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社説 成年後見の見直しは妥当

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 法制審議会の部会が1月27日、成年後見制度の見直し要綱案をまとめた。いったん利用を始めると原則、被後見人が亡くなるまでやめられない硬直的な制度を変え、必要な時に必要な支援だけ受けられるようにする。認知症高齢者が増える一方で、制度の利用が低調なことを考えれば、妥当な見直しだ。代理権のない親族からの取引依頼などへの対応に苦慮する金融機関の負担軽減も期待できる。
 2025年の認知症高齢者は推計で約471万人(高齢社会白書)に対し、24年12月末時点で成年後見制度の利用者は約25万人にとどまる。途中でやめられないことや、後見人への報酬支払いが続くことが低調な利用の一因として指摘されていた。後見人の権限が広すぎることも国際的に問題視されていた。
 大きく見直すのが、家族などの申し立てを受け、家庭裁判所が判断能力の低下した人の支援役を選任する法定後見制度。現在、判断能力の低下度合いが重い順に後見人、保佐人、補助人の3種類がある支援役を補助人に一本化し、オーダーメード型で必要な期間だけ利用できるようにする。
 例えば相続が発生し、意思決定能力を欠く相続人がいるケースで、遺産分割など相続手続きが終了するまでの間だけ利用することが想定される。相続に関連して利用する人が増えれば、金融機関も被相続人の預金口座解約にスムーズに対応できよう。現行制度では終了後も家裁への報告などが続き、利用をちゅうちょする人が少なくないため、手続きが滞るケースがある。
 判断能力が回復していない状態で利用をやめた人への対応は課題だ。金融機関でも事情を把握せず、出金などに応じてしまえば、トラブルにつながりかねないだけに慎重な対応が求められる。国会での法改正を経ての実施となるが、備えとして指定した代理人が入出金できる代理出金機能付信託などを案内していくことも重要になる。2026.2.6


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