ニッキン抄 2024.10.4
スーパーの食品売り場で見かけると、つい手が伸びてしまう。形がふぞろいなど見た目に難がある「訳ありセール」。味は変わらないのに手頃な価格なのが売りだ。先日はバウムクーヘン1キロ詰め合わせを正規品の半額で購入した▼「製造過程で出た切れ端、焦げがあります」。店頭ポップにはそんな欠点表記があった。“傷モノ”を正直に伝える。単純なバーゲンセールよりも、買い手に価格が安いことの納得感や安心感を与えよう▼金融界でもネガティブな情報をあえて開示する動きが広がる。若手の「離職率」を今年の有価証券報告書で公表した地域銀は前年比倍増の10行超に。資産運用会社では運用実績が振るわない「不芳ファンド」の開示が始まった▼不都合な情報発信には勇気がいるが、逆に信頼感は増す。10月1日に内定を出した学生にも納得度の高い状態で入社してもらうため、仕事のリアルな大変さも含めたやりがいを伝えたい。2024.10.4
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