井住友フィナンシャルグループが5月に始めた口座や決済に関する機能を一気通貫で…
いわき信用組合の巨額不正融資事案は、地域経済の疲弊に苦悩する金融界の潜在的課題を映す。業況不芳企業への「追い貸し」や、権力集中化を背景とした依存体質がけん制機能を鈍らせ、長期に及ぶ不正の温床を醸成。対面関係を重視し、地元を支えてきた地域金融機関は、組織内外の距離感を再考する場面に差し掛かる。
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「“明日は我が身”と感じたトップは少なくないだろう」。いわき信組の不正事案に関する…
金融庁は、金融機関の融資規律の緩みに懸念を示す。大手行や地域銀行へのモニタリングを通じて、資金量が多い有力行が債権者に含まれる「ぶらさがり融資先」と地元以外の「越境貸出先」で、審査・期中管理がおろそかとなり、粉飾を見過ごした事例を把握。「メインバンクがしっかりやっているだろう」(同庁)との思い込みにより、融資の規律が緩んでいたならば「深刻な欠陥」として、直ちに改善するよう求めた。同庁は今後も、金融機関の規模を問わず信用リスク管理態勢の高度化を促していく。
2024事務年度、同庁は大手行と地域銀の予兆管理態勢や予兆検知状況などに関する…
群馬銀行はグループ会社を含む全従業員へのインセンティブ制度として、2028年3月末の中期経営計画終了時点の株価に応じた株価連動型報酬(株価連動型特別一時金)を全従業員へ支給する。従業員の経営参画意識と株価に対する意識を高めることが目的。全従業員に1人250株、臨時従業員に1人50株を疑似的に付与する珍しい仕組み。支給日は28年6月。支給総額は11億円程度(25年3月末株価で計算)となる見込みだ。
4月に開始した中期経営計画の遂行に向けて、グループ一体で取り組むことを目的に…
【札幌】旭川信用金庫(北海道、武田智明理事長)は7月14日、これまで営業店が担ってきた相続事務の同信金事務部相続センターへの集中化を完了する。一部店舗で試行していた集中化を全40カ店に拡大。営業店職員の事務負担を減らし、その時間を課題解決の提案などに振り向ける狙い。
同信金が取り扱う相続案件は年間約3千件。そのうち預金が少額の先などを除く…
信金中央金庫は、業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援に積極的な姿勢を見せている。7月には仙台、広島、福岡でセミナーを実施。中央団体の説明会などに参加しやすい東京近郊に限らず、全国的にサポートを展開していきたい考え。また、業界のeラーニングシステムにも機能を追加し、一般職員のリテラシー向上にも努める。
7月に開催するのはDX推進基礎セミナー。全国信用金庫協会が2024年度までの2年間、東京都内で…
【高松】積んできたキャリアは異色だ。外資系金融機関を振り出しに日本銀行の支店長やフィンテック企業のCEOなどを務めた。6月に頭取に就き、高知で「幸せな人、企業を増やしたい」という熱い思いを抱く。地域銀行で初の女性頭取として注目が集まるが、これまでに培った知見やネットワークを活用した、地域に活力を生む施策に期待が高まる。
■小規模にも利ある
高知県の人口は70万人弱。人口動態では自然増減率が全都道府県の中で下位にあり、経済規模も小さい。「小規模な経済や人口減少など否定的に捉えられやすいが…
【写真】河合祐子・高知銀行頭取
事前質問で時短傾向
金融界(銀行・証券・保険)の2025年3月期定時株主総会が6月13~27日に開催され、株主との間で株価純資産倍率(PBR)、再編・統合などを巡る対話が行われた。株主提案は11社で合計45議案に上り、アクティビスト(物言う株主)の存在感が高まった。事前の情報発信や質問受け付けにより、開催時間は短縮傾向となった。
■企業価値向上が焦点
株主からの質問で多かったのが、「PBR1倍」を意識した企業価値向上に関するもの。プライム市場上場企業に期待されるPBR1倍の…
【写真】3メガバンクグループの株主総会はいずれも100分を超えた(三井住友フィナンシャルグループ、6月27日)
【福岡】「経理担当者と関係が希薄で、他行との競争に負けた」「情報整理が甘く、案件会議でうまく説明できなかった」――。こうしたミスを防ぎ、営業力を高める漫画を筑邦銀行が制作し、このほど全行職員に配布した。シナリオの元となるエピソードなどは、経験豊富な行員から集めた営業のノウハウだ。
企画したのは営業店支援を行うクロスファンクショナルチームの利光信哉調査役。「センス」と思われることもある営業のこつを…
【写真】漫画を持つ利光信哉調査役(左)と西口典孝営業統括グループ長(7月4日、筑邦銀行本店)
【金沢】北陸銀行金沢中央エリア(金沢中央支店・大徳支店=浜田貴英支店長<6月20日付で国際部長に昇格>。行員35人うち渉外6人。パート4人、嘱託1人)は、大口取引先への提案型営業を通して融資の獲得につなげている。新たに古民家改修を始めたハウスメーカーには、事業に対する地元の支持を得るため、行政や住民と対話する機会を提供。円滑な参入への「地ならし」をした。
エリアは業種を問わず県内でも指折りの大手企業が多く、近年は金沢駅周辺の再開発などで…
【写真】東一寛社長(左から2人目)らと情報交換する浜田貴英支店長(同3人目、6月3日、クロダハウス)
【Nikkin 金融講座】 |
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投信窓販優績者に聞く | 西日本シティ銀行・安部 有香さん めげない心でアプローチ |
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投信ビジネスの勘所 | 分類別で見る複合資産ファンド |
インタビュー (6面) 「ニッキンONLINE」に掲載 |
植村 幸弘・京都中央信用金庫理事長 課題解決、成長を支援 |
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地域に愛され信頼される信金ファイターズ(11面特集) | 信頼とお客さまへの感謝 |
インサイト キーパーソンに聞く<168>(15面) |
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全国539金融機関の資金量・融資量ランキング(2025年3月末)(16・17面特集) | |
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