ニッキン抄 2025.1.1
アリストテレスの逸話から。夜バケツに金属球を入れ、水を蛇口から少量注ぐようにしておく。朝方、水でいっぱいのバケツからあふれた球がタライに落下、その音で飛び起きる――。目覚まし時計の起源とされる▼日本銀行による17年ぶりの利上げは日本経済を長い眠りから叩き起こす“目覚ましコール”となった。2回目の鳴動(追加利上げ)で取引先との貸出金利引き上げ交渉が本格化したが、今のところ許容する先が多いようだ▼難航が予想されるのは3回目以降の鳴動だろう。過去30年経験のない政策金利0.5%超え、さらに1%も視野に入る。企業の金利耐性への備えは十分か。日銀が「起こすタイミング」を慎重に見極めているのも分かる▼金融界は取引先の収益力強化や事業再構築支援へコンサル力を磨きたい。新年の干支、乙巳(きのと・み)は「劇的な変化の年」。目指す金融機関像へ、ヘビのごとく脱皮・覚醒してほしい。2025.1.1
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