ニッキン抄 2025.6.13
「少子」は本来「最も年が若い子」を意味する。「子が少ない」の意を持ったのは30年ほど前。手元の広辞苑で「少子化」を引くと、「出生率が低下し、子供の数が減少すること」の後に「1992年度の国民生活白書で使われた語」とある▼白書では、公的文書で初めて少子化の課題が分析された。家族社会学が専門で「婚活」の造語も生んだ山田昌弘氏は2007年の著書で、その時大胆な政策転換ができていれば「ここまで少子化が深刻化することはなかったろう」と記した▼24年の出生数は70万人を割り、深刻さは増している。政府が無策だったとは言わないものの、婚姻や出産の障壁を少しでも下げることができるのであれば、夫婦別姓など打てる手は全て打つ大胆さもほしい▼金融機関の婚活支援も目立つが、身近にもできることはありそうだ。家事の分担、子育て中の同僚のサポート。自身の行動を省み、心を新たにしたい。2025.6.13
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