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社説 重要性増す粘着性ある預金

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 日本銀行が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げたことを受け、メガバンクをはじめ多くの金融機関が2月2日から普通預金金利を0.3%に引き上げる。今後、定期預金金利の改定も予定される。預金者の金利選好が強まる可能性があり、粘着性の高い預金獲得の重要性が一層高まる。
 普通預金金利はマイナス金利下で主流だった0.001%と比べると300倍だ。預金調達コストが増えるだけに、資産・負債の総合管理(ALM)の巧拙が問われる。
 25年9月末の預金残高をみると地方銀行61行のうち15行、第二地方銀行は36行中9行が、対前年同月比で減少した。地方では人口減少や相続預金の都市部への流出も影響している。金利だけでなく、社会構造の変化を踏まえた預金戦略が求められる。
 個人取引ではアプリなどデジタル接点が増えており、デジタル機能の充実は欠かせない。一時的に高い金利を提示する預金キャンペーンは歩留まりが低ければ、コスト倒れになりかねない。簡単に他の金融機関へ移されないよう複合取引の推進なども平行して行うことが重要だ。
 楽天銀行の預金残高が25年12月末で13兆円を超えたように、依然としてネット専業銀行の預金伸び率は高い。相対的に高い金利に加え、ポイントの強みもある。地域金融機関は相談力を強化するなど有人サービスを組み合わせて取引メリットを提供することが対抗策になろう。
 法人・公金預金にも注意が必要だ。メガバンクで法人預金の伸びに鈍化の兆しがみられるなど、大企業を中心に金利選好が強まっている。公金も獲得競争が激化。目先の量獲得へ高い金利で落札すれば、収益性の低下を招く。
 日銀の利上げは26年も続くとみるのが自然だ。預金だけでなく、貸出や有価証券運用でも利上げを見越して機動的に対応していかなければ、収益機会を逸する。2026.1.16


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