ニッキン抄 2025.5.16
囲碁は古墳時代に中国から伝わり、江戸時代に黄金期を迎えた。徳川家康が強い碁打ちに俸禄を与え、手厚く保護したからだ。当時の棋士の晴れ舞台は「御城碁(おしろご)」。碁の家元である四家が代表者を出し、将軍の御前で対局する真剣勝負だった▼そこで常に好成績を収めた本因坊家は四家の筆頭格。ゆえに天下の才能が集まり、当主は一番強い弟子が代々受け継いだ。道策や秀策など歴代当主の対局記録は今も愛好家の手本となっている▼明治維新で幕府の庇護を失い、棋士たちは困窮したが、囲碁結社をつくり研鑽(けんさん)を続けた。その後、本因坊家は最後の当主が日本棋院に名跡を譲り、選手権の勝者が本因坊を名乗る今の形になった▼「金利ある世界」では筆頭格の銀行に預金が集まる。獲得競争は短期的には金利の高さが物を言うが財務体質やブランド力を含めた総合力が試される。やがて訪れる預金減少時代を見据え、“布石”を打つ必要がある。2025.5.16
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