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ニッキン抄 2025.1.10

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 ドイツの経済学者マルクスは、演劇評論家になろうと考えたこともあるほどの芝居好きだった。亡命先のロンドンでも毎日のように劇場に通ったという。大のお気に入りはシェイクスピアの戯曲。著書「資本論」では、劇中のせりふを数多く引用している▼マルクスは裕福な家に生まれたが、言論統制を避けるため祖国を出て、亡命先で生涯を終えた。シェイクスピアは「ジュリアス・シーザー」第4幕で人生を潮に例えている。満潮に乗れば幸運に導かれ、無視すれば浅瀬に乗り上げる、と▼金利の上下変動も潮の満ち引きに似ている。水位を決めるのは、かたや月の引力、もう片方は中央銀行。国内金利は水面下のマイナス金利から脱して間もないが、あげ潮がこの先何年続くか予測は難しい▼今夜の月齢は11日。上弦の月(半月)から満月に向かう途上にあり、5日後に欠け始める。シェイクスピアは喜劇も悲劇もいいが、この1年の金融経済情勢が後者にならないことを願う。2025.1.10


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