2023年9月15日号2面 【実像】金利正常化「前夜」(下)利上げ交渉、問われる関係性

「預けるときも借りるときも低金利」という国内金融の世界観が転換しつつある。金利上昇は金融機関にとって長期的に収益メリットが大きい。一方、提供サービスの差別化などが進んでいない先にとっては、高金利預金の提示による顧客つなぎ留めなど資金調達コストの意図せぬ増加になりかねない。貸し出しでも条件更改のタイミングで、先々の金利情勢を見据えた難度の高い「利上げ交渉」が営業現場で待ち構える。経験の乏しい金利の上がる時代を意識した「行動」に本腰を入れる場面に差し掛かった。
■「価格」が映す“横並び”
日本の金融業を象徴する統計データがある。振込手数料に代表される国内の金融サービス価格だ。他の先進国に比べ…
【写真】上昇基調にある長期金利は9月11日、9年8カ月ぶりに一時0.7%台をつけた(東京都中央区)
ニッキンのお申し込み
ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。
申込用紙をFAX(03-3237-8124)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。