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社説 中東情勢の悪化に備えよ

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 米国とイスラエルが2月28日、イランを軍事攻撃し、中東情勢が一気に緊迫した。世界経済への影響も懸念される。金融機関は市場の動きや、取引先への影響に注意しながら、適切に対応してもらいたい。中東だけでなく、海外にいる駐在員の安全確保にも気をつけたい。
 3月2日の日経平均株価の終値は前週末比で793円下げた。心配されたほど大きな下げとはならなかったが、予断は許さない。同日、トランプ大統領は作戦について「4~5週間と見込んでいたが、それより長期にわたって実行する能力がある」と表明した。緊迫した中東情勢が長期化すれば、影響は広い範囲に及ぶ。高市政権発足後、上昇基調にあった株式市場の重荷となる。為替や金利の動きにも注意が必要だ。
 最も危惧されるのが、原油や天然ガスなどエネルギー供給への影響だ。日本が輸入する原油の約9割は中東地域からで、ホルムズ海峡の閉鎖が続けば原油価格が高騰し、物価上昇の圧力となる。取引先の事業への影響も検討し、必要な支援策を早めに準備するなど、事態の長期化も想定した対応が求められる。
 イランの報復により、中東全域の安全が脅かされる状況になった。イランの反撃がテロ化し、泥沼になる恐れもないとは言えない。当面は中東以外でも安全確保が課題になろう。
 ロシアがウクライナに侵攻して4年。中国も台湾への軍事的圧力を強めるなど、大国の国際ルールを無視するかのような強権・横暴ぶりが目立つ。米国とイスラエルによるイランへの攻撃も、国際法上の正当性を欠くとの指摘があり、これまで築き上げてきた国際秩序が崩れ、世界の分断の色が濃くなっている。
 日本を含め、国際社会が団結し、早期の事態打開へ働きかけを強めなければならない。一般市民から多数の犠牲者が出るようなことが許されるはずはない。2026.3.6


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