ニッキン抄 2025.9.19
「天災は忘れたころにやってくる」。物理学者で随筆家の寺田寅彦が語っていたとされる警句だ。防災への意識を高め、天災の被害を忘れてはならないことを説いている▼まもなく「奥能登豪雨」から1年が過ぎる。2024年9月21日、輪島市を1時間降水量121ミリ、24時間では412ミリという凄(すさ)まじい雨が襲った。その年の1月1日に発生した最大震度7の地震で地盤が緩んでおり、土砂災害などの被害が拡大した▼先月、能登へ帰省すると、実家の周りは家屋の解体が進み雑草が生い茂っていた。でこぼこの道路や傾いた電柱は何本もそのままで、地震と豪雨の爪痕が今なお残っていた。この現状をみて防災への意識を新たにした▼寺田寅彦は「正しく恐れる」という意味の言葉も残した。状況を正しく判断することの大切さを示している。天災を避けることはできないが、備えることはできる。過去の教訓を生かしていきたい。2025.9.19
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