ニッキン抄 2021.1.1
クリック一つで太陽系、恒星、銀河系へ――。最近、国立天文台の観測ソフト「Mitaka」を自宅パソコンにダウンロードし、ひとり“宇宙旅行”を楽しんでいる。天体に親しむのは中学校での授業以来だ▼久しぶりに興味がわいたのは、探査機「はやぶさ2」の快挙が大きい。小惑星リュウグウで砂を採取し、地球に持ち帰る一大ミッション。「目をつぶって射る流鏑馬（やぶさめ）」のような難業だったと聞く。挑戦に満ちた旅の完遂をたたえたい▼金融界も長引く超低金利にコロナ禍という難路が続く。乱気流を受けながら、いかに持続可能な安定軌道に乗せられるか。デジタル化の加速、規制緩和を生かした新ビジネス展開、産業構造転換の後押しなどに果敢に挑みたい▼2021年の干支（えと）は辛丑（かのと・うし）。「辛」は痛みを伴う幕引き、「丑」は殻を破ろうとする息吹を表すという。従来の枠に捉われない発想でコロナ禍に打ち克ち、新時代につなげる。その“針路”は日本経済の将来をも左右しよう。2021.1.1
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