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社説 好決算足掛かりに世界へ挑め

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 3メガ銀行グループの2025年4~9月期決算は、好調さが目立った。そろって中間期の最高益を更新。通期の連結純利益予想も引き上げ、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の2兆1千億円を筆頭に3社とも純利益は兆円単位の世界に入る。稼ぐ力が回復し、財務余力も高まった。好決算を足掛かりに、世界でのプレゼンス向上や国内産業育成へ、果敢な挑戦を期待したい。
 今回の好決算は国内で金利ある世界が戻り、利ざやが改善したことが大きい。米国の高関税政策の影響はあったものの、上期は「コーポレートアクションは非常に活発で、資金需要も強い」(中島達・三井住友FG社長)状況が続いた。
 不確実性は残るが、下期も同様の傾向は続くとみられる。日本銀行の追加利上げがあれば、さらに収益には追い風となろう。
 長く続いた国内の超低金利時代に積み上げてきた海外での投融資や海外金融機関への出資・買収も、好決算を下支えしている。さらに海外の成長を取り込んでいくためにも、資本の余力を生かし、過度にリスクを恐れることなく、投資していく姿勢が重要だ。成長が目立つアジア地域以外に目を向けてもいいだろう。
 MUFGの亀澤宏規社長は今夏の本紙インタビューで、時価総額で世界の金融機関トップ10入りも念頭に「株主などへの還元を行いながら、各国、各領域で買収を進めるだけの財務余力は十分にある」と述べている。3メガ体制になって20年。日本経済の低迷とあいまって低下した国際プレゼンスを挽回する時だ。
 国内では、日本経済の再成長へリスクマネーの供給を含めたスタートアップ支援を加速してもらいたい。金融と親和性のあるスタートアップの買収で自社のサービスを充実させたり、社会課題を解決したりすることも考えられる。望ましいのは顧客(取引先)と一緒に成長する姿だ。2025.11.28


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