ニッキン抄 2021.10.1
織田信長は桶狭間の戦いの論功行賞で、地侍の簗田(やなだ)政綱を第一の功績者とした。情報は鮮度が命。2万5千人の敵陣中、今川義元の居場所を特定する報告を即座に上げた功で、3千貫文の知行と一城を与えた▼3千貫は今の貨幣価値で3億円超という。当時の常識なら義元の首を挙げた武将や一番槍の手柄が数段上だが、その2人よりも手厚く報いた▼職業柄、正確な情報の価値を知る主君を持った政綱の気持ちは理解しやすい。華々しいスクープとは縁遠くても、小さな記事でも目をとめて読者や取材先から評価の言葉をいただくことがまれにある。そうした一言をこつこつためるのが記者冥(みょう)利(り)だと、駆け出しのころ教わった記憶がある▼速報の手段がのろしや早馬だった時代から数百年。インターネットの登場でニュースは瞬時に伝わるようになった。わが社も、遅ればせながらオンライン版を創刊し、今日から記事配信を始める。より鮮度を高め、いざ出稿です。2021.10.1
ニッキンのお申し込み
ご購読のお申し込みは、インターネット・FAXで受付けしております。
申込用紙をFAX(03-3262-2838)またはお近くのニッキン支社・局までお送りください。