2023年4月7日号2面 実像 物価の番人 「難路」横たわる襷リレー(上)異例の金融政策 丸10年

アベノミクス「第1の矢」の“顔”として、異次元緩和を長期に渡って推し進めた黒田東彦・日本銀行総裁が4月8日に退任する。政府とのアコード(共同声明)に基づき「2%物価安定目標」を掲げ、中央銀行の大胆な行動によって国民の期待を短期間に膨らませて経済の好循環を生み出す戦略は、10年を経ても意図した的に刺さらない。一方、金融機関の有価証券ポートフォリオの弱体化や、市場機能の著しい低下といった先々の政策運営を縛る深刻な副作用が次走者の肩に重くのしかかる。
■経済「潮流」変えられず
「特定の指標を持ち出し、経済の実力からかけ離れた水準の達成を国民に約束することは到底、考えられないものだった」。元日銀幹部は…
【写真】黒田総裁は最後の定例会見で、異次元緩和について「成功だった」と振り返った(3月10日、日銀本店)
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