2026年10月2日号10面 実像 備えよ!次世代暗号、静かな時限爆弾 金融界の対応急務

量子コンピューターの実用化が迫る中、金融機関のシステムに広く使われる暗号の安全性が脅かされている。金融庁は「耐量子計算機暗号(PQC)」と呼ばれる次世代暗号への移行準備を急ぐよう、金融機関に促している。ただ、人材不足や古い機器の交換など課題は山積し、中小規模の金融機関にとっては、対策の入り口となる暗号台帳「インベントリ」作成のスタート地点にも立てていないのが実情だ。PQCへの移行目標である「2030年代半ば」に向けた現状と課題を探った。
■解読される危機が迫る
「Harvest now,decrypt later(今、収穫し、後で解読する)」。先進国の当局の危機感を表すフレーズだ。
分子や原子の総称である「量子」の性質を利用して高速計算を行う量子コンピューター。その驚異的な計算速度ゆえに…
【写真】量子コンピューターは大手ベンダーや海外のテック企業で開発が続いている。人工ダイヤモンドを使った技術で富士通が開発した試作機(9月8日、厚木研究所)
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