2025年4月4日号1面 2%への覚悟(上)債券全面安の試練に直面、切望した「金利ある世界」

日本銀行が金融政策の正常化に舵(かじ)を切って1年がたった。「マイナス金利」解除とともに、短期金利の誘導を通じて物価や経済を操る「普通の金融政策」(植田和男総裁)に回帰し、1月には3年連続となる高水準の賃上げを見込んで二度目の追加利上げに踏み切った。金融界が切望してきた「金利ある世界」の色は濃くなり、先行して駆け上がる長期金利(10年国債利回り)は「2%」を視野に入れ始めた。半面、全面安に傾いた保有債券の含み損は急膨張。国内収益に頼る地域金融機関では、有価証券運用に頼らない経営モデル構築に向けた決断を迫られている。
■“備え”への甘さが露呈
金利敏感セクターの代表格である不動産業。大手デベロッパーの首脳は、年率2%超のインフレ局面に…
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