2026年3月27日号1面 担保と覚悟(下) 変わらぬ対話の大切さ
事業性融資推進法は、不動産担保や経営者保証など、これまで金融機関が頼ってきた融資モデルの是正を掲げる。事業全体を担保とする挑戦は、どのように実現するのか。各金融機関が融資の新しい姿を模索する。
全国地方銀行協会の片岡達也会長は、3月18日の記者会見で新制度について、件数ではなく、有用な事例を蓄積すべきとして「じっくりと最適な案件を見つけていくことが必要」と話した。地銀協は…
【写真】AIによる分析結果を確認する菅井佑允・Fivot COO(3月5日、東京都港区)
2026年3月27日号2面 公金収納手数料の適正化、総務省 実態調査へ、交付税見直しも視野
地方公共団体の公金収納事務の手数料適正化に向けて、総務省が4月1日付で地公体と指定金融機関との調整や手数料適正化状況についての実態調査を行うことが分かった。調査後、調整を急ぐよう要請する通知を発出することや、地公体の手数料負担を軽減する交付税措置について、手数料負担の実態に即して必要と判断した場合増額も検討する。一方、公金収納コストの軽減につながる地方税統一QRコード(eL-QR)の導入状況についての実態調査を行うことも判明した。
総務省は2025年度から地公体の負担軽減のための交付税措置を始めたが、銀行界から「手数料見直し以外の用途に交付税が使われている」などの…
2026年3月27日号4面 千葉・武蔵野アライアンス10年、再編なき連携 進化へ
千葉銀行と武蔵野銀行の包括業務提携「千葉・武蔵野アライアンス」が3月に発足10年を迎えた。合併や経営統合によらない連携モデルとして東京市場の開拓などを進め、提携効果額は累計338億円を超す見込み。新たな5カ年計画では“進化した地方銀行の姿”を描く。
■全領域で協業進める
「違う会社でこんなにスピード感を持って取り組めたのはすごいこと」。発足10年の記念動画で米本努・千葉銀行頭取は強調した。
2016年3月の発足時…
【写真】連携施策で生まれた取り組みを表彰する「第7回アライアンス表彰式」。(下段中央の左から)米本努・千葉銀行頭取と長堀和正・武蔵野銀行頭取(2025年5月30日、千葉銀行東京事務所、武蔵野銀行提供)
2026年3月27日号7面 都内信組、「社会的金融」議論重ねる、実態把握に課題も
東京都内の信用組合は、非営利組織(NPO)など社会的企業への融資拡大に向けた議論を重ねている。東京都信用組合協会が実施した管内信組向けアンケートでは、少なくとも2024年度に102件、2025年度に82件の実績があったと判明。一方で、対象となる融資の定義や把握方法の課題も明らかになった。2026年度には営業店向け勉強会の開催も目指しており、論点整理を急ぐ。
都信協は、ソーシャルビジネスを展開する組織・事業者への支援を強化しようと、2025~2027年度の3カ年計画を策定。2025年10月には…
【写真】意見交換会で議論に加わった日本公庫の担当者(左、3月16日、東京都中央区)
2026年3月27日号8面 特集 地方創生2.0に挑む(6)
■山口FG、「小さな官民連携」推進、民間資金活用し面的再生
【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)が地域の面的再生に取り組んでいる。手法の一つに位置づけるのが、地方公共団体が所有する廃校や利用されていない公共施設など、小規模な遊休不動産を民間企業が利活用するスモールコンセッション。「地域の将来像を描き、できるかぎり民間資金を使って、事業化していく」(山口FG地域共創室)ことを目指す。
国土交通省が3月上旬、スモールコンセッション形成推進事業の募集を締め切った。遊休不動産を抱える地公体に対し…
【写真】山口FG主催の「地域共創人財育成研修」で成果報告する受講者たち(2月10日、山口FG本社)
2026年3月27日号11面 野村証券、サステナ投資加速、案件数倍増 対象も拡大へ
野村証券は、サステナブルな社会の共創・支援に向けて2025年3月に公表した投資スキームによる自己投資を加速する。2025年度は環境・エネルギーの領域で、2社に対して数千万円から数億円程度の投資を実行。2026年度は専任者を増員して6人体制とし、健康・教育分野なども視野に「4~5件程度の投資実行を目指す」(サステナブル・イノベーション事業開発グループ)としている。
この投資スキームは、先進的な技術を事業化する未上場企業やプロジェクトを対象に長期目線で自己投資を行い…
2026年3月27日号15面 特集 北海道のGX金融特区、産官学連携し投融資加速
【札幌】洋上風力をはじめとする再生可能エネルギーの潜在力が国内随一とされる北海道で、グリーントランスフォーメーション(GX)産業の集積を推進する機運が高まっている。2023年4月の主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境大臣会合の札幌開催を機に、北海道と札幌市が「脱炭素社会の未来を拓く北海道・札幌宣言」を発表してから3年が経過。AI(人工知能)の普及で電力需要が急増し、エネルギー安全保障が国家的な課題として浮上していることも背景にある。北海道・札幌市は2024年6月に政府から「GX金融・資産運用特区」に指定され、10年間で最大40兆円の関連投資を呼び込む計画。道内金融界は産学官と連携し、札幌市にGX関連の資金や企業が集まる「アジア・世界の金融センター」の実現を後押しする。
■21機関で協議体発足
北海道の魅力は、人口約200万人を抱える道庁所在地・札幌市の近くに豊かな自然が広がり、再エネで生産した電力の地産地消に…
【写真】GXファンドへの出資を表明した(左から)兼間祐二・北海道銀行頭取、阿部修平・スパークス・グループ社長、秋元克広・札幌市長、津山博恒・北洋銀行頭取(2025年11月25日、京王プラザホテル札幌)
2026年3月27日号18面 山形銀行県庁支店、県と独自キャンペーン、リーフレットつくり回覧
【仙台】山形銀行県庁支店(宇野泰寛支店長=行員14人うち渉外8人。パート5人)は、山形県庁職員や教職員など4千人超を対象とする個人営業が運営の柱だ。1月9日の県庁支店開設70周年を契機に、県農林水産部とタイアップした独自の企画が実現。投資信託や積立投信、定期預金などにジュースなどの販促品を付けて推進し、契約件数を伸ばした。
県庁職員のみならず外郭団体職員など多くの顧客が日中、業務で多忙のため、電話によるアポイントを1日最大30件ほど取って夕方や…
【写真】高橋和博・山形県農林水産部長(右)とタイアップ企画について話す宇野泰寛支店長(3月2日、山形銀行県庁支店)