ニッキン抄 2021.2.5
歌人の俵万智さんが代表作「サラダ記念日」に書いている。「君を待つ朝なり四時と五時半と六時に目覚まし時計確かむ」。朝、恋人が訪ねて来ると知りつつも落ち着かず待ちあぐむ心境をうたっている▼こちらは日本中の人々が“登場”を待ちわびていよう。恋しい相手は新型コロナワクチンである。医療従事者、高齢者の順に受け、一般向けも集団接種が検討されている。各自治体が4月以降にクーポンを配るそうだ。まだか、まだかと「ポスト確かむ」春となろう▼国際通貨基金(IMF)はワクチン普及などで2021年は世界経済が5.5%のプラス成長になると予測。金融機関も対面営業しやすくなれば、より寄り添った顧客支援ができる。早期にワクチン接種が行き渡ってほしい▼ただ、接種の会場設営や医師の確保など課題も多い。昨春の10万円給付ではシステム改修に手間取って、なかなか受けられない人が続出した。「待てど暮らせど……」とならないことを祈る。2021.2.5
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