ニッキン抄 2026.8.14
定期性預金のペイオフが解禁されたのは2002年。銀行の不倒神話は過去のものとなり、地方支局にいた当時、格付けが高い大手行や自己資本の厚い地方銀行に預金がシフトする話をよく耳にした▼「失われた30年」の真っただ中。運用難で預金を軽視する空気があった。「お金を預けに行ったらぞんざいに扱われた」。客の不満を漏れ聞いた地銀役員が「いつかツケが回ってくる」とつぶやいたのを覚えている▼その懸念が現実となったのか。金利上昇の追い風を受けて、預金を巡る熾烈(しれつ)な獲得競争が起きている。店舗を持たずインターネットで取引する銀行が台頭し、相続による地方から都市部への預金流出も進む。皮肉にも、官民の尽力で証券投資のハードルも下がった▼環境に合わせた資源配分は、経営として当然。けれども、「職員に預金集めの経験がない」といった経営陣の言葉を聞くと、ツケが回ったのではとの思いが浮かぶ。2026.8.14
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