ニッキン抄 2021.2.19
歌手の森高千里さんは、ある日の仕事場で男性スタッフが口にした一言を聞き逃せなかった。「女ざかりは19だな」。その発言を歌詞にしたのが1992年のヒット曲「私がオバさんになっても」である▼「何げない言葉にカチンときた」。当時23歳の森高さんが対談で明かしている。今なら女性を年齢で揶揄(やゆ)するセクハラに当たろう。男社会の歪(ゆが)んだ考え――。女性蔑視の発言と批判された森喜朗氏が東京五輪組織委員会の会長辞任に追い込まれた▼スポンサーの金融機関からも「男女平等の精神に反する」と。何げない一言も組織を率いる立場となれば責任は重い。世界経済フォーラムの男女格差指数で日本は153カ国中121位。差別発言は低順位を立証したかのようだ▼森氏の後を継ぐ新リーダーは男女問わず対話を大切にするとともに失言にはご注意を。「関係ないセリフ、冗談じゃない」。森高さんの歌詞のように言われないよう。2021.2.19
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