2023年1月13日号7面 特集 グローバルインフレの実相、危機回避も“見誤る”FRB

政策運営縛った「2%」の固執
新型コロナウイルス感染拡大が深刻化し、金融市場に緊張が走った2020年春からまもなく3年が経つ。リーマン・ショックを想起させる相場急変動のさなか、主要国の金融当局は危機回避に向けた対応策を相次ぎ発動して事態を鎮静化。一方、コロナ禍からの経済立て直しで講じられた米国などでの大規模緩和策は、歴史的なグローバルインフレを招き、FRB(米連邦準備制度理事会)では急ピッチな利上げを敢行。日本でも為替円安と相まって物価高局面に突入した。
■リーマン教訓生かす
「金融危機は防いだが、その後の景気回復局面での政策対応を誤った」――。コロナ禍後のFRBの行動について、こう評する市場関係者は少なくない。
世界経済の先行きに対する不透明感が急速に高まった20年3月。マーケットは大荒れだった。債券市場は…
【写真】コロナ禍は、基軸通貨を発行するFRBの世界的な存在感や影響力が功罪両面で発揮された(写真はFRB外観)
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