社説 市場の懸念晴らす政権運営を
2月8日に行われた衆院選は、定数465議席のうち自民党が単独で3分の2を超える316議席を獲得した。連立を組む日本維新の会と合わせると与党議席は352議席となった。
政権運営の安定は政策の予見可能性が高まり、経済にプラスの面はある。ただ、金融市場や海外では高市早苗首相の掲げる「責任ある積極財政」に対して財政拡張懸念がくすぶる。持続可能な社会保障制度や減税について、しっかり議論し、財源確保の道を示せなければ、市場の懸念は晴れまい。数にまかせて押し切るようなら、国民の信認も失うことになろう。
2025年10月に高市政権が誕生して以降、長期金利の上昇と円安トレンドが続いている。財政悪化と日本の国力低下懸念が背景にある。円安が進めば、輸入品の価格上昇により、国民生活にしわ寄せが及ぶ。格段に高まった政権運営の安定性を国力回復につなげられるかが問われる。
自民党は、選挙公約で飲食料品の消費税を2年間に限ってゼロにするための検討を加速するとした。実施するとすれば、年間5兆円程度の財源が必要になるだけに、実施の是非を含めて丁寧な議論は欠かせない。一律の減税では、本来支援が必要な低所得者層の恩恵が少ない。高市首相は超党派による国民会議で、給付付き税額控除を検討することを表明している。与野党で幅広く支持されており、給付と組み合わせて必要とする人に支援が届くようにすることは重要だ。
正確な所得の把握などの課題もあるが、会議設置の目的である「税と社会保障の一体改革」を目指し、医療保険の自己負担額などの見直しと合わせて財政拡張を抑制できる財源確保策を探るべきだ。
国民に新たな負担が生じ、一時的に不評を買うような政策でも議論を尽くし、実行していかないと、「財政の健全化」や「強い日本経済」の実現が遠のく。2026.2.13
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