ニッキン抄 2022.8.5
時代に関係なく必ずもうかる商売がある。ギャンブルの胴元に利得が集まる仕組みをハウス・アドバンテージという。胴元の取り分には相場があり、宝くじは約半分、競馬は約4分の1。逆に博徒は長く賭け続ければ必ず損をする▼金融の世界にも、かつて絶対に損をしないビジネスがあった。国営の郵便局が政府保証を付けて貯金を集め、旧大蔵省が国債金利に利率を上乗せして全額預かる。ピーク時の貯金残高は260兆円にのぼり、大部分が国債購入に充てられた▼今日、8月5日はその郵便貯金制度が始まった日。1874年に創設され、2007年の郵政民営化で幕を閉じた。事業を引き継いだゆうちょ銀行には現在も最盛期の7割の貯金が残り、その大半を市場で運用している▼昨今の市場環境はカジノ並みにスリル満点。運用難は同行最大の悩みでもある。誕生から15年経っても、自らの巨体に苦しむガリバーから目が離せない。2022.8.5
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