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社説 限度額撤廃は慎重な判断を

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 ゆうちょ銀行が、郵政民営化委員会に民間金融機関の普通預金にあたる通常貯金の限度額撤廃の検討を要望した。相続などにより、1300万円の上限を超えた分の貯金を振り替える無利息の振替貯金残高が増えていることが大きな理由の一つだ。
 同行によれば、限度額を超える人は2026年4月で106万人。18年比で79万人増え、超過分の預金は9兆7000億円。預金者が失う利息は485億円に達する。利用者視点でみれば、同行の言い分も理解できなくはない。
 ただ、地域金融機関の経営に与える影響は少なくない。10月30日に行われたヒアリングでも金融団体から反対の声が相次いだ。民営化委には、多角的に影響を検証した上で27年春に予定する3年ごとの総合的検証の意見書を取りまとめてもらいたい。
 限度額は19年4月に通常貯金・定期性貯金合わせて1300万円から、それぞれ1300万円(合計2600万円)に拡大。さらなる限度額見直しの検討については日本郵政の株式保有比率を3分の2未満に下げることが条件となっていたが、現在2分の1未満まで売却が進んだ。
 目立った預金シフトがなかったこともゆうちょ銀の材料になる。26年3月末時点の貯金残高は186兆円。国内銀行の預金残高が5年間で約67兆円増加したのに対し、約3兆円減少している。
 一方で民間が反対理由に挙げる政府関与への懸念は晴れていない。政府の日本郵政株保有比率は36%まで下がったが、6月に成立した改正郵政民営化法で郵便局網維持へ年650億円の国費を投じることになった。
 民営化法には限度額を含めた上乗せ規制撤廃の日として、日本郵政が同行株を全株売却した日または2分の1処分後に首相・総務相が適正な競争環境を阻害する恐れがないと認めた日のいずれか早い方という規定がある。前者なら民間の納得も得られよう。2026.11.6


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