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ニッキン抄 2021.2.12

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 給与の口座振り込みは、昭和40年代に広がった。口座振替やクレジットカードの普及で、現金以外の支払い手段が可能になったことや、企業側の事務合理化ニーズが後押しした▼もう一つ見逃せない要因がある。昭和43年(1968年)12月に東京・府中市で東京芝浦電気府中工場の賞与支払資金が奪われた、いわゆる3億円事件である。富士銀行100年史は、事件を機に給振制度採用の機運が盛り上がったと記す▼半世紀が経過し、デジタル通貨による給与支払い議論が本格化してきた。実現すれば、キャッシュレス事業者や、口座開設に労する外国人労働者には朗報となろうが、先日の厚生労働省の会合では安全性への懸念が噴出した▼国内の年間給与支払額は200兆円を超える。その大半が振り込みされるのは、安全性への期待を金融機関が裏切らなかったからだろう。昨今、犯罪のデジタル化も著しい。新手段を解禁するなら、盗人対策など抜かりは許されない。2021.2.12


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