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社説 ベア軸に全世代の賃上げを

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 金融機関で賃上げが広がっている。「金利ある世界」が戻り、多くの金融機関で収益力が改善しており、従業員への還元を増やすのは当然だ。経団連は今年の春闘でベースアップを産業界に呼びかけた。金融界も全世代の賃金を引き上げるベアの実施が望まれる。日本社会全体で物価の伸びを上回る賃上げ実現が期待されるなか、金融機関が率先して動くことで、他産業への波及効果もあろう。
 賃上げが広がる背景には、好調な業績に加え、強い政府の要請や人手不足感がある。3メガバンクの従業員組合は3~4%のベースアップを要求し、経営側も応じる姿勢だ。地域金融機関でも賃上げ発表が相次いでいる。三菱UFJ銀行や三井住友銀行は、初任給の引き上げなどを含めると2026年度の実質的な賃上げ率は10%を超える見通しだ。
 賃上げの動きが顕著になって4年。当初は、多くの業界で人手不足感が高まり、新卒採用競争が激化していることの対応策として初任給の引き上げが目立った。結果として若手優先となり、中堅以上の層には不満もくすぶる。
 厚生労働省の調査によると、2024年の金融・保険業の離職率は8%。全産業ベースの14.2%を下回っているものの、不満が募れば離職者の増加を招きかねない。モチベーション低下も心配だ。
 定年年齢の引き上げや役職定年廃止などシニア層の活用に向けた制度見直しと同時に、給与面の待遇を改善していく必要がある。
 生産性を高め、持続的な賃上げを実現していくことも課題だ。生成AI(人工知能)の活用などを進め、定型業務を効率化しながら、取引先支援やコンサルティングの質を高め、収益力を強化できるかが鍵になる。ただ、AIの活用で変わる働き方に不安を覚える人は少なくない。労使で将来を見据えた働き方について積極的に協議していくことが重要だ。2026.3.20


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