ニッキン抄 2024.2.2
変動相場制への引き金となったニクソン・ショックの翌1972年。大手証券会社が打った広告コピーが話題となった。「円は離陸した」。為替のルールが変わるなか、投資も国際的な視野で――。新時代の資産選択をそう訴求した▼時を経て、円はそのコピーのごとく“テイク・オフ”の様相だ。個人マネーの海外株志向が急速に強まっている。新NISAの開始でその流れは勢いづく。日本総研によると、海外への資金流出額は最大年4兆円になるという▼「貯蓄から投資へ」のシフトは喜ばしい。が、期待の日本株への流入は高配当銘柄などに限られるようだ。企業の株価純資産倍率（PBR）改善などで内外ともに目を向ける投資家を増やしたい▼一方、新NISAを利用した投資詐欺も耳にする。社会の変化に乗じて悪事を働く者は後を絶たない。ここは72年にもあったキャッチコピーを今年も流行（はや）らせねば。「ウマイ話にゃ毒がある」。2024.2.2
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