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社説 反社取引は言語道断だ

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 反社会的勢力への便宜供与があったなどとして、いわき信用組合が10月31日、金融庁から1カ月間、既往取引のない新規顧客への融資業務停止命令を受けた。現金の支払いなど不適切な関係は20年超に及んでおり、信用を重んじる金融機関として言語道断の行為だ。
 いわき信組は1994年ごろから、幹部の素行や暴力団幹部との癒着を糾弾する街宣活動を右翼団体から受けるようになった。大口融資先の人物による仲介で解決金として当初3億円超を支払ったが、その後も仲介役となった人物からの脅迫が続き、2018年ごろまで複数回にわたり、追加の資金提供や融資の便宜供与を図るなどしていた。このほかにも異なる2社への不適切な融資や現金支払いがあったとされる。
 反社勢力との取引に関しては07年に三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀)、13年にみずほ銀行に対して行政処分が出されている。当時から関係遮断の重要性は認識されていたはずだが、断ち切れなかった。
 経営陣が断固たる姿勢を欠いていたことは明らかだ。結果的に金融庁が監督指針で指摘する「役職員の安全が脅かされることなどを口実に問題解決を遅らせれば、かえって被害を大きくする」事態を招いてしまった。
 過去の事例をみても、いったん反社勢力に付け入れられると関係を断ち切るのは容易ではないことがうかがえる。不当な要求、とりわけ脅迫・暴力行為の危険性があるような場合は躊躇(ちゅうちょ)せず警察に通報・相談すべきだ。いわき信組も、早めに相談していれば、問題の長期化を防げた可能性はある。
 この機会に他の金融機関も改めて反社勢力との取引を遮断できる態勢が整備されているか点検してもらいたい。反社勢力は隙をついて、取引を始めようとする。手口も巧妙化しており、入り口の防御が重要だ。2025.11.14


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