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ニッキン抄 2021.6.4

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 米国は独立戦争の軍費調達で名刺大の「大陸紙幣」を大量に刷った。終戦間際には紙くず同然となったが裏面には葉っぱを模した偽造防止技術が施された。発明者はベンジャミン・フランクリン。今は百ドル紙幣に納まっている▼日本の最高額面紙幣の肖像は渋沢栄一に代わる。母国で資本主義の父と称される両人の共通点は営利のみならず倫理を重視したことだろう。渋沢が論語(道徳)とそろばん(経済)の調和を説いた話は殊に有名だ▼東京五輪開幕まで7週間。たとえ無観客でも世界から選手や報道陣ら約9万人が集う。変異株が増える新型コロナの危険と隣り合わせの大会となる。“商い上手”で知られるIOCも、自ら「中止」を申し出れば巨額の賠償リスクを負う日本政府も“前のめり”だが、そろばんはいったん脇に置き冷徹に開催可否を判断すべき期限が迫っている▼日米のお札の顔は「時間の浪費」を戒め、優先すべきは「公利公益である」と語りかけている。2021.6.4


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