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ニッキン抄 2021.1.29

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 東京・日本橋の明治座に近い公園で「弁慶像」を見たことがある。見えを切る歌舞伎の決めポーズが勇ましい。源義経らと関所を越えるため、とっさの機転で難局を乗り切る有名な演目「勧進帳」のシーンだ▼見せ場は関守の役人との問答。通行証として「勧進帳(寺への寄付帳)があるなら読んでみろ」と迫られる弁慶。すると持っていた白紙の巻物を本物のように読み上げ、信じさせる。主君を守ろうとする熱意に関守が通過を許す――▼「言葉が国民に届かない」「メモの棒読み、紋切り型だ」。こちらの“答え方”はすこぶる評判が悪い。菅義偉首相の記者会見や国会での返答である。コロナ禍という非常時のメッセージとしては発信力が弱い。弁慶ではないが、用意されたものを読むのでなく即興で「語る」胆力が必要だろう▼金融界もリーダーが自らの言葉で従業員に思いを熱く語り、力を結集したい。従来型ビジネスモデルからの脱却という越えるべき難関が待つ。2021.1.29


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