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社説 環境変化に先手打つ対応を

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 金融庁が2025年12月19日、金融機能強化法の資本参加・資金交付制度の期限延長や拡充などを盛り込んだ地域金融力強化プランを公表した。人口減少が進むなかで、地域銀行や信用金庫、信用組合などに期待される地域経済に貢献する役割を発揮しやすくするのが目的だが、地域金融機関の持続可能性に対する危機感もにじむ。
 今回、金融庁は再編のインセンティブとして合併・経営統合に伴う経費を支援する交付金を現在の最大30億円から50億円に拡大することを盛り込んだ。銀行と信用金庫など業態を越えた合併と、当事者が資本増強の改善命令を受けている場合は、さらに多い75億円を交付する。申請期限は31年3月末となる。
 株式会社の銀行と協同組織金融機関の合併には、さまざまなハードルが予想されるが、選択肢の一つとして示された意味は小さくない。
 合併・転換法では、銀行と信金が合併する場合、存続会社として信金も選択可能だ。21年の同法改正で、信金に課される融資先の規模規制の特例が設けられ、融資も継続できる。逆に信金・信組が銀行に転換し、銀行と統合すれば、グループ会社機能を使った多様な課題解決手段の提供などが展望できる。従来の型にはまらず地域に貢献する力を高める視点で柔軟に検討してみる価値はあろう。
 人口減は、じわじわ金融機関経営に影響を及ぼしている。強化プランでも、前年同月比で個人預金が減少する信金・信組が増えていることについて触れ、「地域金融機関の経営状況は二極化の兆候がみられる」と指摘した。国債利回りの上昇(債券価格は下落)による有価証券含み損拡大も懸念される。
 金融庁は人口動態や金利変動なども健全性を判断する材料に追加し、モニタリングを強化する方針も示した。地域金融機関は、人口減をはじめとする環境変化に先手を打つ対応が求められる。2026.1.9


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