ニッキン抄 2018.12.21
この出口でいいはずと、階段を上るも目的地と違う……。地下鉄5路線が入り組む東京・大手町駅の構内。仕事で普段利用するが、広範囲でよく道に迷う。地下に潜りがちな冬場は特に多い▼俗にいう方向音痴だが、悲観することもなさそう。国内では「5人に2人いる」と聞く。“発症”しやすいのは交差点や分かれ道など曲がり角。スマートフォンの地図アプリはわれわれこそ必需品だ▼進むべき方向を定める難しさは、金融界も直面している。マイナス金利という地下空間で「出口」はまだ見えない。同時に従来なかった選択肢も増えてきた。営業時間や店舗の見直し、ATM共通化、プラットフォーマーなど異業種との連携。困難を脱する新たな道を探る時代だ▼帰宅途中、方向感覚の鍛え方を本屋で知った。「曲がる時は目印を設けて歩く」。これなら複雑な地下通路にも克てる。得意げに家族に話すと、ひと言返ってきた。「困ったら地上に出たら」。ごもっとも。2018.12.21
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