ニッキン抄 2025.4.11
評論家の故大宅壮一氏は、「太陽族」など時代を鋭く切り取った多くの新語を生み出した。今や一般化した「口コミ」もその一つといわれる▼現代にタイムスリップした武士の奮闘を描いた自主映画「侍タイムスリッパー」は、まさにその効果だろう。昨夏の封切り時は東京のミニシアター1館上映だったが、SNSで人気に火が付き、あれよ、あれよという間に全国に拡大。興行収入は邦画で成功の目安とされる10億円を超えた▼大阪・関西万博が2日後に開幕する。工事の遅れなど後ろ向きの報道が先行した影響もあったか、前売り券の段階では苦戦したと聞く。ただ、184日の長丁場。口コミで評判が広まり、足を向けてもらうには十分な時間だ。地元金融機関も陰に陽に協力体制を敷く▼公式サイトによれば、万博は「地球規模のさまざまな課題に取り組むために、世界各地から英知が集まる場」。世界が変調を来しつつある今こそふさわしい。2025.4.11
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